2020年06月

2020年06月29日

今回は、防衛省及び陸上自衛隊で配備される予定だった、陸上型イージスステムである「イージスアショアの配備計画の停止」に関しての考察となります。

このイージスアショアの配備計画の停止は、ミサイル防衛システムを運用するに当たり、軽撃ミサイルを発射した時に切り離された分離ロケットが「もしかしたら市街に墜ちるかもしれず、民間人への被害が予想される」と言うリスクから発生したもののようです。

これは地上波テレビで盛んに語られていますが、これに対してネット言論界(主に保守系と思われている言論人界隈)では、「確かに切り離した分離ロケットが、市街に墜ちる可能性は否定できないが、そもそもイージスアショアシステムは、核ミサイル迎撃を目的としたモノで、中止の原因になっている≪分離したロケットが市街に墜ちるリスク≫に関しても≪核ミサイル直撃による被害≫を天秤にかけた上でバランスを考慮したものでなければ意味が居ない」と述べている人達が多くいます。

これに関して当然で、既存のミサイル防衛システムは、あくまでも普通のミサイルを迎撃する為のモノで、核ミサイルの迎撃を目的としたものでは無い事から、新たに精度の高い高高度を飛翔する核ミサイル迎撃の為のシステムを導入するのは当然の判断であると考えられます。

これらに反発する意見として、「そもそもミサイル飽和攻撃を受けたら迎撃ミサイルでも迎撃しきれないので意味がない!」とか「イージスアショア自体が何年も前の技術で、発注から整備や運用が行われるまでに送れた技術に成り下がるので意味が無くなる!」と言う意見でイージスアショアシステムの配備に批判的なモノも有ります。

これに対しても「飽和攻撃された時の事も考慮しているから、海上イージスシステムと陸上イージスシステムの二つのシステムを運用する事により、より多くのミサイルを迎撃出来る様にする必要が有る」と述べる言論人も居ます。(既存の盾で受け止めれない程の攻撃を受けた時こそより分厚い盾が必要であると言う意見は説得力が有ります)

双方の意見は、共に一考する価値が有りますが、ブログ主的には地政学な国家間のパワーバランス視点から見た場合、ある程度は納得できるのでは無いかと考えています。

これは当ブログで述べている、「日本が周辺の三大国(米中露)に対して侵略経路を提供する事による大国間の軍拡競争を促し疲弊させる」と言う考えを基準にした考察です。



★軍事バランスの制御
上記の侵略経路の提供を前提にした「大国のパワーバランスを維持したままの軍拡煽り経済疲弊に導く戦略」を前提にした場合、海上イージスと陸上イージスを同時配備し、米国だけに安全保障を依存してしまう状況は、完全に米国の影響下に置かれてしまう事を意味してしまうため、パワーバランス制御の観点から見た場合、あまり上手なやり方とは言えないかもしれません。

今回のイージスアショアの配備停止の判断は、これらの事を考慮の上で行った可能性は十分あると考えています。

そもそもイージスアショアの配備が表に出たのは、2017年のトランプ大統領誕生が叶ってからです。トランプ大統領が誕生するまでは親中国の態度を取っていたオバマ大統領が米国の外交の舵取りを行っていました。

無論、米国の政治家の腹の内は分かりませんが、ドナルド・トランプ氏が大統領になった後、米国は反中国の態度を鮮明して対中路線に外交の舵を切りました。

日本のイージスアショア導入の計画は、トランプ大統領が大統領になったその半年後の事ですので、イージスアショア導入自体が「米国と中国を対立させるために、米中の両国に日本の防衛をどちらが担うかを考えさせる事によるパワーバランスコントロール」と考察する事も出来ます。

そして今回の配備中止は「これらのバランス制御が叶ったため配備を中止した」とも考える事が出来るのです。

実際日本の安全保障を考慮した場合「どこか一国に安全保障を委ね、同盟をとっかえひっかえする事が出来ない事態」は、地政学的に導き出せる大国の軍拡誘発が出来なくなる事を意味し、国益から反してしまいます。

基軸は米国との同盟を大前提に、米国が日本に厳しい態度を取った時に、日本側も中国やロシアの軍事力を背景に態度を変えれる状況を作って置かなければ、米国依存が酷くなりすぎて外交の自由度が低下してしまいます。

その様な視点で見れば、今回のイージスアショア配備停止の判断は、納得できると思います。


★近隣諸国に脅されたらどうなるの?
さてイージスアショア配備停止に関しては、上記のような視点で見ればある程度は許容する事は出来ますが、現状に極東情勢を見た場合、日本の防衛力の相対的弱体化は、日本周辺諸国のこれまでの外交を見る限り不安を感じる材料として働いてしまいます。

つまり中国なり北朝鮮なりが「ミサイル打ち込まれたくなければ、金を寄越せ!」などと言う脅しを行った時、日本政府は唯々諾々としてこれに応じなければ国民の命を守れない状況に陥る可能性も上昇したと言う事です。

ですが、この日本国にとって甚だ不利益な可能性が上昇したからと言って、長期的に見た場合は日本の利益に成る可能性も有るのです。

理由は、やはり大国間のバランスと侵略経路の制御による軍拡を煽る戦略が考えの根底に有ります。

そもそも軍事力によって相手国を脅すと言う行為は、確かに短期的には簡単に利益を得る確実な方法であると言えますが、これが長期的に、また国際社会の礼節を選定に置いた時、その様な「軍事力による脅しを行う国である」と言う評価を確定させる要因として働いてしまいます。

ましてや相手国が国際的な指標で、決定的に軍事的に敵対していない状況でこれらの行為を行った場合、国際社会は脅しをかけて国に対して非人道的な国家であるとの評価を下す事になるでしょう。

その評価は、脅しを仕掛けた国が、今後国際社会で外交を行い難くなる事も容易に想定できてしまいます。

そして、それら容易な想定さえ無視して脅しをかける様な外交を仕掛けた場合、脅しを仕掛けた国がかなり切迫した状況に追い込まれている事も予測できるのです。

ただでさえ大国間のパワーバランスと侵略経路のコントロールを生存前略の主軸としている日本としては、どこか一国でもバランスを崩す様な事をした場合、全体の流れが混乱する恐れもあり、国益からも反してしまいます。

だからと言って安易に助ける真似をした場合、テロ国家を支援する国であると言う評価を日本が受けてしまう事に成り兼ねません。

ですが、その様な状況でテロ国家の方がミサイルを突き付けて金銭や技術を要求する様な事を行ってくれれば、そのテロ国家を生かしたまま国家間のバランス制御に生かす事も出来ます。

日本側としても「軍事力で脅されたのだから仕方が無い、そんなに日本を批判するのであれば、何故国際社会は日本を助けてくれなかったのか? 日本には米国を始めとする連合国(国際社会)から押し付けられた憲法九条という足枷を掛けられ状況で国を守ると言う不利な環境が作られてしまっているのだぞ」と言う名分で、テロ国家支援を正当化する事も出来ます。

その様な環境を作ってしまった米国に対しても「その様な名分で中国側になびかれたら困るだろう?」と言うメッセージ発信からなる脅しも行いやすい。

その様なテロ国家支援による国家間バランスコントロールと言う観点からも、今回のイージスアショアの配備計画中止は、必ずしも悪い判断では無かったと思われます。

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以上が、当ブログにおけるイージスアショア配備停止に関する考察となります。

イージスアショアの「配備続行の正当性」も「配備停止の正当性」も共に言っている事は正しいと思うのですが、地政学的なパワーバランスと言う視点を見た場合、矛盾する双方がともに並列している現状こそが、日本にとって外交の幅を広げる道具として活用できるのでは無いかと言う考察をさせて頂きました。

本日の考察はこれにて終了させて頂きますが、当ブログでの考察は、あくまでもブログ主個人の見解に過ぎませんので、間違い等が有るかも知れません。それらのリスクを前提の上で閲覧してください。

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nh01ai33 at 07:00戦略地政学

2020年06月19日


今回は「大国の解体のリスク」の米国編となります。

前提の説明に関しては、前回や前々回をお読みください。

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★米国解体の要素
では大国として存在するが故に国家解体に向かってしまう要素は、米国にはあるのでしょうか?

米国と言われてイメージできる事は、

広大な国土
豊かで多様な自然環境
移民の国
人種の坩堝
民主主義国家
国(州)が集まった連邦制の国家
覇権国家
海洋国家
経済大国
軍事大国
借金大国


と成っています。

これ等の要素をから中国やロシアと同じような結論を導き出す事が出来るのでしょうか?

まず「広大な国土」と「豊かでた様な自然環境」に関しては、国土とインフラストラクチャの維持コストが掛かると言う点は変わりません。

ですがここからが中露とは異なり、長大な国境線を有しているとは言え、実質的に国境が接している国が「カナダ」と「メキシコ」の二国しか存在しないと言う点です。

またカナダに対しては、「アラスカ」と「デンマーク領グリーランドに存在している米軍基地」から包囲できる軍事状況を確立しているため、その国力さからもカナダとメキシコに対して挟み撃ちにされるリスクが少なくなっています。これにより中国やロシアに比べると圧倒的に陸上国境に費やす防衛リソースが少なくて済む事が分かります。

そして「移民の国」である事や「人種の坩堝」で有る事に関しては、豊かで多様な自然環境の事を考慮した場合、民族の混血が少なくなり、より多様な文化が成立しやすくなる条件として成立していると考えられます。

これは国家を運営するに軸となる勢力が成立し難い事を意味しており、おかしな政治統治を行おうものなら国家の解体に繋がるリスクが有ると考えられます。実際アングロサクソン系の白人が有力な勢力であった頃は、ある程度安定していましたが、それ外の人種が台頭し始めると白人優位政策は限界を見せ、米国社会内部を混乱させる原因として取り上げられる事も多くなりました。

米国はこれらの国家分裂を促すリスクを驚くべき方法で解決します。

即ち、「むしろコントロール可能な範囲で分裂させて良い」と言う突き放した運営方式です。

これは米国内で白人優位政策が通用しなくなってから始めた事では無く、建国以来から行っていた国家を成立させた枠組みが、偶然その様な多民族・多人種で構成された国家を安定させる要因として働いたと考えられます。

つまり「民主主義国家」の制度や「国が集まった連邦制の国家」として側面がソレを可能にしたと考えられます。

これは「多様な自然環境の下で成立する民族」や「世界中から流れ込んで来る多様な人種」によって成立する「他民族・多人種による収集の無さ」を「投票による自己を生存させるための政治家を選ぶ選択権の自由の行使」と「米国を構成する多様な州の多様な政策によ住処の選択権の自由の行使」によって多様な民族と人種の人達にある程度の満足を与え、米国に対する反発を最低限に抑えていると言う事です。

簡単に言えば、国家を構成する主体になる存在(州、自治体、企業、個人)に出来る限り選択の自由を与える事によって、不満が湧き難い状況を作り、分裂に及ぼうとする意欲がわかないようにしたと言う事です。

またこれとは別に移民を積極的に受け入れる政策も「特定の人種・民族が一強に成らず、他の自弱小人種・民族の団結を促す国家分裂」の状況を歯止める政策として機能していると考えられます。(混乱はし続けますが、それをコントロールし続ける事を前提とした場合、優れた政策であると思われます)

米国は、その国家としての成立・過程の問題から、どうしても多様性と自由を担保しなければ成らない国家として現在まで続いてきましたが、結果的には国土や自然環境から派生する諸々の国家分裂のリスクを封じ込める事に成功したと考えられるのです。


ただし国家分裂のリスクが無いとは言えません。

上記で述べた事は、あくまでも常に混乱している状況をコントロールできる事が前提に有るのですが、自由による混乱がコントロール不可能になった場合は、全てが諸刃の剣に成る可能性が有るからです。

そのリスクの要素として挙げられるのが「覇権国家」「海洋国家」「経済大国」「軍事大国」「借金大国」と言う点です。

これ等の要素は、その全てが他国から見た場合、最後の借金大国と言う点以外は羨望のまなざしで見られる様な要素なのですが・・・

この最後の借金大国の借金と言う要素は、覇権国家であり世界の治安維持に責任を持った政策、即ち覇権国家の地位から滑り落ち没落するリスクから生じた「世界秩序維持のための軍拡」や「経済を維持進為の輸入超過」や「輸入する為の海洋路防衛負担」を行わざる得なくなり出来た借金となります。

そしてこの借金と言うモノが米国最大のリスクとなります。

この借金の爆弾が爆発した場合、その後の経済対策に失敗した時、異常なまでのインフレーションやデフレーションやスタグフレーションを起こす要素として働く可能性が有るのです。

その米国政府自身が制御不可能な経済的混乱が生じた場合、先に述べた「人種・民族の統合の無さ」や「州の自治権の強さ」がマイナスに作用し、国家の分裂を促してしまう可能性が出てくるのです。

また常に移民が流入し続けて、「遺伝子的な人種統合」が歴史的な問題と棲み分けの問題から妨げられている現状も最終的な単一民族のとしての統一が成されず、将来的な分裂リスク上昇に一役買っていると考えられます。

正直なところ米国と言う国家は、覇権国家に成りさえしなければ、世界最強の国家として成立し続ける事の出来る国家であると考えれるのですが、覇権国家であったばかりに将来的な崩壊に至るリスクを内包する国家に成ってしまったと考えられるのです。(でも覇権国家に仕立て上げられちゃったんだよね・・・)


★三大国の崩壊リスク
さて米中露の三大国の大国であるが故に崩壊するかもしれいないリスクを考慮した場合、その崩壊しやすさから順位付けするとすれば、一位に中国、次点でロシア、最後に米国が挙げられます。

これは中国とロシアが大多数の主力となる民族を中心に独裁体制を布き、また地理的な防衛負担リスクに晒されているためこの順位となりました。

ただしこの考察は、あくまでも現時点での国家と国境線が縮小解体を前提に置いた国家解体のリスクであって、国家を構成する主要民族が「国土の一部を手放しても安定した勢力維持が出来る国土社会体制にしたい」と思って行ったコントロール目的の限定的解体さえも、国家の崩壊の区分に入れている居るため、この順位に成っています。

逆に言えば、中国とロシアの二国に関しては、中国は漢民族が、ロシアはロシア民族が生き残るための「制御可能な軍事的負担が生じにくい国土切り離し」さえ行う勇気が有るのであれば、国体を残し主要民族が生き残るれる可能性が有るかも知れません

ですが米国に関しては、借金大国としての清算を行う過程で、最終的に国家の完全な崩壊が起こる可能性が有ります。むろん「緩やかな解体」であるか「劇的な崩壊」であるかは分かりませんが・・・


-----------------
以上で全三回に渡って書かせていただいた「大国の解体のリスク」を終了させて頂きます。

一応日本編も書こうと考えていたのですが、今回は集中力が続かないので断念する事にしました。

なお当ブログで書かれている事は、あくまでもブログ主個人の見解に過ぎませんので、間違い等が有るかも知れません。それらのリスクを前提の上で閲覧してください。

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nh01ai33 at 07:00地政学経済

2020年06月14日

さて今回は、前回の「大国の解体のリスク」の続きの考察記事となります。

前回は、中国の解体リスクに関して考察しましたが、今回は、残りの二国であるロシアと米国の内のロシアに関して考察してみようと思います。


さて前回解説した通り、大国と言う存在は、大国であるからこそ滅亡・解体・分裂の可能性を保有している事を述べました。

主に

---------
・「領土が広すぎると、国境線が長くなり、隣接する国が多くなる事から防衛費用がかかり、財政を圧迫してしまう。また舗装する道も長くなるため生産地から遠ければ遠い程輸送コストが掛かり国民の生活負担として転嫁されてしまう」

・「領土内に様々な極端に背反する自然環境(砂漠や湿地、豪雪地域や南国など)を保有するとそれぞれの地域に異なるインフラストラクチャを作らねばならず、費用がかさむ」

・「自然環境が多彩すぎると、そこで暮らす人々の価値観が多様になり過ぎて、価値観の統一に手間取ってしまう」

・「人口が多すぎると統制が取り難い」

・「大国すぎると少しでも周辺諸国が生存の危機を抱くような事をした場合、多くの国々から危険視されて、潜在的な敵を増やしてしまう」
----------

などです。

これ以外にもいくつかあるのですが、ココでは割愛させていただきます。

では米国とロシアの二大国は、自国の大国としての要素がどの様にマイナスに働き解体や分裂の原因になってしまうのでしょうか?


★ロシア解体の要素
まずロシアの事を取り上げさせていただきたいと思いますが、皆さんはロシアと言うとどの様な印象を抱くでしょうか?

ブログ主的には、

世界一の領土面積
国土の大部分が寒冷な気候
領土面積の割には人口は希薄
軍事大国
軍事・エネルギー・食糧・東西流通に頼ったモノカルチャー経済

などがイメージできると考えています。


では、これ等の事をロシア崩壊のリスクの要素として取り上げる事が出来るのでしょうか?

まず「広大な国土」と「寒冷な自然環境」を取り上げた場合、広大な国土は、隣国との長大な国境線が有る事を意味しており、国境の防衛のコストが高くつく事が考えられますが、もう一つの寒冷な自然環境と言う要素が「北の北極海が凍り付くために北極海からの侵攻を考慮する必要が無くなり、防衛リソースを北部以外に投入する事が出来るため防衛費の増大に歯止めをかけている」と認識できます。

ただし「"寒冷な自然環境"が北部への穀倉の拡大を妨げており、必要以上の食糧増産と人口増大に歯止めをかけている」と言う現実も存在しています。

他国に比べると東西南北への防衛力投入リソースが少ないとは言え、広大すぎる国土に比べて人口が希薄すぎて守り切れない可能性が有り、人的リソースを防衛に回さざるを得ないため防衛力に投入されるリソースが軍事偏重に陥ってしまいます。

この事から軍事大国が進んでしまい、民需に回す人的リソースが少なくなり、財政と国内総生産のバランスが取れなくなり、経済的な疲弊に陥ってしまうリスクが有ると言う点が挙げられます。

さらにモノカルチャー経済に関してですが、基本ロシアの経済は「軍事」と「エネルギー」が取り上げる事が出来ますが、それ以外にも広大な国土を利用しての「食糧生産」とユーラシア大陸を跨ぐ国土を利用しての「東西流通」も挙げられます。

この「軍事・エネルギー・食糧生産・流通」は、国家の基盤(安全保障)を支える基幹産業としては非常に重要なのですが、時と場合によっては「国民の生活を支える産業として機能しない状況に陥る可能性」も出て来てしまいます。

軍事力は、国民を食わせる民需には直結しないため、リソースを投入すればするほど民需に回す人的リソースが減り、物価の高騰に結びつきます。そのため軍事産業が活発な状況だとしても、それが他国からの外貨や物資を稼ぐツールとして利用されるのでは無く、自国の防衛の為に使用された場合、そちらにリソースを取られるだけで民需が潤う事は有りません。

残りのエネルギー・食糧生産・流通に関しては、その時に国内外の経済事情に大きく左右される事が有ります。例えば、現在の様な新型コロナウイルス問題で世界中の需要が停滞している場合は如何でしょうか?

現在のコロナショックのせいで、世界中の生産体制が打撃を被っており、同時に消費体制にも影響を及ぼしています。そうなればエネルギーの消費も落ち込み、物の移動も減るため流通も停滞してしまいます。

そのため現在のロシアでは、国民を直接食わせる食糧生産以外の産業では、国民を食わせる事が出来なくなりつつあると考えられるのです。


ロシアのリスクを纏めると、広大すぎる国土のせいで防衛費がかさむ、それを補う人的リソースも寒冷な自然環境と軍事負担のせいで、人口拡大に力を入れる事が出来ない。しかし潜在的な敵は多い。

更に現在形で主要産業であるエネルギー・流通の産業がコロナウイルス騒動の影響で打撃を受けており、食糧生産産業で何とか経済を支えている。

と考えること出来ます。

★中国とロシアを比べると・・・
さて前回取り上げた中国と比べると「人口」と「産業」では中国が圧倒的に優位、「国境線防衛」ではロシアの方が優位な安全保障費かかり難いと違いはりますが、双方共に潜在的な敵が多く国力に比べて軍事負担が国民生活を圧迫させているのが、国家崩壊のリスクとして挙げられるのは変わりません。

また国民の意見が反映され難い独裁権力体制で、民のガス抜きがされ難いのも民衆の不満からなる暴動を誘発する要素として挙げれてしまいます。

唯一違うところが有るとすれば、「中国は覇権国家である米国に対抗するライバル国であり、ロシアはそうでは無い」と言う点です。

この一点によって、経済と軍事に掛かる負担は全く違うモノとなる筈です。逆にロシアに関しては、米国が中国と事を構えるとすれば、米国からの熱烈アプローチをを受ける可能性も有ります。そうなれば米ソ冷戦期の中国の様に、反中国陣営からの経済援助を受けれる可能性も有り、現在のモノカルチャー経済から脱却できる様になる可能性も有るかも知れません。

この様に時の覇権国と対立するか否かも、国家の行く末を決める重要な用途になると考えられます。


----------------
今回は、「大国の解体のリスク」のロシア編となりました。
尺が長くなったため米国編は、次回に回そうと思います。

なお当ブログで書かれている事は、あくまでもブログ主個人の見解に過ぎませんので、間違いや勘違いが有るかも知れません。それらのリスクを前提の上で閲覧してください。

続きは次回へ・・・

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nh01ai33 at 07:00地政学

2020年06月05日

今回は大国の国家解体に関する考察となります。

取り上げる国は「中国・ロシア・米国」となります。

今回の考察は短絡的な「中国気に食わない」と言う感情からでた考察のつもりは無く、米中露の大国として構成しているいくつかの要素が、結果的に大国が大国として成立し続け難い状況を構築してしまっている事に関しての考察となります。

とりあえず三大国を取り上げて考察させていただきますが、今回は、まず中国を取り上げさせてもらうと思います。

★中国の崩壊リスク
まず中国と言う国家を想像する時、どの様なイメージを抱くでしょうか?

人口大国
経済大国
軍事大国
広大な領土を有する国
いくつもの国に接している国
「圧倒的な人数の漢民族」と「その他の少数民族」の国
国内に多様な自然環境を有する国

等などの事を思い浮かべると思います。


実は取り上げたこれらの事は、国家が巨大な大国として存立するのにマイナス要素となる組み合わせに成っています。

大国である事自体がマイナスに成るわけでは有りませんが、中国の様に、多民族国家である事、多くの国と国境を接している事、そして極端で多様過ぎる自然環境を有している場合などの要素が揃うと、大国である事自体が、巨大な国土を有している事自体が、国家の命数を縮める要素と成りえる可能性も有るのです。

①大国である事の弊害
まず大国である事の弊害とは何なのでしょうか?

簡単に言えば、周囲の国から見た場合、大国であると「どの様な目で見られるのか?」と言う事です。

大国の国民であるとあまり意識する事は有りませんが、その大国の周辺国の住民にしてみると「大国の存在自体が自国の命運を脅かす可能性のある存在」としての感情を少なからず抱いてしまいます。

つまり潜在的な敵性国家としての可能性を意識させてしまうと言う事です。これが中小国同士の敵対関係であった場合、戦争したとしても自分達の努力次第で相手国を追い返す事が可能となります。ですが相手が大国であった場合、抗えない存在として常に脅威を抱いてしまう事になります。

そうなれば、大国の周囲にある国を、自国の生存を企図した「大国のライバル国との関係強化」を意図させてしまう事でしょう。

結果的に大国である事自体が、自国の周囲にある中小国を、自国のライバル国の陣営に追いやる可能性が増大させてしまうのです。


②広大な領土である事の弊害
第二の弊害として挙げられるのが広大な領土です。

広大な領土を有していると、「膨大な資源を確保できる事」や「多くの人口を養える事」と言った利点を挙げる事が出来ます。

ですがそれ以上のマイナス要素も考えられ、それが「国境線が長く隣接する国が多い事」や「国内の流通にも時間が掛かる事」です。

国境線が長く隣接する国が多ければ多い程、潜在的な敵性国家が多い事を意味し、その潜在的な敵の行動に対処する為の準備費用がコストとして国家財政に圧し掛かる事になります。

また国内の流通に時間が掛かると言う事は、端から端までの人やモノの移動にコストが掛かる事を意味しています。

僻地に住む人に関しては、物流インフラ等の恩寵を受け難いと言う事は致し方ないのですが、国家を構成している国民を養ったり、国境を実効支配と言う形で画定させている人達に「僻地に居るのだからモノの値段が高くなるのは仕方ない」と彼らの生活コストを必要な犠牲として切り捨ててしまうと、住み難い土地に住む人が少なくなったり、国境警備等の職務に好んで就く人が少なる成ってしまうため、彼らが被る負担を他の国民全員に割り当てはやむを得ないと考えられます。

当然その負担が国民が耐えられないものであった場合、国力の低下や国民の不満の爆発にも繋がるため注意が必要となります。

また資源が多く産出されると言っても、その資源に依存して、資源に頼らない産業を構成する技術開発を疎かにする「資源呪い」に掛かってしまう可能性も有ります。

同時に人口が多いと言う事は、いざと言う時に統制する為の対象が大勢いる事も意味しており、国民を混乱し暴動が生じる様な危機的状況になった場合、対処コストが増大する事も意味している。


③多民族国家である事と多様過ぎる自然環境を有する弊害
第三の弊害である「多様過ぎる自然環境」と、その「自然環境から派生した多様な民族が一つの国家に並列して生きている事」も国家解体を考察する上で非常に重要な要素と言えます。

多様な自然環境が有ると言う事が素晴らしいように思う方も居るかもしれませんが、逆に言えば一つの自然環境下で整えられている社会基盤を他の自然環境下の社会の下で代用できない可能性も有り社会の維持にコストが掛かる恐れが生じます。

例えるならば、「砂漠の国」と「雪国」と「南国の島」では、そこで営まれる社会も同じモノには成りませんし、インフラストラクチャも別々のモノに成ってしまいます。

砂漠の国であれば砂塵、雪国であれば豪雪、南の島であれば降雨などの自然環境が有り、それらの自然環境に沿ったインフラが必要となります。

そして砂漠の国で培われたインフラ技術を雪国や南の島で、そのまま丸々使用する事は出来ないため、雪国や南の島で使用するインフラストラクチャは、一からとは言いませんが新たに開発しなおさなければ成らない事になります。これが開発コストや運用コストの増大に繋がると考えられます。

さらに多様な自然環境が有ると言う事は、そこで暮らす人々の社会も多様なモノにならざる得ません。このリスクは「自分達が暮らしている社会と他所の自然環境下で成立した文明社会が別のモノに成ってしまうため、価値観さえも別々のモノに成るため、統一国家に必要な統一された価値観が有せない」と言うモノで、最悪国家の独立や分裂をもたらす可能性が生じてしまいます。


★中国の悪循環のコスト上昇
上記の事を考慮の上で現状の中国はどの様な状況にあるのでしょうか?

第一に、中国は大国であり周辺諸国の全てと領土問題を抱えて実際的にも潜在的にも敵は多い。また国境線が長く。そして世界最大の陸軍国であるロシアと国境を面している。

第二に、コロナウイルス拡散問題で世界中から恨まれている可能性あり

第三に、国土が大きいが人口に対して資源量は少ないため、近年に入りエネルギーや食糧を輸入に頼っている。

第四に、東部は海に面しており海運や水運の恩寵を受け低コスト物流の恩恵を受ける事が出来るが、西部の山岳地帯はその恩寵を受ける事が出来ない。

第五に、中国を構成する民族の主力である漢民族の大部分が沿岸部や沿岸部に直結した河川地域に住んでおり、それ以外の民族は内陸部・北部・山岳地帯に住んでいる。そして漢民族とそれ以外の少数民族の生活水準には、物流コストの為かは分からないが明確な差が存在している。

最後に、中国は中国共産党政権の独裁権力統治体制が確立されており、基本的に漢民族を優遇している。

総合して見ると、大きすぎる国土の為に維持統治コストが以上にかかるにも拘らず、中国共産党の独裁体制で漢民族優遇統治を行い、一部の他民族を不遇な状況に置いた統治下体制を確立させ、また周辺諸国の多くと対立しており、国内外に潜在的な敵を多く抱えてしまい、治安維持のためのコストが非常に高い状況と成っている。

また世界中に白眼視されているにも拘らず、世界中の国々から恨みを買うかの様な行動ばかりを行い更に敵を増やしている。

だからと言って外部に敵を作らなければ、国内の引き締めが上手く行かず、国内を引き締め目的で少数の民族を弾圧すればするほど、諸外国に中国の危険性を抱かせ潜在的な敵国を増大させてしまう。

正にコスト増大の悪循環である。

★中国は分裂した方が安定する
正直このままでは、治安維持や安全保障や社会維持保障に掛かるコストが大きくなりすぎて、これらのコスト上昇幅が経済成長率を超えたあたりから、中国国民が地獄のような苦しみを味わう事になると思われる。

そうならないためには、とっとと分裂してそれぞれの地域で独立した国家を興して再出発した方が良いと考えられる。

ブログ主が考えるのは、「西のチベットとウイグル」を独立させて、代表的な民族問題にけりを付ける。

また東北地域(満洲)を独立させて最大の脅威であるロシアとの間に緩衝地帯を作る。

これを行い古来の中国と呼ばれた地域のみで、中国を再構築させれれば、国境線が半分以下になり、発展が遅れて統治コストが掛かる地域を切り捨てる事が出来るため、国政に掛かる負担は減る事になると考えられる。

緩和されたり供給リソースは、最も人口が集中している中原や沿岸部に集中投資し、より効率的な経済成長を目指す事が可能となる。

と言う政策を行えば、分裂しながらも中国はある程度の規模に縮小して生き残る事が出来ると考えられます。


この考えを発展させれば、チベットとウイグルの二地域は無理だとしても、「中国本土と満州当たりは、分裂対立したフリをして出来レースの争いを行い、米露からお目溢しをして貰い国家の安定を図る」と言った戦略も中国の行う生存戦略の一つに数えた方が良いと思います。

-----------------

以上で「大国の解体のリスク!?【中国編】」の考察を終了したいと思います。

次回は、米国とロシアと他にもう一つどこかの国を例に出して考察しようと思います。


なお当ブログに書かれている事は、あくまでも個人の見解に基づいた考察であるにすぎません。間違いや妄想であるリスクを前提の上で閲覧してください。

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 藤井聡 氏
 上念司 氏
 渡邉哲也 氏

≪戦略家≫
 エドワード・ルトワック 氏
 孫子(兵法書)

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