2018年11月03日

で?安倍首相の訪中会談の真意は?

今回の記事は、前回の安倍首相の訪中に関する記事の続きの記事となります。

前回:



★安倍政権は、何が目的なのか?
安倍首相は習主席との会談において、結局チベットやウイグルの弾圧を取り上げず、民間による海外協力投資の約束、軍事的な対立はしない、などの事を約束しました。

また、それ以外にも今回の訪中では、親中派と目されている二階幹事長の強い意向もあり、安倍首相の訪中の随員として、経団連の方々が500人ほど列をなして中国入りし、李克強首相と会談したようです。

今後日本政府の行動だけではなく、日本の経済界の動向も中国の行動を見る上で、より重要な要素になりそうです。

これらの会談の結果と、前回述べた国際情勢や当ブログで述べている日本の国家戦略を前提に置いた場合、どの様な意図があって今回の会談が行われたのでしょうか?

・経団連への支援
まず一つ目の可能性としては、純粋に日本の経済界の要望を取り入れる形で行ったと言う考察が成り立ちます。

米中の関税による経済制裁合戦が始まってから、世界の市場が混乱しているため、経団連としては、米国だけに投資するよりも、対立している中国にも投資してリスク分散を行おうと考え、今回の日中関係改善を企図した政策を安倍政権に要求し、政権側もソレに答えたと言う考察。

無論この場合、国際情勢を甘く見て行っている可能性も有るので注意が必要となります。


・中国への支援
第二の可能性が、純粋に中国を支援しようと考えて行っている可能性です。この場合、前回の記事でも書きましたが、中国が他国に対しての植民地政策や、自国の少数民族への弾圧とも思われる政策を行っている事に関しての国際的な批判をこうした場合、日本のイメージ悪化が懸念されます。

また今までの中国と日本の外交関係を見た場合、これ以上中国に深入りすれば、今まで以上に中国が反日に変節した時に、中国から引き難くなってしまいます。

そして中国と対立軸を明確に打ち出した米国は、親中国とも受け取れるこの様な行動を取る安倍政権に対して、どの様な感情を抱くのでしょうか?リスクは尽きません!

ただし、安倍首相は、訪中が終わった後に、インドのマハティール首相と会談をして居るため、現在のインド太平洋構想を放棄したわけでは無いとも思え、判断に苦しむ所です。それとて只のポーズである可能性も否定はできません。


・中国資本を他国に引きずり込む
第三の可能性としては、以前も記事に書いた様な中国の産業リソースを他国の投資に回させるためのコントロール戦略と見なす事も出来ます。

特定国家の産業リソースを第三国への投資として回させると言う戦略は、「帝国主義時代の英国とフランスのスエズ運河の件」や「第二次世界大戦時の英国から米国への覇権移行」が有名ですが、日本が中国に対して同じような投資のコントロールを行おうとしているとも見なせます。

ようは中国に対外投資させるだけさせて、後で維持できなくなったら安値で買いたたくと言う戦略で、過去に英国がフランスにスエズ運河の投資を行わせるだけさせて、後で奪い取る事により、インドへの道を制し覇権国家へと昇格した、と言う戦略を真似て行っている可能性も有ると言う事です。


・米国に悪行の再認識をさせる
第四の可能性が、米国に自国の過去の悪行を認識させるのを目的としたトラップである可能性です。

米国の過去の悪行と言うモノは、第二次世界大戦中にナチスドイツが、現在中国が行っているような国内の少数民族の弾圧を行っているにも拘らず、米国はドイツと敵対しながらも、自国の企業にドイツを助けるような活動を行わせていた事に関してです。

もし日本が、かつての米国と同じような行いをして、米国に負担を強いる結果となったとしても、これに対して文句を付けるのは、遡って第二次世界大戦時に、米国自身の行っていたナチスドイツ援助さえ悪行であると宣言する様な事なので、米国としては倫理道徳面で自爆させられるようなものなのでは無いでしょうか?


この日本の行動に対して米国が批判を行った場合、はたして中国どの様に対応するでしょうか? またドイツはどう思いますでしょうか?

ドイツとしては、「え!米国のナチス支援は、米国でさえ批判する様な事だったの? じゃあ何で米国は罪を償わないの?」とか思いますし

中国としては、米国のダブルスタンダード外交を批判し、より日本と関係を改善する口実を得る事にもなり、その様に物事が進んだ場合、米国もより対日外交を軟化させなくては成らなくなるのでしょうか?

日本政府が、そこまで考えて行っている可能性も想定した方が良いと思います。事実日本は過去に、米国が第二次世界大戦時に中国のテロ行為に支援をしていた事と同じようなテロ支援による被害を当事者となって被った時、米国のイラクやアフガンへの軍事派兵を支持しています。(小泉政権の時です)

この様に考えた時、同じような米国の過去の悪行を米国自身に認識させると言う意図をもって、今回の訪中と会談による経済協力を行っている可能性も考慮すべきではないでしょうか?


・日本が悪者になって米国を含む他国に分相応の以上の利益を与えたい
第五の可能性が、日本の富を海外に分け与えたいための行動の可能性です。

富と言うモノは、本来は稼いだ当人が、使用するなり投資するなりの行為を行わなければならず、借りたお金でその様な事をし続ければ、いずれは身を滅ぼします。これは他人から分け与えられたお金を基盤に生活を構築し、ましてや食い扶持を増やした場合、永続的にその富の流れが無ければ、いずれ生活が維持できなくなるからです。

ですので敢えて日本が批判される事を行い、謝罪と言う形でマネーを流せば、その資本を基盤にして豊かになった国は、他者の資本で増えた国民と消費力を養えなくなり、破綻の憂き目にあわせる事が可能となるのです。

個人ならともかく国家レベルで他国の資本に一時的にでも頼る様な事を行えば、借りて使用されたマネーは、国内で使われ続け、人々の所得を押し上げ続けてしまう事になります。

ですのであえて米国からの心証の良くない行為を一時的にでも行い、日本を叩かせれば、日本としては、余り有るマネーを米国を始めとする世界中の国々に収める事により事を治める事にするかも知れません。そうなれば米国を始めとする各国は、日本円を使用してくれるので、貿易を短期的に円で支払うかもしれません。仮にそうならずに円を担保にドルを発行しても、自国の生産力に見合わないドル発行と成るので、実質的な通貨力の下落となります。

そうなれば、数値上には見えない相対的な日本の国力上昇となります。

関連リンク
本当は怖いお金の話

・中国の外交の非帝国主義化
六つ目の可能性が、目に余る中国の対外投資戦略を日本が手綱を付けてコントロールする事によって、穏健な投資に移行させ、国際情勢を安定させようという試みです。

これは日本が中国の海外投資を修正する事によって、中国が世界の脅威にならない様にする目的が有って行っている可能性が有ると言う事です。ですが、現状の中国の現状を見るとその様な猶予が有るかどうかは疑問です。


・中国の「対米軍拡競争かませ犬利用」長期化
第七の可能性は、中国に今まで以上の国力を付けさせることにより、米中冷戦の軍拡競争を、より長期に渡り行わせる目的です。

より長期に渡り米国に軍事支出を続けさせることが出来れば、軍事力と言う民需に対して非生産的な産業にリソースを投入しなければ成らず、民間の生産力が落ちる事により物価高に直面させ、より賃金が低い国からの輸入を行わなけれ成らなくなります。

そして、現在世界最大の生産力を持つ中国より賃金が低く工業能力が高まりそうな地域と言えば、日米の主導しているインド太平洋地域となる筈です。

そうなれば、ASEANとインドへの投資を加速させている日本にも、マザーマシン等の資本財の販売と言う形で恩恵を受ける事が出来と言う訳です。


・対ロシアを見据えた外交(米露同盟確立支援)
第八の可能性は、中国の巨大化を加速させる事によって、北部に位置するロシアの中国に対する危機感を抱かせると言うモノです。

前回取り上げた「米国の中距離核戦力全廃条約の破棄」は、ロシアにも条約を破棄させ、大手を振って中距離核戦力を配備させようと言う意図がある可能性が有ると述べましたが、この日本の中国との関係改善とも見える行動によって、ロシアと米国の両国に危機感を抱かせ、同盟を結ばせようとしているとも推察できるのです。

また現在日本で北海道に中国人を招いて農業を行おうとしている点を考慮すれば、これが農民に扮装した中国兵だった場合をロシアに想定されれば、よりロシアの危機感が煽られると考えられます。


・トランプ大統領を対中戦線の矢面に引きずり出す(安倍政権が強力に成り過ぎ)
第九の可能性は、現在日本の安倍政権の影響力が国際的に強くなりすぎたため、弱くするための行動の可能性です。

国家は国際的に影響力がある時、何か国を跨いだ事件や混乱があった場合、国際社会の前面に引きずり出され、負担を被る羽目に成る。たとえその国に責任が無くても国力と影響力が有り、解決する力が有れば、経穴の為の行動を身を切ってでも行わなければ批判されるのです。

この様に考えた場合、何かあった時に、日本が国際的に事件や紛争が起こったら責任を背負わされそうなため、今のうちに安倍政権の名声を失墜させて、相対的にトランプ大統領の影響力を拡大させ、米国に国際的な問題に関わらせ解決させる負担を押し付けようと言う意図があって行っているとも考えられます。


・ただのバカだから・・・
ブログ主の考えつく最後の可能性が、安倍政権を含む外務省が、只のバカだから。


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以上が安倍首相が訪中し習主席と会談した事の真意の考察となります。

無論ブログ主の個人的な考察となりますので、ただの妄想だったり、考えすぎだったり、間違いなども有るかも知れません。それを前提の上で読んでください。

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