2019年01月02日

4-悪意ある日本の増税タイミング、欧州は消費税でなぜ成功したのか?


今回は、消費税を含むエンゲル係数増税に関するシリーズの第四回目です。

日本と欧州の消費税増税に関して、なぜこうも財政健全化での明暗が分けられたのかの「増税タイミング」に関しての考察となります。

なおシリーズ三回目の記事と合わせると、ブログ立ち上げ初期に書いた「何故不況から脱出できないのか。悪意のタイミング」の再構成ともなります。

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★欧州は税率が高いのになぜ上手く行っているの?
①冷戦終了
まず第一に冷戦終了で、この状況変化により、欧州各国が対ソ連目的で投入していた軍事リソース負担が経済分野に投入する事が可能だった点です。軍事と言う非生産的な行為に産業リソースを投入していたため、その分を民需部門に投入すればより効率的に経済成長する事が出来、増税の負担を軽減する事が可能となります。


②日本のバブル崩壊
第二は冷戦崩壊と同時に起こった日本のバブル崩壊です。これ以降から世界一の経常収支黒字を有した日本が、自国で貯め込んだ富を使用しない様になり、富の海外流出を行い続けたため、ヨーロッパにも富が流れ通貨高になる事により、安いアジア産の商品を輸入する事により、消費税増税分の負担を緩和する事が可能だったと言う点です。


③EU発足
第三の理由がヨーロッパ連合の発足で、冷戦期から続く欧州諸国の統合が加速し、欧州の安定と大国化による期待が、通貨高とホットマネーの流入に拍車を掛け、投資の活発化に繋がったため、予想以上によくなった経済の影響を受け、消費税の増税負担が緩和されたと言う点です。

またEUの発足により、域内の人物金の移動が自由になり、経済が活発化すると共に、域内の安い物資や労働力が手に入る様になったため、投資や消費の為の資金を捻出しやすくなったことも消費税が高くても国民が生活して行ける原因ともなっているのでは無いでしょうか?


④米国発の金融危機
最後の理由が、2007年から米国にて発生した金融危機で、これにより世界中にドルが撒き散らかされたため、米国に次ぐ勢力と見なされたEUに安定のための資金(ホットマネー)が流れ込み、経済を必要以上に通貨高に導いたため高い消費税の影響から逃れる事が可能だったと言う点です。


⑤対外負債の増大
五つ目が上記の事から分かるホットマネーの流入の流入である、これは欧州だけでは無いのだが、特に欧州諸国が冷戦が終了した後、世界で一番経済成長の期待の持てる地域だったため、増税しても通貨高や投資の受け入れが増税分の負担を和らげる事が可能だったためと思われます。

事実欧州各国の対外負債の増大は、一人上がりに換算した場合、米国を超える負債を有する国ばかりになっており、将来これらを返済する負担を考えた場合、天を仰ぎたくなる気分になる事でしょう。

インターネット上で欧州諸国の一人当たりの対外負債の検索を掛ければ、その借金の多さに驚く事でしょう。無論これらの負債は、国家レベルで提示されているため、EU域内からの投資も有ると思われますが、それにしても負債の多さは群を抜いています。


★高額消費税で成功している国は、これからも成功し続ける事が出来るのか?
消費税増税で財政を日本以上に健全化させている国は、上記で述べた欧州諸国だけでは無く、カナダ(州により変わる)やオーストラリアもその内に入ります。

ですがこれらの国々も、対外負債の上昇ぶりを見れば、ホットマネーの流入によって「実力以上の投資」や「通貨高による消費力の増大」の恩恵を受けれたため、民間の消費活力が低下せずに経済成長の恩寵を受ける事ができ、財政も健全な状況に導く事が出来たと見なす事が出来ます。

ではこれらのホットマネーの流入循環と言う前提条件が崩壊した場合はどうなるのでしょうか?

もし世界からの投資が引きそうな時には、増税か政策金利の上昇を行い通貨価値を安定させなくては成らなくなります。そうなれば国債の利率上昇による国内投資の低下か、緊縮によるデフレ不況に陥る可能性が有り、更にキャピタルフライトが起こればスタグフレーションに陥る可能性も有ります。

そうなった場合には、物価の上昇を抑える為に安易な消費税減税さえできなくなり、消費税の存在が国民の不満を増大させる余韻にも成り兼ねません。

ですので本来これら最悪の予測が出来ているのであれば、現状で出来る限り国民の不満を制御できる程度のデフレ政策を行い、経済成長から背を向けるべきなのですが・・・

EU諸国は各国の産業構造が全く違うため、統一された経済政策が行い難くいためデフレ政策を行えば、一部の国に負担が集中してしまうモノと思われ、デフレ政策自体が不可能かと思われます。

カナダやオーストラリアに至っては資源国であるため、常に資源に頼った産業構造により貿易赤字が定着しており、いざ世界恐慌の様な資源価値下落リスクが現在化した時の対処に不安がある様に思えます。

一応欧州の中では、ドイツやスイス、北欧などの一部の技術国なら生き残れる可能性が有りますが、断言まではできません。

★日本の消費税導入は、何故不況を招いたのか?
では日本は如何なのでしょう?なぜ日本では消費税増税の度に、経済が腰折れし再度不景気に突入してしまうのでしょうか?

簡単に言ってしまえば「増税タイミングと景気対策の失敗」と言う事になります。


ではどこがどう失敗なのでしょうか?

これは先の「状況の違いで"消費税増税"の負担は違う」で述べた、「デフレか?インフレか?」「通貨高か?通貨安か?」「輸出依存か?輸入依存か?」「対外負債増大中か?対外資産拡大中か?」であります。

基本増税とは多かれ少なかれ、国民のエンゲル係数を一時的に上昇させる効果が有ります。そして増税によりエンゲル係数が上昇した負担分を埋める様な環境が整備されていないと、生活する上での負担が国民の所得に直撃する事になります。

上記の比較で言えば、

負担を和らげる条件が、「通貨高」と「対外負債拡大中(海外らかの投資流入)」が挙げられます。

逆に負担を高める条件が「通貨安」と「対外資産拡大中」がソレに当たります。

「デフレ、インフレ」に関しては、労働市場の需要状況によって増税しても国民の負担になるかどうかが変わってきます。

「輸出依存、輸入依存」に関しては、通貨価値と経常収支と資産の状況によって変わります。輸出依存の場合は、通貨安で海外に対しての利益を上げれば不景気分を相殺できますし、輸入依存であれば、通貨高で海外に生産資産を有していれば安い商品を購入する事によりエンゲル係数上昇分を相殺できます。

この考えを基に、バブル経済からバブル崩壊以降の日本の経済政策を例として挙げ

「1989年消費税導入」
「1997年消費税5%に増税」
「2001-2006年小泉構造改革」
「2009年頃リーマンショック」
「2014年アベノミクス~消費税8%に増税」

について説明と考察をすると。


○「1989年消費税3%導入」
 対日貿易赤字に耐えきれない米国が、プラザ合意で円高を日本に容認させて、日本も更に財政出動と金融緩和を行い、バブル経済化に突入。そのため経済も活性化し、また円高でもあるため消費税を導入しても物価に反映されず、消費の委縮は起こらなかった。
急激な通貨高による輸出落ち込みから発生する通貨高不況を恐れ、政府は金融緩和(低金利政策)も行い投資を活性化させた。その最中に消費税増税を行いバブル景気に発展しない様な緊縮策を行ったが、結果を見れば寧ろ増税が足りなかったと言わざる得ない。結局経済がバブル化し、発生した不動産と株式バブルは不動産投資の総量規制によって崩壊した。

この時は1996年ごろまで続く通貨高と世界第二位の経済大国になった期待感からのホットマネーの流入によって発生した投資バブルがあったため消費税増税による負担は、当時の大部分の国民には苦しみには成らなかったと考えられる。国民を苦しめたのはあくまでも不良債権処理による企業の倒産であって物価高と所得安から発生したデフレーションやスタグフレーションでは無い。

○「1997年消費税5%に増税」
橋本内閣の消費税5%に増税を、小渕内閣のインフラ整備の財政出動が補った形になる。
ただし増税の二年後頃から通貨安が進み、同時に景気対策による財政出動が一時的なモノに終わったため、継続して消費税増税によるエンゲル係数上昇分の負担を補うには至らなかった。
また不良債権問題で本格的に景気が悪化し始めたのがこの頃からである。

なお同時期に対外純資産が膨張しているため日本からキャピタルフライトが起こっていたと考えられ、その資本逃避による通貨安が、生活物価による国民生活の緊縮に繋がったと考えられる。

○「2001-2006年小泉構造改革」
 小泉内閣結成時は、財政出動を行ったが、金融緩和を維持しつつ直ぐに緊縮財政(実質上の増税)に政策変更し消費を冷え込ませる。また金融緩和を強力に推し進めたため後期には資本逃避による通貨安が起こり物価高ともなった。

同時期に構造改革と称した「社会保障制度改革での国民の負担増」と「団塊ジュニア世代の社会進出による労働力飽和」が重なり、消費需要の落ち込みと人的資源の飽和から、人材が低賃金で使い潰される状況が作られ多くの人が自殺や貧困層に追いやられた。双方の要素共にエンゲル係数を上昇させる要因となるため、近年で最も不幸な時代であったとも言える。


○「2009年頃リーマンショック」
 海外ではフィナンシャルクライシスの名称で呼ばれる世界的金融収縮。米国が、自国の金融システムを守るために、大規模な財政出動と金融緩和をセットで行ったため、ドル円相場が高騰し円高となった。

 政権交代を終え民主党政権となった日本は、自民党時代の財政出動政策を、「コンクリートから人へ」のスローガンで、インフラ系公共事業から子育て支援等のに切り替えた。しかし円高の輸出企業総赤字と公共事業停止で、実際働く人たちの所得が激減、手当等が出はしたが、所得自体の低下と世界的な不況と言う状況で、人心が緊縮状態となったため、手当自体が消費や生産に結びつかず通貨高+緊縮の不況の経済となる。

民主党政権の財政支出の仕方が余りにも阿保だったため労働者に賃金が回らずに、人心が委縮してしまったのが痛かった。正直何もしない方がマシだったと言える。正確に言えば、「何もしない事が最高の政策」だったと言える。

もし労働者に賃金が回る形での財政出動(景気対策)を行っていれば、通貨高による輸入物価の下落が合わさり経済が活性化していたと思われるが、経済のバブル化に発展したリスクもあるため判断に苦しむ所である。


○「2014年アベノミクス~消費税8%に増税」
 政権奪還をした自公政権の目玉の三本の矢、金融政策、財政政策、成長戦略の三つ行うと言い実行した。

お金を使いやすく借りやすい状況にしはしたが、公共投資は初年度のみで、二年目からは消費税増税をしたため経済が冷え込んだ。日銀の国債買い入れオペレーション(量的緩和)を大規模に行ったため円安が進み銀行に円が積みあがったが、政策的には増税緊縮政策のせいで消費や投資は活気づかなかった。更に金融緩和の影響で円安となり輸入物価の上昇に所得上昇が追い付かず、実質上のスタグフレーション(物価上昇と所得減少)となる。

なお安倍政権が女性が輝ける社会を謳った政策を打ち出したが、実際は官製不況で働かざる得なくなった女性が労働市場に出てきただけで、働く意思が旺盛で働き始めたわけでは無いと思われる。結果的に人口構造の関係で賃金の上昇が見込めたはずの労働者に、を更なる低賃金労働に追い込んだ愚政と見なさざる得ない。

但し、この金融政策によって米国をバブル経済に追い込むことに成功したとも言える。


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以上が海外、特に消費税で成功した欧州と増税で失敗した日本の違いの考察となります。

この様に見ると、日本政府は経済を再生させる機会が幾らでもあったにもかかわらず行わず、海外に資金を横流しする政策ばかり行い、各国が消費税増税を行っても財政的に成功する状況を作り上げる努力を行い、代わりに日本人を死に追いやっていたと言うのが理解できます。

逆に欧州が消費税増税で成功したのは、外部状況の影響で、国民経済にそれほど打撃が来ない状況が構築されていたからにほかなりません。そしてその状況を作って居た国こそが日本なのです。

日本は外国が消費税増税を行っても打撃が少なくなるような情勢構築を、自国の国民を死に追いやって作り、その成功事例を国民に提示する事によって、日本国内での消費税増税の必要性を解くと言うマッチポンプを行っていた事になります。

本当にこういう政策は止めていただきたいものです。まずは自国民こそを第一に考えてほしいです。(この様な国民虐殺政策や少子化推進政策を行われると、納税するのが馬鹿らしくなります。たとえ将来を見据えた産業政策であったとしても、特定世代の人だけに負担を押し付けるのは、機会の平等と言う観点からも不公正と言わざるを得ません)

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