2018年12月31日

3-消費税増税が成功するタイミング?


今回は、消費税で見るの三回目で、増税のタイミングに関しての考察と成ります。

★状況の違いで「消費税増税」の負担は違う
消費税と言う税制度は、時と状況によって負担割合が変わってきます。これは消費税と言う税制度があらゆる商品やサービスに対して課せられる税制度である事が原因です。特に適応された時の状況が、

「デフレーションの時期、インフレーションの時期」
「通貨高の時、通貨安の時」
「輸入依存の時、輸出依存の時」
「対外負債拡大中の時、対外資産拡大中の時」

によって著しくその効果が変わってきます。

これらを無視して消費税さえ上昇させれば税収が改善すると言う理論は通用しないのです。


①「デフレーションの時期、インフレーションの時期」

・デフレスパイラルの時に上げた場合
デフレーションとは、継続的に物価が下落し続ける時の事を言うのですが、特にデフレスパイラスと言いう現象は、「民間の消費の冷え込みから企業が利益を上げれなくなり投資や生産が縮小させ、生産が縮小する事により企業が従業員に支払う給与を減らしたり、新規雇用を止めたりする事により社会全体の所得も低下し、更なる消費の冷え込みに陥り、投資と生産を縮小しなけらばならなくなる」と言う経済における負のスパイラルを指します。

当然その様な経済状況下に置いては物価も低下し続けますので、価格の下落から商品やサービスにかかる消費税も低下する事になるのです。そうなれば当然税収の低下に陥ります。

またその様な社会情勢では、雇用の雇い止めをする企業も出てきますので、労働市場に人材が氾濫し低賃金で使い潰される事になる筈です。その様な状況下で増税を行えば、更に景気が冷え込みから、消費を控える顧客を考慮し企業側も労働者側の賃金を下げなくては成らなくなります。そうなれば更なる消費の停滞が起こりデフレスパイラルも深刻化して行くころになります。これこそがバブル崩壊以降の日本が陥った長期不況です。

・インフレーションの時に上げた時
インフレーションと言う現象は経済状況で見た場合、継続的に物価が上昇している状況を指します。常に物価が上昇するため、お金を保有しているよりも商品に換えた方がマシな状況で、緩やかなインフレが起こっている時は、非常に安定的に経済規模が拡大する事になります。その様な状況下では、人は商品やサービスを求め購入し、それらが売れるため企業側も生産能力を拡大させる為の投資や雇用拡大を行い、それでも人手が追い付かない場合には、人材確保の為に競合他社よりも高い賃金で人を雇おうとします。

この様な社会情勢では、雇用と物価と賃金が常に上昇するため消費税を適応させた場合、「人、物、値段」の量的質的拡大から物価に掛かる消費税収も増収する事になります。

無論、消費税が必要最低限度の生活さえもできない程に重増税された場合に関しては、消費の冷え込みが起こり、その際に物価の上昇を止める事の出来なければ、「所得は下がるが、物価は上がる」と言う経済的に最悪の状況の一つであるスタグフレーションに陥ってしまうので注意が必要となるで。


②「通貨高の時、通貨安の時」

・通貨高の時
国際的な通貨価値が他の通貨に対して高い時、貿易等で各地の物産が安い値段で購入できるため消費がしやすくなります。そのような時に自国の消費力を放置すれば、他国の生産力に依存し対外赤字が膨らむ事になります。

そのような時に何らかの条件が重なり通貨安になったり、他国との貿易が停止した場合、国内の経済が大打撃を被ります。その様なリスクを避けるために通貨価値の高い平時にはある程度の消費税増税等のエンゲル係数を上昇させる税制度を適応させ消費を一定量冷え込ませる事により貿易赤字を減らす事がリスクコントロールとして必要な政策となります。、

・通貨安の時
逆に通貨安の時は、海外からの輸入物価が上昇するため、ある程度の減税政策を行い、国民の消費に対する負担を取り除かなければ国民生活に負担となってしまいます。

もし不必要な通貨の刷り過ぎでインフレが起こった場合、通貨の量と生産力のバランスが取れていないため増税する事によって通貨を回収し、通貨量と生産力の均衡を取る政策が求められ同時に、生産力を拡大する為の投資等を行い、その行為をしてくれる企業には減税政策を行わなくては成りません。

ただあまりにも税金を増税した場合、やはりインフレと所得安によるスタグフレーションが起きてしまうため、増税による通貨回収はマイルドなインフレが起こる程度にコントロールし、その上で富の循環を促す政策が要求される事になります。(ただしスタグフレーションが起きれば、物価高にもなるため消費税の税収は改善し増収となります)


③「輸入依存の時、輸出依存の時」

・輸入依存
輸入依存の時とは、即ち他国に対して貿易赤字を拡大させ、他国の生産力に依存している状況です。そのような時に消費税を上昇させると言う事は、消費を抑える事により輸入物資量を減らす事になり、他国の生産力に依存しない状況を作ると言う効果が期待できます。そうなれば通貨価値も安定し輸入物の価格も低下する可能性が有るため結果的に国民の為になるのでは無いでしょうか?

・輸出過剰
輸出過剰の時とは、国内で消費できない量の生産物資を他国に輸出し外貨を稼ぎ捲っている状況を意味しています。その様な状況で更に消費を冷え込ませる様な消費税増税を行えば、国内消費が減りあぶれた分の生産物が安値で海外に流出する事を意味し、外国の経済状況によっては、輸入国の「他国からの輸入依存」や「国内の雇用不安」や「将来的な通貨安」に繋がるリスクが生じる事になります。

放置して置けば、輸出国の外貨積み増しからなる、イザいと言う時の自国の通貨価値安定や将来的な通貨高が起こるため、輸入消費と言う観点から見れば、安定の確保と言うリスクコントロールを見出す事が出来る。ただし国内を安定させる状況確立からなるリスク回避が見いだせたとしても、他国の混乱を誘発するため、国際的な非難に晒される恐れがある上に、短期的に自国民に過剰な負担を背負わせる事になるため、国内の不安定要素の増大にも繋がる。


④「対外負債拡大中の時、対外資産拡大中の時」

・対外負債拡大中(ホットマネーの流入)
対外負債拡大中と言う状況は、上記で述べた貿易赤字が拡大している時以外では、その国の政府や民間が発行している債権を外交に購入してもらっている時や、海外からの投資資金流入が拡大している時を指します。

そのような時には基本的に通貨高に成ってしまいますので、放置しておけば円高による輸入依存や自国経済が他国に資本無しでは運営できない状況にまで追い込まれる恐れがありますので、その様な状況下で消費税増税を行うと言う事は、消費や成長を停滞させる事により、過剰な消費や他国の資本に頼った国家運営にならない様にする効果も有りますので、国家の自立性を維持すると言う観点からも必要な税政策と認識できます。

そのような状況下で増税しても、輸入物資が安いため国民生活に打撃が行きにくく、また先端産業投資を行えば、ある程度の不況下でかつ通貨高の時にでも通用する産業をバブル化せずに安定的に育成する事が出来るため産業の高度化と言う点からも国益になるのです。

・対外資産拡大中(キャピタルフライト中)
逆に対外資産拡大中の時とは、自国以上に他国に対して投資を拡大させているだけでは無く、資本が国内に逃避している状況でもあり、国内経済に活気のない状況下でもあるため、そのような時に消費を冷え込ませる増税を行えば、国内投資で利益を上げれないと考える資本家などは、海外投資を加速させ、更なる資本逃避を誘発させ、円安、物価高の経済縮小効果が誘発されてしまいます。

国民経済には大打撃ですが、スタグフレーションが起きれば、物価高にもなるため消費税の税収は改善し増収となります。(なおアベノミクスと消費税増税によりこれに近い事が起こったのは、知られては居ませんが事実です)


★税が高い国の特徴
上記の事から消費税を導入している国で、特に日本のメディアで取り上げられる欧州諸国が何故、消費税を導入しても成功しているのかを考察してみる事にしましょう

まずヨーロッパ諸国の税制度の現状ですが、基本的には重税の国が多い事になっています。これは前回に述べた事でも分かる様に、多い国では平均所得の実に四割~五割が税金で持ってゆかれています。

また税の種類に関しても、イギリス、フランス、ドイツ等は消費税が20%に達し、更に北欧の国では、それに加えて「デンマークの自動車重税」等も有名です。ちなみにデンマークは、他の欧州諸国に比べ、20%超えの消費税を導入しているにも拘らず、日本と同じく軽減税率を適応させてはいません。

また先進工業国だけでは無く、ハンガリーなどの工業力が発展していない国でも20%超えの高税率の国も有りますが、工業国でない国での高税率に関しては、どうもインフレが収まらない為の処置である事が分かっています。(生活必需品に関しては、かなりの軽減税率が掛けられているようです)

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≪重税の国デンマーク≫
なおデンマークは世界屈指の高税率の国で消費税も高く25%と成っています。ただし人間としての基本的な生活を支える医療と教育に対して消費はほぼ無料です。

また自動車税(取得税100%以上)がバカ高い事でも有名ですが、自動車以外の交通機関(自転車の持ち込み可)が発達しているため暮らしやすいと言う話です。

しかも生活保護が日本以上に整備されているので生活に不安はないようです。ただしこれだけの生活を維持する為に、莫大な対外債務を行っておりGDP比率150%にまで膨らんでいます。

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これらの国はなぜ高税率であるにもかかわらず、国内経済を運営できているのでしょうか?

日本とは何が違うのでしょうか?

ソレは以下の可能性が考慮できます。

「冷戦終了」「日本のバブル崩壊」「EU発足」「米国発の金融危機」「対外負債の増大」の5点に原因があると考えられます。


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消費税を導入している国はカナダやオーストラリアも有りますが、これらの国は資源国であるため、資源の切り売りが出来る事から最悪ある程度の通貨安には耐えられます。工業主体の欧州とは得意産業が違います。日本と似たような産業構造である欧州が消費税増税で成功している点を見れば、なぜ日本が成功できずに苦しんでいるのかの理由が理解できると思われます。

今回は文字数も多くなりましたので、残りは次回に回そうと思います。

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