2018年05月

2018年05月20日

この記事では、当ブログで今まで書いてきた地政学戦略に関する考察のまとめとなります。

こちらのまとめ記事では、全体像が分かる様にしただけですので、より詳しい考察を確認したければ、関連リンクから以前書いたに飛べるようにしましたので、そちらをご覧ください。


★日本の地理的位置の大前提
日本の地理的位置を前提に置いた上での考察で最も重要な事は、日本が世界三大大国である「アメリカ合衆国」「中華人民共和国」「ロシア連邦」の三国の隣にある国で、その米中露の三国に対して他の三大国への侵略経路を提供することが出来る地理的位置にある国家であり、この様な国家は日本だけであると言う事である。


米国から見た場合の日本は、中国とロシアが太平洋に出てこれない様にするために、太平洋西部での米国の軍事力が展開できる様にすることが出来る前線基地としての価値。


中国から見た場合の日本は、対米戦略の観点から太平洋に進出する為の前線基地及び米国を西太平洋から東に放逐できるか否かの地域拠点。対ロシア戦略の観点から日本海及びオホーツク海の原潜に干渉する為の地域拠点と、もし対露戦争が勃発した時に極東ロシアを挟み撃ち及び原潜無力化が可能と成るか否かの同盟国候補としての価値。


ロシアから見た場合の日本は、対米戦略の観点から見た場合には、中国と同じく米国を西太平洋に干渉させないようにできるか否かの同盟拠点としての価値。対中国戦略の視点で見た場合、日本と同盟を結べば極東ロシアから日本列島に至るまでのラインで、中国の東北部から朝鮮半島を越えて上海の地域までを纏めて反包囲することが出来る地域としての価値がある。

更に経済力が他の米中二国に劣るロシアが唯一強気な外交を行える様にしているカードであるオホーツク海の核弾頭付きミサイル保有の原子力潜水艦を有効的に使用できるか否か影響を与える事の出来る国家としての価値。

また他の二大国以上に経済的に苦しいロシアから見た場合、日本は資源と技術を交換して互いの無い部分の産業を補い合える国家だと言う事で、最も同盟関係を強固にしなければ成らない国家と言える。


米国が日本を保有している状態であれば、膠着状態を維持できますが、中露二国に日本が走った場合には、劇的にパワーバランスが崩壊する恐れがあります。そのため軍事的な緊張を続けてこの三大国の力を削ぎ落すのであれば、米国と同盟を組み続けるのがベターかと考える事ができます。




★自国の国土を使用した進出経路の提供
日本は覇権国である米国に対して、又は隣接する三大国全てに対して、自国の領土の一部を提供する事により、他の大国との勢力争いで有利に立ち回せる様な状況を提供する事の出来る国家である。

・沖縄
例えば沖縄には、現在米国の基地が置かれているが、これは米国が沖縄に基地を置く事により極東ににらみを利かせることが出来、日本が他国に侵略されない様な状況を作ることが出来ます。そして日本を同盟国にする事により、中国を太平洋に進出させない様にするとともに、遠く離れた地球の反対側である中東地域に米軍を派遣できる供給能力を維持する事が可能となります。

当然日本の経済力によるバックアップが無ければ米国の世界展開などは出来ませんので、日本を失うと言う事は、即ち米国の世界覇権の終了を意味しています。

中国が沖縄を掌中に収めた場合は、米国を東シナ海に侵入させない様にする防壁を得るとともに、太平洋への進出拠点を得る事になります。当然米国はそれを容認する事ができませんので、沖縄の問題に関しては米中両国は、分かりあう事は有りません。


・千島列島
千島列島は現在ロシアの不法占領下に有ります。ロシアがこの千島列島を占領している事により、米海軍をオホーツク海に侵入させない聖域戦略を行っています。オホーツク海にはロシアの原子力潜水艦が潜伏し、いつでも核ミサイルを発射できる状態を維持しています。ロシアは核ミサイルの打ち合い合戦により唯一米国を道連れにできる相互確証破壊を確定させている国ですので、米国にモノを言える国と成っています。

この千島をロシアに与えて置く事により、ロシアの太平洋進出を援助し米国に海洋貿易の治安維持の負担を押し付ける事が可能となる。またロシアと関係を改善する事を米国に対して示し、ロシアの核の傘を利用できる可能性を示唆させる外交を展開する事が可能となります。


・対馬――北海道
対馬と北海道に関しては、軍事的にも日本が管理していますが、この海洋ルートを中国に提供する事により、ロシアのオホーツク海聖域戦略に打撃を与える事が可能となり、対ロシアに対する圧力として利用することが出来ます。

北海道に関しては米国に提供する事により、こちらも米露対立でのカードとして利用する事が可能となります。

逆に現時点で北海道に米軍を駐留させていない事が、親ロシア政策と言っても良いでしょう。

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★巻き込まれる世界
上記に記した様な日本による侵略経路の提供が行われれば、三大大国の軍事緊張を煽ってしまう。それに巻き込まれるのは、日本以外のほぼ世界全ての国である。

まず日本をめぐって争わなければ成らない米中露の三大国に、

米中に挟まれた「インド」「東南アジア」「極東」、

そして米露に挟まれた「欧州」「中東」「極東」、

更に中露に挟まれた「中央アジア」「極東」、

そしてこの広大な領土を持つ三大大国に隣接する国は、三大大国に挟まれていなくても、隣接している時点で三大大国が対立した時に、その対立した敵国の同盟国になる可能性のある潜在的な敵性国家になるため、それらの中小国家も軍事拡張の負担とリスクが生じるのです。

そのため同盟関係により、三大国の軍拡に巻き込まれる国が連鎖的に増殖する事になる。

更に三大大国の軍拡や同盟国確保の為の投資が活発に成れば、財政支出の赤字化にもなるし、援助で中小国の経済が拡大すれば貿易も拡大するし消費も激しくなり資源高にもなります。

そうなれば三大大国から離れた遠方の資源国にまで資源バブルが波及します。

世界全体の経済がバブルで拡大すれば、大国から流れたマネーが途上国や資源国に流れ込み、更にグローバルバブルが拡大します。

このバブル循環の中で、世界のグローバル化が始まる前にバブル経済の崩壊を経験し、それ以降長期に渡る不況に突入した日本国だけが、グローバル経済に依存しない様にする経済構造の改革に邁進し、いざバブル崩壊に成った時の経済的な打撃を少なくなる様に努力しています。

当然、小規模なりともバブル経済が破裂崩壊すれば、その地域は不安定に成り紛争リスクが増大する事になる。


★米国の負担
米国の負担は、恐らく世界史上まれに見る程に大きくなっている。第二次世界大戦後に世界最強の国家になったものの、軍事的に自国に張り合えるソ連と軍拡し、現在は中国と対立軸が築かれつつある。

米ソ冷戦期の軍備拡張による過大な財政出動ため金回りが良くなりすぎて、世界に依存しなければ成らない程に国内経済を拡大させてしまった。世界経済から物資を供給してもらわなければ自国の維持が不可能になったしまったため、世界の経済を守る負担を被らざるを得なくなり、世界の治安維持の為に更なる負担を被る事になってしまった。

そのために支出した赤字がさらに世界の経済バブルを拡大させて米国を世界に引きずり国要因になり、各国への紛争解決のための介入から更なる負担を被る悪循環に突入している。


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★利用される周辺諸国の歴史認識(朝鮮半島・台湾)
これらの戦略で利用されているのが、日本の周辺諸国の歴史認識である。特に日本と仲が悪い中韓朝の特定アジアと呼ばれる反日の気風が強い三ヵ国で、この三国の国は、戦後日本から輸入した歴史を自国で広めたため、日本は邪悪な国家であると言う歴史認識を持つに至り、現在でも世界で最も日本を憎む三ヵ国と成っています。(ただし北朝鮮に関しては微妙な反日です)

この三ヵ国が保有している歴史は、戦前戦中に「日本と対立している、正しい情報を発信するかどうかの責任など何一つ持っていない勢力」が流した情報や、戦後に日本から流れてくる「敗北したがゆえに悪のレッテルを張られて流さざるを得なかった自虐史観」であったりと、その時の世界情勢ゆえに発信なければ成らなかった情報ばかりです。

またこれらの歴史認識は、日本が米中露三大国を敵対させる戦略を採用しているのだとした場合、米中露の三国を食い合いさせるため、米国が絶対に守らなければ成らない日本に対して、憎しみの感情を抱かせ、侵略や紛争を誘発させる為の餌にする戦略として機能させるために行った情報操作である可能性も十分あります。

特に人間でも国家でも最も自己の行いが悪である事を認識しない時は、己の正義を信じてしまった場合である。


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★戦略利用される憲法九条
歴史認識とは別に、日本が三大大国の軍事緊張を煽るのに利用しているのが、憲法九条である。

憲法九条は、解釈の仕方によって「戦争禁止するだけ」「軍隊さえも保有してはダメ」「自衛隊は軍隊では無いのでOK!」「自衛隊さえも保有してはいけない」「核武装での全面飽和攻撃での報復でもOK!!」等々、色々な解釈が可能となっています。

そのために日本に隣接する国家は、「日本に侵略し強奪虐殺しても反撃は無いので行おう!」と考えたり、逆に「米軍と共に反撃されるので駄目!」と考えさせられたりするのである。

更に防衛する米軍でさえも「日本と一緒に戦えるか?」とか「日本は防衛を米軍に押し付ける気なのか?」とか「防衛さえせずに米国の敵国に領土や資本を明け渡すのか?」等と言う様な多様な考えを巡らせてしまいます。

憲法九条のせいで侵略を構想する方も、防衛しなければ成らない米軍にも、多大な負担が掛かる事になり、当然その状態は、大国同士の軍拡や世界の不安定に寄与してしまうのである。


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★核の緊張を利用する
上記で述べた軍事緊張で、大国間が全面戦争に至っていない理由が核兵器の存在である。

核兵器が存在しているおかげで、大国間で核ミサイルの打ち合いに成れば、両国ともに破滅する相互確証破壊の状態になってしまう。基本的に国土を核ミサイルで殲滅しても、海洋の底に潜伏している原子力潜水艦が浮上して報復できてしまうため、互いが互いに対して核兵器による殲滅戦を展開できない状況が出来ている。

かつては世界の滅亡も視野に得れなくてはいかなかった核兵器であったが、余りにも容易に大国さえも破滅に追いやられるため、逆に戦略核兵器を使用できなくなってしまうと言うパラドックスが成立し、世界に限定的な安定が訪れたのである。

とは言っても、三大国の干渉地帯では逆に大国間での代理戦争になり多くの人が不幸な状況に追いやられている。

唯一巻き込まれ難いのが日本で、現在の世界情勢で日本が米国以外の核の傘下に入ったら、パワーバランスが崩れて紛争リスクが加速度的に上昇する。だから米国は日本を手放すことが出来ないのである。(見た目が良くて性根の腐った美女のようだ・・・)

故に日本はこの憲法法九条と共に、核の緊張と実質的な侵略経路の提供示唆を利用して平和を享受してきたと言える。


近年核兵器が強力過ぎて使用できないと言う意見が出ており、「どうせ戦争が起きても核兵器は使われない」と言う雰囲気が醸し出されている。

この流れは逆に危険で、核兵器で戦争が行えないと思わせる事自体が、「小規模な局地戦なら起こせる可能性が有る。なーに、どうせ核兵器など使用されないさ!」と考えさせて戦争を近づけてしまうからだ。

トランプ大統領が核の小型化を進め「使える核」を開発しようとしているのも、全面戦争に発展するリスクを増大せしめて、大量虐殺が行われる可能性を示唆させる事により、逆に戦争をし難い状況を到来させようとしていると言う、パラドックス的な見方も成立する


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★投資による国家間関係の制御
地政学的に見て現在の日本の投資戦略で最も重要なのが、「大国間のパワーバランス」とその大国の力のリソースがどの方向に向かうかのコントロールである。

コントロールの仕方としては、重要なのは同盟などの外交を通じて他国の軍事リソースが自国に向けられない様にする事です。そしてもう一つのやり方が投資戦略で、投資した国の産業や消費動向を制御して、その国がどの様な国と付き合わなければ成らないのかの制御を行い、その国の安全保障体制をコントロールする戦略です。

例えば、投資により投資を受け入れた国の産業を高度化し、自国だけでエネルギーを賄えない様にすると、エネルギーの他国依存になり資源輸出国への貿易ルートを守らざるを得ない状況に成ってしまいます。

この手のエネルギー政策で締め上げを食らい戦争に突入した国が、世界大戦時の日本やドイツで、現在の中国も同じ意識で海洋ルートの確保を行おうとしているように思えます。

もう一つの投資戦略が、自国の敵国となる国と共同で、敵国に隣接する第三国に投資を行い、敵国に利益を与える事です。その後に第三国を混乱に陥れる戦略を取れば、敵国は自国の資産を守るために、第三国に介入しなければ成らなくなります。これが世界から見たら敵国の第三国に対する侵略行為と見なされる状況に成るかもしれません。

他にも、低賃金の途上国に投資し工場の建設と商品の製造を行い、先進国に輸出する事により、先進国の対外赤字を増大させて他国依存にさせる等の産業戦略も有ります。

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★世界のバブル化(経済戦略に続く)

日本主導?の侵略経路の提供による、三大国の軍拡競争を煽る戦略により、世界中でバブルが巻き起こってしまっており、日本だけが増税や愚政などで経済を停滞させる事により、その世界のバブルに巻き込まれないようにしています。(完全に巻き込まれないと言うよりは、崩壊した時の打撃を極力少なくする経済戦略です)

もしこのグローバルバブル経済が崩壊した場合、どれだけの生き残れる国が有るのでしょうか?

少なくても世界一の純資産国である日本は、世界恐慌が起こった時にダメージ小さい国の一つで、知識と技術の集積により産業革命を主導する事の出来る立ち位置に有ります。

その事を前提に、また地政学的に導き出す頃の出来る戦略考察を行い、今後の世界情勢を見た方が良いでしょう。

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「地政学視点での国家戦略まとめ」の記事は以上取ります。こちらの記事は頻度は少なくなりますが定期的に更新するかもしれませんので、予習感覚で見てあげて下さい。



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nh01ai33 at 08:00地政学戦略

2018年05月18日

今日の記事は、米国が中東で行っている「イスラエルの米大使館移設」と「イランとの核合意を破棄」に関する考察となります。

双方共に、ココひと月前から数十日以内に立て続けて行われている事で、トランプ政権のこの政策により、中東と世界情勢がどの様に変動するのかを考えてみたいと思います。


イランの核合意に関しては、オバマ政権の時にイランの核開発制限に関しての合意となります。ただし無くす訳でわ無く、あくまでも限定的な開発制限なのですで、今回のトランプ政権の合意破棄は、この限定的な核兵器開発容認から完全な破棄に向かう様な圧力であると見なせます。

ただし合意の破棄をしてしまったのですから、今後イランがどの様な行動に走るのかは分かり兼ねます。もしかしたら合意破棄ならば再び核開発の再開を行う可能性も有ります。

そうなればイラクとの核開発を支援していると言われている北朝鮮との関係もどの様に連動するのかも視野に入れた考察も必要になると思います。同時にイスラム教シーア派のイランと関係が悪いサウジアラビア等のイスラム教スンニ派諸国との関係悪化も視野に入れる必要が出てくると思われます。


イスラエルの米大使館移設に関しては、歴代の米国の政権が選挙の時に公約しており、政権に就いた途端に、移転延期していた事なのです。ですがトランプ政権は歴代政権とは異なり公約通りに移設してしまいました。

今までの米歴代政権がイスラエル周辺諸国に配慮してかは分かりませんが、中東情勢がこれ以上悪化しない様にしていたのに、馬鹿正直に公約を履行してしまうと、中東の戦火に油を注いでしまう様なもので、今以上に中東情勢が悪化するのでは無いかと語る人も居ます。

イラン核合意離脱と米イスラエル大使館の移設を同時に行うのは何か意味が有るのか?

注意しなければ成らないのは、この2つのニュースの主役国家である「イスラエル」「イラン」の両国は、表向きには潜在的な敵国同士と表明し合っていますが、イランとイスラエルの両国共に、イスラム教シーア派勢力の国々に対して対立している中東では少数勢力であるため、逆に今回の混乱で対シーア派目的により団結する可能性も無きにしも非ずです。

というわけで今回の米トランプ政権の外交政策は、中東で対立軸を作っているこの両国や、「イランとイスラエル」とそれ以外の中東諸国に対立軸を作る様な爆弾を投下したようなモノです。


ブログ主も、今回トランプ政権が、この二つの事を同時期に実行した事に関しては「マジかよ!」と思わず叫んでしまいました。

しかもこの中東情勢に北朝鮮の事も連動しているので、どの様に見ればよいのかが分かりません。(本当に混乱します)


現時点では、三つの可能性を考察する事が出来のでは無いかと思っています。


可能性①中東諸国の団結

以前にこ少しばかり書いたが、今回の米国にもたらされた混乱を恐れる中東諸国が「軍事緊張に見舞われるも危機意識からパラドキシカルロジック的な行動を取り、戦争回避の団結する可能性が有る」と言う事です。

これは核戦争を恐れるあまり全面戦争に突入できなかった米ソ冷戦を例に挙げれば分かりやすいと思われます。今回の対イラン核合意破棄と米イスラエル大使館移転の混乱で中東諸国が緊張状態に成れば有りえない事では無いと思われます。(あくまでも憶測ですが・・・)

その様なパラドックス的な安定が訪れるのであれば、米国が中東情勢に引きずり込まれるリスクが少なくなり、極東情勢に割ける軍事リソースを捻出しやすくなり日本にも利益になるかも知れません。


可能性②中東諸国の混乱と世界のエネルギーサプライチェーンの変化

第二の可能性が中東で争いが起こり中東でのエネルギー投資リスクが上昇するとともに、世界のエネルギー資源の供給基地が変化する恐れです。

中東諸国は長らく低コストによる資源採掘が可能なため、低価格の原油や天然ガスを採掘輸出でき世界のエネルギー市場に影響を与えてきました。しかし、この度のトランプ外交の結果、中東での資源調達リスクが上昇するのであれば、他の地域で資源調達の軸足を移す先進国も出てくるはずです。

では中東の代替え地となりそうなのがロシアと北米(アメリカ&カナダ)で、もし中東の混乱でこの手の利益を得れる事を考慮してこの度の外交を行ったのであれば、典型的なオフショア・バランシング及びオフショア・コントロールと言える。

これはシェール革命のため、米国のエネルギー依存が中東から低下したため出来る様になった戦略と考えられます。

もしそうなったら日本、米国、中国、ロシアのエネルギーサプライチェーンの問題に波及して、同盟関係にも影響を与える可能性が有ります。これで中米関係が改善するのであれば日本には良い事には成らないと思われます。(ほぼ無いとは思いますが・・・)

日本や中国としても対米黒字の問題をある程度緩和するのに利用できる状況と成るので必ずしもマイナスになあるとは限りませんが、中東の混乱によるエネルギー価格の上昇が起これば、最大の利益受益国が米国になる可能性が有る事は、提示させていただきます。


可能性③以外に安定する
最後の可能性として、特にイランに関してですが、結局米国の武力を背景にした圧力に屈して核放棄を行う。

同時に、イスラエルの米大使館移設問題に関しても、それだけを行ってイスラエルに関する紛争問題にはタッチしない様にして、トランプ政権が政治公約を守る政権であると言う事を見せて、外交の信用確保にする。(トランプ政権は意外な事に、何をやらかすか分からないわけでは無く、選挙で提示したマニフェストを守っています)

もともとトランプはビジネスマン(社長)で、そのため表向きに確約した約束を破る事はしておらず、意外に信頼のおける人間であると思われて、外交や緊張緩和に貢献する可能性もゼロとは言えないからです。

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というわけで今回のイスラエルとイランの件に北朝鮮との関連を含めると、こんな感じの考察になります。当然今回書いた考察は、現時点で思いつく限りのモノでしかありませんので、事態が変われば別の考察が出てくると思います。

本日はココまで!

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nh01ai33 at 08:00戦略国際

2018年05月16日

今回のお題は、世界征服に関する考察になります。

即ち、世界征服は可能か否かで、初っ端からぶっちゃけますが「不可能」であると言う結論を提示させていただきます。

ちなみにブログ主は、世界征服の定義は「一国家による世界中の国家の征服と統一政体の樹立」と定義しています。

現在の国連が世界統一政府の様に誤認される事が有りますが、あの組織は世界中の国家が集まって、まず戦争では無く話し合いを行おうと言う"集まり"に過ぎず、実質的な統治機構ではありません。

世界征服により実現する統一政府とは、支配下に置いた地域の勢力や民衆を、いざと言う時には武力によりルールに従わせることが出来る統治組織の事を指します。

現在の国連では、国家間でのトラブルや犯罪などが有れば、投票と決議により武力による制裁を行ったりしますが、あくまでも投票で多くの国の支持を得なければ成らず、しかも有力国(常任理事国)の反対があったならば何も進まず、ある程度の武力を持った国が勝手に動いて実力行使で物事を解決しようと動き、混乱に拍車をかける体制に成っています。

もし現在の国連が強化されるか、もしくは国連よりも強力な"世界政府の様な組織"が出来ても、国連を強化したかの様な、多数決や有力国の投票等で国家間の軋轢を解決する組織になると思われます。

ともあれ現在の人類の認識や文化水準を見ると、現実的に国家間連合政体は出来るかも(国連の強化版)しれませんが、統一国家による統一政体が世界を統治できる様になるとは思えません。


★一文明で維持できる人口には限りがある
現在の地球には、大国から小国まであらゆる地域に国家が存在している。そして一つの文明で養える人口には限りがある。最大の人口を有する中華文明の中国でさえ13億人(15億ぐらい居るかも)程で、この人口で世界70億人を征服統治する事は不可能です。

現在の中国が世界を統一した場合、13億人で他の57億人を制しなければ成らず、単純な計算で「中国人1人」で「世界の人4人」を相手にしなければなりません。無論世界の人すべてが中国人と敵対するわけでは有りませんが、中国内部でも全ての中国人が共産党政府のやり方に賛成する中国の味方であるはずが有りません。

中国の事を角に置いても、一国家が世界を征服統治する時、自国の内部の不穏分子を相手にしながら敵対的な外部勢力を相手にしなければならず、完全にリソース不足になってしまいます。

もし一文明や一国家で無限の人口を養えるのであれば、人口を増やし続けた国が世界を制する事ができますが、実際は大地から食物に変換できる栄養素を吸い上げるにも限界が有りますので、一文明地域だけで無限の人口は養えません。

一つの国家が全世界を相手に有利に戦おうとした場合、半分以上の勢力を完全に統御化における自国民に置き換えるしかありませんが、それを行うと言う事は他国の文化や民族を磨り潰し滅亡に追い込むも同然の事で、必死になって抵抗されるため実質的には不可能でしょう。


★一文明を制しただけの供給能力では、他の文明を征する事は出来ない
世界最大の人口を有するのが中国ですが、その中国でも約13億人で、中国はその13億人の人口でさえ自国の土地から得れるエネルギーや食糧では、養えない状況に成りつつあります。

現在の中国は八割の食糧を自国で賄える国家で、その他一割強の食糧は他国から輸入しています。少なくても現在の中国がGDPを成長させ、経済的に超大国化したとしても、現在の様な国内の不安を他国対しての摩擦と言う形で放出する事により国内安定を図ろうとする国家では、世界の国々は付いては来ないでしょう。

最大の人口を養える中国でさえこの程度で、同じぐらい豊かなインドも似たようなものです。米国に至っては、中国に勝っているのは軍事力と技術力ぐらいで、純粋な生産力と言う観点では、中国には及びません。

つまり生産力と維持力と言う基準で世界征服が出来るかどうかという視点で見た場合、現在の中国及び米国の二大大国でも世界を征服できていないと言う事になり、これにより実質上世界を征服する事は出来ないと言う事です。

(なおここで論じているのは、あくまでも征服であり、技術や交易により紛争が起きない状況を作り上げ、自国の有利な状況にし続ける。と言う意味のバランシングとコントロール戦略の観点からは語っておりませんので注意してください)

例え遠交近攻の外交を織り交ぜて征服を推し進めようとしても、同盟国を自国に引き付けれる餌を捻出できなければ意味が無く、これもまた負担になってしまいます。


★世界中の文明で世界制覇と考察しよう
ココでは世界にある有力文明が世界を制覇することが出来るかどうか?を考察してみます。対象となるのは、「中国」「ロシア」「北米」「欧州」「インド」の五文明です。それ以外の文明圏は、生産力や影響力の観点から不可能だと思うので、省かせてもらいます。

①中国文明は不安定過ぎる
上記で上げた通り、現在の中国の政治体制や産業能力で世界制覇は不可能です。人口が多すぎる上に常にシベリア寒気団の影響を受けて、生産力が大暴落してしまう土地柄なので、国民統治の為に独裁を布かねばならず、その様な政治体制の国家に統治下に他国が入ろうなどとは思わないでしょう。

中国は不安定であるがゆえに独裁体制を布かねばならず、統治者は自国民の支持を得るために他民族をよりも自国民を優遇しなければ成らず、その政策により統治下に置いた他民族から不満を向けられてしまいます。その様な国が統一政府などを作っても長続きしないのは、火を見るよりも明らかではないでしょうか。


②ロシア文明は敵が多すぎる
中国と同じような理由で不安定なロシアですが、爆発的な人口の増加は無いため長期に渡る独裁体制の維持が可能です。しかし世界最大の国境を有しており多くの大国と二正面作戦を強いられるロシアは、常に自国の土地から得れる物資を消費して維持できる安全保障力を上回る軍事負担を被る事になり、国力を減退させる事になります。

他国が弱っている時は問題ありませんが、周辺諸国の力が復興した場合、防衛負担が大きくなりすぎて国境警備をし続けることが出来ません。ましてや国土に空白地帯が多く支配も不完全で、草原のシルクロードだった歴史から、民族間の流動も活発で独裁で統治しなければ物事が進まない土地柄です。その様な国で中央政府の統治力の衰えが重なれば、国家の解体にも繋がります。

現在のロシアは、いかにして世界を征するかよりも、如何にしてロシアが解体しない様にするか、もしくはどういう穏便な形でロシアを解体するか心配しなければ成らないはずです。


③北米文明は中心から孤立している
人類の歴史はユーラシア大陸から始まりました。数多くの国が勃興し、争い、衰退し、滅亡しましたが、その大部分の国や文明はユーラシア大陸から出現しました。

約200年前に新大陸アメリカに出現したアメリカ合衆国が急激に大国化し、それから100年後には世界最大の大国となりました。米国は過去の覇権超大国に比べると特別な国で、過去の大国の大部分がユーラシア大陸に出現したのに、この米国と言う国は新他陸である北米大陸に出現した国でした。

ソレこそが米国の優位であり、弱点でも有ります。優位なのは他の超大国候補の国とは陸上国境が接したい無い事、不利なのは他の大国とは離れすぎており貿易などを行うには、距離の負担が生じると言う事です。これは戦争における防衛にも有利に働きますが、敵に対しての戦略投射には不利に働きます。確かに米国は海洋と言うネットワークを介して、旧大陸の国々に対して常に干渉して、自国対立する覇権挑戦国に力を付けさせない様にする戦略を採用します。

現在の米国は、約三億人の人口を有し養っていますが、カロリーベースの食糧自給率ではせいぜい四億人ほどで、これは旧大陸の中国やインドなどのヒマラヤを水源とするアジアの大国に比べると見劣りする事は否めません。

既に米国中央部の穀倉地帯で水不足による砂漠化などが始まっていますので、食糧供給能力に関してはこの辺りが米国の限界の様なので、これ以上の人口拡大による経済力の拡大には無理が有るのかもしれません。(食糧生産方法を変えればその限りでは有りませんが)

国家としても既に借金が返済できない程の膨張しており、旧大陸に対して圧倒的に有利な安全保障を有し外交を出来る米国でさえこの有様であると言う事実は、米国では圧倒的に優位な状況の限定的な維持は出来ても、世界征服は不可能であると言う事を示しているのでは無いでしょうか。


④欧州文明は多様性が有り過ぎる
帝国主義の時代に欧州文明が世界征服できなかった最大の原因は、欧州に多様性が有り過ぎると言う点につきます。

欧州は、アルプス・カルパチア山脈のラインにより南北に分けられ、南の温かい地中海ヨーロッパ(南欧)と北の肌寒いバルト海ヨーロッパ(北欧)に分けられます。更に東のユーラシア中心部の騎馬民族の影響を受け続けて来た東欧と、海洋進出が容易な西欧に分けられます。

この東西南北の全てで自然環境や国民性が少しづつ変わり、文化の発展速度や豊かさにも違いが有ります。この様にキリスト教圏と言う事以外、全てが違う諸国なのに一致団結して一つの文明圏として統合しようと言うのは、少しばかり無理があるのでは無いでしょうか。

少なくても世界を征するには内部で争っている様な事を行っている暇などは無いはずですが、欧州で成立する統一国家の政治体制は、緩やかな連合体以外には想像しずらいと思われます。要は以前のECがベストなのです。とりあえず妥協できる重なる部分だけルール化してそれ以外は、国ごとに自由にやらせると言う方式です。一部の国の一部の人達の理想論だけでルールを作った場合ろくな事には成らないと言う事は、現在のEUを見ればわかる筈です。


⑤インド文明は・・・
ブログ主としては、世界制覇を成し得る国が存在したら、一番可能性が高いのがこのインドかと思えます。これは他国に比べたらと言う意味で、出来るかどうかは別問題です。

まずヒマラヤから流れる膨大な水資源を確保できる点、統一国家ができやすい河川が存在する点、気候が安定している点の三要素が主な理由です。

他の文明圏はインドに比べると「中国はシベリア寒気団のせいで気候が安定しない」「米国は山脈の一形状のせいでインドに比べると水資源が安定しない」「欧州は自然環境や多様な自然環境のせいで強力な統一政体が出現しにくい」「ロシアは寒すぎる上に生産能力の制限で人口が少ない」等々の理由が有ります。

インド文明圏は、多様性も少なく、他の先進国に比べると冬季にも農業が行えたため鉱業が発展する気概が少なかったため産業革命に乗り遅れたりしました。逆に自然環境の点では安定していると言う事でもあり、国際社会が形成されて現在において、富の集中が起きれば、最も安定して覇権大国に成れる可能性のある地域では無いでしょうか。

また他の文明圏にアクセスしやすい事も防衛の点ではマイナスですが、商業の点ではプラスに働きます。


★世界を征する事は不可能であるが・・・
最初でも書きましたが、「世界征服は不可能である」と言うのはブログ主の認識である。

しかし「世界の連合や大同盟は、不可能ではない」と考えています。

征服に関しては、強力な軍事力やその軍事力を支える経済力が必要ですが、たとえ一文明圏の征服と統治でさえ軍事力を支え続ける経済力が持たない事は歴史が証明しています。

では世界の統一や統合は不可能なのかと言うと、そう言う訳では無いと言うのがブログ主の考えです。上記に書きましたが、「いがみ合っている世界中の国々が和睦する」と言う事は考えられます。その時に世界を率いで居るリーダー国は、巨大な国家である事より安定した国家である事の方が望ましいと思われます。

無論リーダー国は一国だけでは無く、安定した大国がいくつも存在し、世界経済を混乱させる様な政策を取らない事が第一条件となります。


★世界は中小国の群立こそが望ましい
世界中の国々が和睦すると言う形で、統合(世界政府の設立)されるには、世界はもっと分裂するべきである。

そうして分裂した中小勢力が、独自の文化や価値観を特化した国が各地に勃興し、それら世界中の中小国の人達の価値観やルール(慣習国際法)が重なる部分で、世界中の国々が守れる共通の法律(国際法)を作り出し、それによって世界の連邦政府を作った方が良いだろう。

もし大国がその国力にものを言わせて、力で自分達が作った法律を押し付ける様な事が有れば、遠からずその体制は破綻すると思われます。

そのため大国による圧倒的な経済や軍事力による世界支配では無く、大国が分裂して中小国家の群れになり対等に近い国力での交渉や、無理に国家間の繋がりを持たない様にした上での自主独立の経済や文化を築いた方が世界は安定すると思われます。

そのため世界政府を作りたいのであれば、世界をもっと分裂させろと言いたいです。

無理に統合させると何処かで必ず無理が出て破綻します。


統一を目指せば分裂し、分裂させれば統合される。
これが真理かと思われます。


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以上が「世界征服は不可能である?」の考察となります。
完全に自己の主観による妄想ですが、読んでいる人はどう思うかな?

世界の統一に関しては、無理に統一や征服を行おうとすれば、どこかで必ず反発による破綻が起こると思いますので、むしろ無理やり分裂させて危機感を煽る事により統一の機運を高めた方が上手く行くような気がします。逆説的な論理ですね(笑)

とりあえず記事はココまでとなります。





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nh01ai33 at 08:00地政学歴史

2018年05月14日


今回は戦略や哲学などのモノの考え方の大前提となる「世界観」の事について考察しようと思います。

正直、この世界観と言う概念を知らなければ、物事の考え方が合わない人との付き合い方が分からず、「人間関係の破綻」などの状況になってしまう事も有ります。

では世界観とは何なのでしょうか?


★世界観とは何か?

世界観とは、人が自分の生きて来た経験や教えられてきた教育や伝聞によって形成する自己の価値観である。

多くの人はこの世界観によって、自身の体験する事象を解釈し受け止めようとする。

しかしこの世界観は、経験や教育や環境によって形成されるため、人類全員が同じ経験、教育、環境の下で人生を体験しなければ、共通の世界観を有する頃は出来ません。

現実はその様な事は不可能なので、それぞれの人々が自己の経験や学問によって形成された、他人とは異なる世界観に基づいて、行動し解釈し生きて行く事になります。

当然の事ながら人の人生は千差万別、平和しか知らない人も居れば、戦争の中で生きた人も居る、一度も陸地に足を突いた事の無い船の上でしか暮らした事しか無い海洋民族が居れば、平野に下った事も無い山岳民族も居る、文明との関わりを絶って生きたジャングル奥地の原住民も居る。

景気の良い時代に社会出でた人は安定した就職から社会経験を積むことが出来るので「社会はその様なモノ」だと考え、不況の時代に社会進出した世代は企業と言う存在は「人を低賃金で使い潰す存在だ」と認識する可能性が高くなる。

役所に勤めている公務員と、企業に勤めている会社員では、税金に対するスタンスも違うでしょう。

犯罪者の子供であれば人に後ろ指を指される人生になる事も有り、慈悲に溢れた聖人の子供ならば勝手な期待を掛けれらるかもしれない。

たった一つのボタンの掛け違いで体験で出来る経験は全く違うものになり、形成される世界観も全く違うものになってしまう事もある。

その世界観の違いから、体験する事象から得れる解釈も、また違うものになってしまう。


★世界観の違いは人だけでは無い、国もである

これら世界観の違いから導き出されてしまう誤認による思い込みは、何も人間だけでは無く、人間の築いた国家に当てはまります。


例えば日本ですが、つい二十年前までは「日本は世界大戦中にアジアに侵略した極悪非道な国家である」と言う教育を受けて育った世代が幅を利かせていました。現在ではインターネットが広まり多くの資料や公文書が表に出来ており必ずしも日本は邪悪な国では無かったと言う風潮が広がり始めています。


お隣の特定アジアでは、日本の教育を取り入れる形で日本は邪悪な国であると言う情報を広め、日本を国家団結の為の外敵に仕立て上げる事により自国民族の不満を逸らせる政策が可能となり行っています。

現在の特定アジアの人達は、社会に出ている多くの人達が日常生活では表に出ないと思いますが、いざ国家間のナショナリズムが表に出てくるときは、その様な反日的な世界観の下で日本を見ると思われます。

もっとも日本から流れてきた歴史教育の情報が前提になって広まった可能性もありますし、普通は「証拠も無く自分で自分を貶めて他国にお金を貢ぎ続ける国がある」と言う事は、彼らはだけでは無く多くの人が信じることが出来ないため、日本からの情報が真実であると言う認識の下で利用し、国益にしてしまった事は、必ずしも非難に値するものでは無いのかもしません。(最も情報の出処となった日本も、GHQの指導要領に従っただけの可能性も有りますので、これに関しては日本を非難する事も筋違いでしょう。ただしこのような国家間の破綻に繋がる事も考慮の上で行った可能性も有りますが・・・)


かつて北米に住んでいた先住民は、「土地はみんなの共有物」と言う認識を持っていたと言われています。しかし、欧州から来た移民は土地は個人の取得物と言う認識を持っており、この認識の下で先住民に土地の売買を求める約束事を行ったため、そこから価値観の誤認による悲劇が始まり先住民の掃滅に繋がったと言われても居ます。(うろ覚え・・・)


この様に国家間でも、成立した地域や自然環境や時代によって、その国を形成している人々の価値観が指向性を持ち、その国の人達特有の世界観が表に出てくるため、外交に携わる人たちは、相手国の人の世界観を知らなければ、外交を行う事は出来ません。



★価値観の違いを埋めるには!?

人間同士は最悪「人間違って当たり前、我々は分かりあえないと言う事に関しては、分かりあえる」と突き放して考える事も必要と思います。

特に世代間の価値観の違いは昔から存在し、古来から「最近の若者は・・・」と言う言葉が石碑に彫られている事考えれば、仕方が無いと突き放した考え方も十分成り立ちます。

とは言え、これら世界観を始めとする価値観の違いから、過去多くの人が人間関係を破綻させ、国家レベルに成れば戦争にまで行き着き、最悪国家の滅亡にまで波及したのもまた事実です。


世界観の違いを乗り越えて、ちゃんとした人間関係を築こうと考えるのであれば、大部分の人類の共通の道義によるルールを守る事により、人間関係を必要以上に悪化させない様にして、後に細かい価値観のすり合わせを議論する形で埋め合わせるべきでしょう。

とは言え細かい価値観に関しては、無理に統一して共通の価値観にしようなどとは考えない方が良いでしょう。あくまでも違う価値観を保有していると言う事を認識して、相手のされたら困る事のデッドラインを確認して、行わない様にするための情報集積程度を行っておくべきです。


「人々は分かりあえない」とか「人類共通の道義」の様な統一した認識を有した方が良いのは、慣習国際法の生存や尊厳に関わる価値観だからです。

慣習国際法とは、基本的に人類が文明文化を越えて持ちえる生存権や尊厳に関しての明文化されていないモノも含める「されたら嫌な事は他人にするな」の理念が求めれらる人類普遍の法です。

基本的に国家や人が生きる上で国家や文化を越えて守らなければ成らない価値観で、国家間や個人間での関係を築くのに、この価値観を守らなければ真面な国家や人とは認識されない法概念となります。

同時に、当ブログでも書いた「神の摂理」に関してのルールも守った方が良いでしょう。具体的に物理現象や自然のサイクル等です。これらの「物理法則」「自然循環」「道徳」を認識し守っている限り、余程の極端な価値観の違いの有る土地に行かない無い限り、人間関係のトラブルに巻き込まれる事は少ないでしょう。

ただし、相手や相手国がこれらのルールを守らなければトラブルに巻き込まれる可能性は有りますが・・・


関連リンク


★価値観の違いによる誤認(宗教)
価値観の違いによる誤認が最も起こりやすいのが宗教関係による教えの類でしょう。
例を一つ上げるとすると西洋には「右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ」という教えが有るみたいですが、日本人には何の教えかが分かりません。

この教えは奴隷制度のあるローマ時代の地中海で生まれた教えで、奴隷を殴る時に、穢れた奴隷を手の平では無く手の甲で叩く事によって、手に平を穢れた奴隷に接触させて汚さない様にする奴隷雇用主に対して、奴隷なりの戦いや抗議を解いた教えなのだと言われています。

(確かに、主に利き手である右手で奴隷の頬を引っ叩く時には、右頬を手の甲で叩く事になりますし、そこで左頬を出されて挑発された場合に思わず利き手である右手で返す形で叩こうとしたら反射的に右手の平で叩いてしまい、彼らの言う奴隷の汚れを手の平に移す事になってしまいますからね。こう言う形で暴力に頼らない抗議を行えと言う事で、この様な「右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ」と言う教義が教えられたみたいです)


この教義を日本人が見た場合、奴隷制度が無いので頬を叩かれたからと言って汚れに結びつける事はしないでしょう。日本国内で個人がこの様な教えを実行した場合、暴力を振るう人に更なる暴力を振るう餌を与えて麻薬付けにするようなもので、子供の頃にこの様な育て方をされたのならば、人格などに問題のある暴力大好き人間になってしまうかもしれません。


現在の日本は国家としても、このキリスト教の教義を意外な方法で実行しています。即ち相手国に、暴力を振るいたい人や国には更なる暴力(戦争)を振るわせてあげて、冤罪を着せて自己満足の正義に浸りたい人や国には、その材料を与えてあげて、引くに引けない状況に追いやっています。

まるで麻薬の様に自己の正義を信じ込ませて、憎しみや侮蔑の感情をそれらの行動を取る人や国に向けさせる戦略を行っているようです。

当ブログで何度か取り上げている様に、日本と言う国は特定アジアに対しての情報戦略と思える日本叩きの情報を常に提供しています。

この様に見ると、日本は意外にキリスト教を取り込んで自国の国家戦略に反映している"キリスト教国家"と見なす事も出来るのです。(クリスマスも祝うしね!)

この様に考えると世界観や認識を誤認させられると外交戦略を踏み外してしまう事が分かりますね。

関連リンク

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今回は人や国家の持つ世界観に関しての記事となりました。

国家レベルの世界観に関しては、この記事以外にも


此方の二点も一緒に読んでもらえればより効果的に分かるかと思います。


では本日はココまでとなります。


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nh01ai33 at 08:00社会哲学

2018年05月12日

今回は、米国の弱点に関しての考察になります。

米国と言えば地政学的に、ユーラシアから離れた島と定義されており(アメリカ人もその様に考えている)、この考え方を基にして米国はユーラシア諸国に対してオフショア・バランシング政策を行っています。

歴史的に島国は大陸にある陸上国境を要する諸国に対してオフショアバランシングを仕掛け、自国が陸上国境を有しない事を武器に、他国に国境防衛による陸軍拡充と軍事インフレに追い込む戦略を採用します。

米国は実質上ユーラシアから離れた島の中で最大の生産地を有する北米を制し、ユーラシア大陸に対してオフショアバランシングを取り、同時に大西洋と太平洋の二大海洋の双方からユーラシア大陸外円部の東西諸島地域を制御下に置く事により、海洋貿易のコントロールとユーラシア大陸外円への戦力投射を可能とした、世界覇権を確立している。

一部の国を除き、この旧大陸に対しての圧倒的な優勢を維持する事により国際秩序を作り上げている。


しかしそのアメリカも、弱点が無いわけでは無いとブログ主は考えている。

ブログ主が考えている米国の弱点は、「多人種国家」「歴史問題」「地政学的問題」「負債問題」「産業問題」が上げられる。



①多人種国家
まず第一に人種問題で、米国が多人種国家であると言う事です。基本的に米国は移民の国で、世界中から移民を受けれ入れて来たため、米国民としての忠誠心を必ずしも持っている人だけでは無いと思われる事です。

(米国では移民が米国籍を取得する時に忠誠を誓わせる儀式が有るみたいですが、その様な事を行わせるよりも、移民にとって「米国が守りたい国」になれば良いだけかと思います。忠誠の儀式を行わせること自体が移民を信用していない事を意味しているのでは無いでしょうか?)

何にせよ、米国民を構成する「黒人」「ヒスパニック」「アジア系」「ムスリム系」など様々な人種がいるものの、基本的に白人の下風に立たせられています。

黒人の祖先は奴隷としての輸入され、迫害の対象だったため、今でもそれに引きずられて、白人と黒人の中は良いとは言えません。

ヒスパニックは、継続してラテンアメリカ諸国から流入しているが、米国が歴史的に中米のラテンアメリカ諸国と戦争しているため、白人とヒスパニック系アメリカ人の間に隙が有り、また現在の低賃金労働者の問題にメキシコ人が関わっているため、一般の白人の労働者には、必ずしもヒスパニック系の労働者と仲が良い分けでは無いと思われます。

アジア系とムスリム系の移民に関しては、現在のテロ問題やこれから起こり得る対中外交の問題から関係が悪化する可能性が大いにあります。

最後にアメリカ先住民に関しては、民族浄化を行い彼らの住む土地を奪い多くの人達を殺害した事を、考えれば移民などよりも遥かに根が深いかも知れません。

もし今以上に経済的な状況が悪化して、人種間対立が激化すれば、米国が他国に緩衝する余裕が無くなるかもしれません。


②過去の悪行・奴隷・先住民・侵略・世界破壊
第二の弱点は、米国の過去の悪行に関してである。

まず奴隷問題で、アフリカから黒人種の人達を家畜扱いして連れて来て強制労働をさせていた事に関してで、この問題によって現在でも抱える人種差別問題と摩擦問題を抱える事と成っています。この問題に関しては、米国人の責任と言うよりもヨーロッパ諸国の責任と言う面の方が強いので、現在の米国の人達を非難するのは、少しばかりお角が違う、と言う人も居ると思われます。

とは言っても現在の米国の白人種の先祖がそれによってある程度の利益を得ていたのは間違いないので、完全な無罪であると言える事でもない。

この人種摩擦問題はいつの日にか、米国内の人種間での紛争の呼び水に成ってもおかしくないと思える。

少なくても白人種以外の人種が、米国内で不満を爆発させるための大義名分として利用する可能性は、無きにしも非ずである。


二つ目が、先住民に対しての土地の強奪と民族浄化で、一般市民に至るまでの人達が先住民を悪魔扱いして領土奪取の大義名分にしました。そして自分達で銃で武装し公然と現在の価値観での人殺しに興じていた。英国からの独立戦争で自主独立自尊の象徴でもあった銃の武装が、西部開拓では自分達の偽善を実現する為の武器となった。この自主独立の象徴である銃の保有を正当化する為に、先住民の虐殺さえも正当化しなければ成らなかった。それがアメリカ建国神話だと思われます。

慣習国際法で見る「されたら嫌な事は他者に対して行うな」と言う観点から見た場合、「米国人はかつて先住民に対して、悪魔扱のレッテル張を行い土地の収奪をした、なんで俺たちが同じ事を現在の米国人に行うのはいけないのか?俺らにもやらせろ」と言う名目で、米国内で紛争を起こす人も居るかもしれません。

この恐れがある限り、自首の防衛の為に銃の合法所持を行わざるを得ず、逆にこの事により国内が不安定になった際の人種間の紛争が起こった場合、シビルウォー(内乱)になる可能性を常に保有する事になります。

これらは自分達の悪行を正義の行いと定義したための弊害と言えます。


第三に、周辺国に対して行った侵略行為で、特にメキシコに対しての侵略で、カリフォルニアやテキサスの地域に移民を送り込み、混乱を誘発して自国民を守る大義名分の為に侵略を行いました。

似たような状況は日本による満州国建国が上げられるが、一応日本は古来から満州を支配していた女真族の長である元清国皇帝である溥儀を国家元首として立て満州国の建国を行っている。日本の行った事は、満州の現地が群雄割拠の無政府状態だったため国際法的には侵略では無い。

それに比べ米国のメキシコ侵略はメキシコが国家として成立しているにも拘らず、アメリカから送り込まれていた移民がテキサスの独立などを勝手に行い、その米国から送り込まれた移民を守る名分で米国が介入し侵略併合を行っている。このやり様は、慣習国際法の観点から見て十分に侵略であり、将来同じやり方で侵略をやり返されても「お前もやった事だやり返されても文句は言うな」と言う名分をメキシコに与えてしまっている。


そして四つ目に関しては、米国の第二次世界大戦時のユーラシア大陸諸国に対してのオフショアバランシング政策で、これによりナチスドイツへの援助や中国の蒋介石への援助により、自国に隣接する英仏ソ日の四カ国を破壊する事に成功している。(あと一歩と言うところで完全勝利には達しなかったが・・・、これに関してはリンクを張っておく)

関連リンク

③米国は島国では無く大陸国家
米国の最大のリスクとも言えるのが、米国が北米大陸を制する島国であると言う誤認である。

米国は北米大陸を有する島国であると言う知識人が多くいるが、ちゃんと地図を見れば、北にカナダが、南にメキシコとの国境を接する陸上国境を有する、潜在的な大陸国家であると言う事が分かる。

米国が島国であると言う事を言っている人達は、カナダやメキシコの軍事力が米国から見たら無視できる程に小さいもので、世界の海洋に展開している海軍リソースを削って国境警備を拡充するリスクを今のところ感じれないのが原因と思われる。

しかし米国の北米でのパワーバランスが揺らぎ、周辺の諸国のパワーが拡大し陸軍が巨大化すれば、米国も陸上国境に防衛リソースを回さざるを得ず、世界に派遣している海軍を縮小しなければ成らなくなる。そうなれば海洋国家として存続する事も出来なくなるだろう。

関連リンク


④産業の軍事偏重
米国の産業に関してのリスクは、軍事偏重過ぎる事である。軍産複合体と呼ばれるほどに米国の経済は軍事に依存しており、世界に戦争が存在しており、なおかつ米国が戦争に巻き込まれない事が米国が繁栄条件と成っている。

・・・が、世界の海洋を警備し、世界中から商品を購入している米国は、世界で紛争が起こると流通や生産の不安定から、輸入品物価の上昇と言う形で、米国民が不利益を被る事になるため、軍事が儲けれれば軍事関連以外で飯を食っている国民が被害に遭い、戦争が行われず軍事関連で利益を上げれなければ、軍需産業で働いている人達の所得が上昇しない、と言うジレンマに陥っている。

更に「軍事」と言う産業は、国民を豊かにする生産性の向上には寄与しにくい産業であるため、軍需産業が潤っても国民の実質賃金の上昇には結びつかない可能性大であり、悪性インフレなどの国民の不利益に結びつく経済状態に陥りやすい。当然そうなれば米国民の不満増大は不回避である。

またインフレが加速すれば、お金を持つより商品を購入した方がお得であるため、企業努力が誘発されなくなり、生産性の非向上による富の一極集中になる可能性が大きくなる。

生産性の向上が起こらなければ、海外からの低価格の耐久消費財を購入せざるを得ず、実質的な生産力の海外移転に繋がってしまう事を意味している。


関連リンク

⑤対外負債の多さ
米国最大にして最悪のリスクは対外負債の多さで、このリスクが有る限り米国は常に他国に国債を売られ、国家が経済的な打撃を受ける危険に晒されている。

そうなれば国民経済が大打撃を受けて、今まで米国が好景気経済で覆い隠せた、人種間や経済格差間での問題が噴出してしまい、内紛に発展する可能性が出てきてしまう。

こうなれば隣接する他国(特にメキシコ)からの軍事侵攻のリスクも視野に置いた政策を行わなければ成らず、そうなれば現在の世界覇権構造の維持も不可能となる。

対外負債による国家の縮小に関しては、大英帝国が同じ状況に追いやられた歴史が有る。大英帝国が海外領土の独立を認めて、整備したインフラを売却するなどして、グレートブリテン島と言うイギリスのエッセンスの最も濃い部分を残し、生存に成功した。しかし米国は同じ様な国土縮小戦略が行えそうもないため、最悪合衆国解体にまで発展してしまう可能性が出てきてしまう。

★国債の売却ロックは不可能?
米国の事に関しての噂で、ブログ主が常々抱いている疑問が有る。即ち米国債の事で、「いざと言う時に米国は、借金の返済を凍結する」と言う噂である。

これは余りにもおかしな噂で、米国は基本ドル建て国債を発行しており、ドルは米国で幾らでも刷れるため、返済できないと言う事は有りえない。無論、無制限にすれば急激なインフレに遭い国民生活に大打撃が及ぶため早々できる事では無いが、米国にとって借金は返済できないものでは無いのである。

例え戦略的に国債の売却を停止(米国で引き取らない)させても、その様な事を行えば米国はいざと言う時は借金を返済しない国家であると思われ、いざと言う時の事を考えた世界の国々が平時からの米国債の購入を制限もしくは停止する恐れも出てくる。

そうなれば過剰な通貨発行をしている米国は、強力なインフレーションに見舞われる事になってしまう。そのため一部の敵性国家に対して国債の引き受け拒否などを行っても、逆に米国が打撃を被る可能性も高いのである。

よってこの手の国債ロックに関しては、米国債を持つ世界中の国々、特に大株主である日本や中国の同意が無ければ不可能と言える。

たとえ日中どちらかの国、もしくは両方の国に国債ロックを行ったとしたら、両国は日中同盟を結び米国に敵対する恐れがあるため、その様な事は不可能である。

特に史上最大の金余りの日本はイザという時に米国債の価値を支える事の出来る唯一の国であるため、地政学的な価値と合わせてその様な信用を裏切るマネは絶対にできないと思われる。(中国とロシアが存在している限りですが)


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以上で米国の弱点を、歴史経済の面から考察してみました。米国は世界最強で世界中の国を相手に出来る国家であると絶賛する人が居ます。ですが同時に、この様な弱点も多く持っている事を無視しても危険だと思います。

この事が分からないと、米国の外交や、各国が米国に対して行う外交が見えなくなる事が有りますので、米国の外交を見る時には、米国が根本的に抱える弱点も同時に見た上で考察するべきだと思います。

とは言え米国が未だに世界最強の国家であるという事実は厳然として存在しており、その事実を無視する事もしてはいけないと思われます。

最後にいつも通りの事を書きますが、このブログで書いている事は、ブログ主の主観による考察で書いた事なので、間違いが有るかもしれません。それを前提の上でお読みください。


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nh01ai33 at 08:00社会歴史
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