2019年01月04日

5-税制度を利用した国家戦略,国内編

今回は、税制度に関しての考察シリーズ第五回目で、今までが国内における消費税を含むエンゲル係数を上昇させる税制度の影響と、同じような税制を採用した欧州等の他国が、何故財政健全化で成功しているの?の考察を行い、外部状況を含めたタイミングの問題であると結論を出しました。(今回国内編と銘を打っていますが、海外編は次回です)

では日本は何故この様な「自国民を苦しめ他国を助けるようなタイミング」で消費税を含むエンゲル係数を増大させる税制度を強化するのでしょうか?

これは日本が愚かなわけでは無く、国家や文明の興亡の視点から見た場合、十分納得できる考察が可能となります。

と言う訳で、今回は日本の増税で、どれ程海外への影響が有るのかを考察しようと思います。

★世界の真理
まず税制度を考える前に、人類の歴史に置ける文化、文明、国家の生存と繁栄は、どの様に彩られていたのかを考えなければ成りません。

これに関しては、以前述べましたので、リンクを張らせてもらいますが、簡単に言えば「他者の力を借りて繁栄した存在ほど、最終的に滅びの道を歩む」と言う点が重量な真理となります。

なぜかと言うと、基本的に生物の生きる上での活動は、エネルギーの等価交換によって成立している事に原因があるからです。生物は生きる上で繁栄する上で、他から生存からエネルギーを奪い続けていますが、奪われている存在が消え去った時、奪い続けた側の繁栄構造そのものが崩壊し、滅亡してしまう事が有ります。

この真理を考えた時、安易に奪い続ける事による繁栄や増殖を行ってしまうと、最終的な滅びに行き着くと言う事でも有ります。

関連リンク

そして人と言う存在は基本的に、自然環境ごとに文化文明圏を構築し、他の文化文明圏とはある程度の距離を置いて暮らしています。それらの単位で代表的なコミュニティが国家と言われている存在であると言えます。

文化文明が違うと、自然環境下での生存常識をある程度は変わってくるため、その常識の重ならない部分に関しては、ある程度の距離を置いて付き合っています。それによって、ある程度の価値観の違いが存在しても、不必要な摩擦が起きずに付き合ってゆけるのです。

ですが人類は基本的に分業の為に社会を構築して生きて行く存在であり、自分達で作れないものに関しては、他の地域で調達する生物です。それらの行為が進み、交易等で付き合いが深くなれば、ある程度の相互理解が築かれ、より深く交わろうとします。その結果生じるのが国境の希薄化によるグローバル化です。

このグローバル化が生じると、他の地域にあるモノや価値観が簡単に手に入る様になり、域内で暮らす人達の生活を大いに向上させます。

ですが自然環境の激変による状況変化や、価値観の相違に関係悪化が起これば、上手く行っている状況は簡単に崩壊する事になります。そして上手く行っている状況の崩壊は、域内での物資調達に影響を及ぼし、最悪飢餓や生存を掛けた戦争にまで発展する事が有るのです。

この様な状況の転換と言う観点から見た場合、グローバリゼーション下での安易な経済成長と繁栄は、いずれ訪れる環境変化リスクに対しての弱体化にも繋がります。

古来より、この環境変化リスクに適応し、滅亡から免れた共同体こそが現在まで生き残った国家でも有るのです。

これら交易や信用取引を軸とする人類の文明に置いての生存とは、巨大国家になったり繁栄する事では無く、自国内での生産と自国外からの輸入品の帳尻を合わせ、自国の安全保障を確立する事に有るのです。

そして、その状況の確立である交易や生産を行う時に使用する媒体が「通貨」であり、その通貨の流れを制御する手法こそが「税制度」なのです。

そのため如何にして税制度を構築するかによって、その国の生存力が決まるとも言え、その観点から見れば、日本人に疎まれている「消費税を含むエンゲル係数を上昇させる税制」の真の目的が理解できるのでは無いでしょうか。


★消費税の意義
では消費税の意義とは何なのでしょうか?

よく地上波テレビで言われている様な、財政健全化のための安定的な財源の確保などでは無い事は、ある程度の情報を収集すれば理解できると思われます。何故なら消費税とは、基本的に生産と消費の双方に対して課せられる税であり、適応させれば生産と消費の双方が落ち込んでしまいます。そして所得と物価が下がれば下がる程 消費税での税収自体も悪化するリスクが有りるのです。

また海外から安い物資を輸入すればするほど物価が下落するため、グローバリゼーションが進めば進ほど消費税の税収は悪化するリスクが生じます。この国家の外部環境によっても税収の増減に影響が出てしまうため、とても安定的な財源と言える税制度では無い事が分かります。

(物価が安く成れば消費が進む可能性も有りますので一概に悪化するとは断言しませんが、物価が安くなってもそれ以上の緊縮財政で経済を縮小し経済成長させない様にしている現状では所得も下がるため、安い物資が海外から輸入されたとしても消費が復活するかどうかは分かりません)

日本では経済が回復し始めると同時に「消費税を始めとするエンゲル係数を上昇させる税制」が増大され、その度に国民経済が打撃を受け、その度に税収が落ち込み、赤字国債を増大させています。

近年ではこの赤字国債を買い戻す事によるマネタリーベース拡大(基本となる通貨量の増大)を行い自国の通貨価値を下落させてまで物価高にして、経済を回させようとしていますが、結果を見れば消費税の増税や緊縮財政のおかげで「赤字国債の増大」や「通貨量の増大」と言った、通貨安要素だけが表に出て民間にお金が回らない状況が演出され、信用の貯め込みのみが行われました。少なくとも表向きの政府の目的とは違った結果をも足らていると言えます。

ですが、これらの結果が政策の失敗では無く、最初からその様に仕向けるのが目的の税制度であった場合はどうなるのでしょうか?

日本政府の税制度の確立と国民の貧困化によって刷られたマネーは銀行に積みあがるだけで国内には回らずに、今や成長の見込めない日本から流出し海外に流れ出す始末です。

おかげさまで日本はバブル崩壊以降順調に海外資産を構築し、今や世界一の純資産国になりました。つまり日本政府の作った税制度は、日本人が稼いだ富を国内で使用されずに、国外の人が使用する事によって、日本人以外の外国人が繁栄する構造を作り出したと言えます。

日本人から言わせれば非常に不条理な状況であると言えるのですが、これらの事象を最初に述べた「グローバリゼーション下の世界での経済的な繁栄の危険性」で見た場合は、どうなるのでしょうか?

そう!

「国家の生存」と言う目的から見た場合、日本の行っている事は「自国民を殺して他国民を繁栄させる行為」の様に見えるかもしれませんが、環境が逆転した場合には、「自分達で自分達を養いない他国民を自滅に追いやり、日本国民を生存させる税制度」としての側面も見いだせるのでは無いでしょうか?

そして、その状況を反転(不況)させる力を有する国も、同じく世界一の対外資産を有する日本なのです。(キャピタルフライトを誘発させれます)


「通貨は国家を流れる血流である」と言う名句を考慮した場合、血の流れによって、どの細胞を活性化させ、どの細胞を死滅させ、どの様な国の形(生命体)を作りり上げるのか?

どの様に体を進化させるのか?


これらの母の体の胎内で胎児が成長するかの様な変態の過程を再現しようとして居た場合、また他国をどの様に進化させない様にエネルギーを注入しようとしているか?を見た場合、この双方を考察すれば下記の推測が成り立ちます。


①産業構造支配
まず第一の目的が産業構造の変革である。消費税はシリーズ最初で述べた通り、産業のサプライチェーンの全てで負担が発生するため、工程が店舗販売に近ければ近い程負担が増大します。

最終販売は海外に移転するわけにはいかないが、そこの行きつくまでの間の生産工程に関しては海外に流出しやすくなる。(下記の図を参照)

≪図5-消費税による構造変化≫
5-消費税による構造変化


日本の産業は、上記の表のように特に最終組み立てほど海外に流出しやすくなり、「完成品」の輸出では無く、「海外に出た最終組み立て工場に輸出する高性能部品や素材」の輸出に転換する事になった。

消費税における大企業の恩寵として、海外輸出した商品の還付金と立場を利用した中小企業に対する低賃金での使い潰しが問題視されたが、部品メーカーや素材メーカーの方も、日本国内で敗北し海外に脱出せざる得なかった会社に対して輸出切り替えを行う事によって、対応するなど行い、それに続いて大企業も海外に工場を移す事になった。

これは日本のモノ作りが海外に流出したと問題視されたが、結果を見れば生産地の移転によって、移転先の国の産業力をコントロールする事に繋がった。これが俗に言う「迂回(鵜飼)輸出経済」である。

これによって近隣の途上国が、日本の技術を資本の影響下に置かれ、日本から部品や素材を購入しなけ得れば生産する事さえ出来ない状況に追い込まれ、自分達の技術力を上回る結果のみを押し付けられた途上国は、中所得国の罠を超える事ができずに、常に日本に一定の貿易赤字を計上し続ける状況が常態化した。

(中国などは近年は「自国で全ての部品や素材を作れるようにする」産業戦略で先進国のサプライチェーンから脱却する旨の政策を行い、日米からの影響下から離れる努力を行い始めている)

②資本の捻出と蓄積
消費税増税の二つ目の理由が、この資本の捻出と蓄積である。

日本国政府は消費税増税による景気縮小で発生する経済停滞で財政が悪化した時、その悪化分を赤字国債で起きなう事を行っている。

しかし、これには制限が有り、あくまでも増税分だけ赤字国債を発行できるという独自のルールを適応させているため、増税の影響による経済縮小分が補填されるだけで、経済規模が増大するほどの景気対策が行われてはいない。(インフレにしない程度の景気対策で、物価が上がらないため、お金を商品やサービスに変える事に価値を見いだせない状況の維持を行っている。しかも増税してるため国民の負担は多くなる)

このため景気が回復しないまま、赤字国債だけが積みあがるという事象が起こり、積み上げられた信用が経済成長の見込めない日本から海外に流れる流れを生み出している。

また2013年から行われた量的緩和によって、赤字国債が日本円に換えられマネタリーベースが増大しても、こちらも増税と緊縮政策による経済停滞によって使用されずに銀行に貯め込まれており、国民が味わったのは量的緩和(通貨量の増大)による通貨価値毀損のインフレ圧力(物価高)だけとなった。

この様に日本政府の政策によって、日本の内部の富の流動は停滞しており、ただタンスや銀行の内部でマネーが貯め込まれるだけとなった。

③バブル経済の輸出
上記の「②」で述べた国内で貯め込まれた資本が海外に流出する事によって、グローバリゼーション下の世界経済が不必要に膨張し、世界的なバブル経済が膨張する事と成った。

これは日本以外の国が経済成長を求め通貨発行を行い自国通貨の価値を毀損させる行為を行っても、日本が自国民を貧困化させ捻出したマネーを注ぎ込む事によって、相対的に他国の通貨価値が下落せずに投資や消費を景気良く行える状況を提供している事を意味し、日本以外の国が自分達で維持できない程に膨張させられている事を意味している。

④グローバルの世界経済依存の阻止
上記の「③」で述べた様に自国の富を海外に流出させる事によって、世界経済を日本依存に仕立て上げると共に、日本から外資を追い出し、且つ飢餓資本輸出を行う事によって、国家を運営できる生産能力の省力化を推進し、日本が他国に頼らなくても良い状況の確立する事によって、第二次世界大戦の原因にもなった経済制裁による国民経済の困窮破綻から逃れようとしていると見なす事が出来る。

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以上が消費税で見るシリーズの第四回となります。

次回は海外の国々が消費税の影響をどの様に受けるのか?
また日本の地政学戦略とどの様に連動しているのかの説明となります。

次回をお楽しみに!

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