2020年08月

2020年08月26日

今回は、日本の国家戦略における"矛盾"に関しての考察となります。

"矛盾"と言っても、「日本の国家戦略は矛盾している」と言う事では無く、「日本は、"矛盾"を国家戦略に活用している」と言う意味で考察を行っています。

矛盾と問えば、古代中国において「どんな盾も突き通す矛VSどんな矛も防ぐ盾」の故事から生じたモノで、「相反する事が同時に生じた時、その事柄や事象はいったいどうなるのか?」を論じた論理思考と成っています。(さすがに知らない人は居ないと思うので詳しい説明は、省かせていただきます)

では、矛盾の戦略活用とはいったい何なのでしょうか?


★「現状」と「作られた戦後の認識」
では矛盾の戦略利用とは、いったい何なのでしょうか?

ブログ主が考えるに「現状の地政学的な国家バランスから生じる対立の負担」と「歴史認識」から生じる「日本の近隣諸国が捏造された正当性を維持する代わりに、国益を失う構造」を指しています。

では「国家間のバランスと対立負担」と「歴史認識」とは何なのでしょうか?

米国と中国とロシアの日本周辺の三大国は、裏ではどの様に考えているのかは分かりませんが、表向きには第二次世界大戦に関しては、「犯罪的な侵略国家である日本に対して誅を下した正義の戦争である」と言う認識を表明しています。

確かに「勝者こそが正義であり、敗者こそが悪である」と信じ込みたい人間の弱さと言うフィルターを通して見た場合は、確かにそういう認識が成立します。

ですが慣習国際法の特に発見法から見た善悪を基準にした場合、必ずしもそれら戦勝国の認識は正当とは言えなくなります。

これは当ブログで以前において記事にさせて頂きましたのでそちらを参照してください。

関連リンク
シリーズ:神と法と宗教
シリーズ:国家戦略を行うに当たり日本は犯罪をしているのか?

上記のリンクを確認して頂ければ、「現在の日本を含む諸国で信じられている人道的視点から認識している善悪」と「歴史と文化社会を超えて人類が普遍的に抱いている善悪の認識」の二つに違いが有る事が分かります。

その乖離を前提に日本周辺国家の歴史認識を考慮した場合、これ等の国家は歴史の捏造によって「身勝手な歴史認識から生じる日本国民に嫌われるリスク」や「慣習国際法から発見される人道的見地から最終的に決定される善悪認識から生じる国際的な国家イメージの下落」等の可能性が常に潜んだ状況にあると言えます。

関連リンク

その上で、当ブログで述べている(上記リンク)「日本の米中露三大国に対しての侵略経路提供」を見た場合、「日本は邪悪にであるので、軍事力は持たせない様にしよう」と言う認識を基に日本人に行わせた低軍備政策が、結果的に日本に国土防衛させずに「日本の周辺諸国に日本を侵略させる可能性の上昇させてしまう事」や「日本が率先して周辺国に侵略経路を提供させ、それに危機的意識を抱いた他の大国に軍拡競争を誘発させる」と言った諸々の事象を行いやすい状況を確立させてしまっていることが分かります。

この「自国を正義として発信する事による国家国民の自尊心の満足感」と「日本を経由して侵略して来る他の大国への対安全保障防衛の負担」が、日本周辺諸国に「何方かを立てれば、何方かが立たない」矛盾した状況を押し付ける材料として機能している事が分かってしまうのです。


★真実を語れば良くなるわけでは無い
上記の矛盾から生じる負担を考慮すれば分かると思われますが、米国などはこの負担から解き放たれようと「真実の歴史と認識」を暴露して日本国民の歓心を買う事で日本との同盟を強固にして負担を被らない様にしようと言う行動を取る事も予測されます。

ですが現状の大国間のパワーバランスと日本の他の大国の足りない部分を補完する国家としての能力(信用や技術)を考慮した場合、そして日本の求めている事が「真の歴史の認識」では無く、「国家間のバランスをコントロールしたまま疲弊させる事」が目的だった場合、真実を明らかにしても日本がなびかない可能性も有ります。

その可能性を考慮した場合「真の邪悪は貴国(米国)だったのか!」と言い、米国を許さずに敵対される可能性もあり、そのリスクを考慮すれば安易に「日本こそが真の正義の国だった」等と言う事は、言い出す事が躊躇されてしまうのです。

この事から、結局自分達が日本に押し付け、国際社会全体で信じ込んでしまった「一時的に自分達に都合の良い歴史認識」を続ける事で、米中露の三大国が共に軍拡チキンレースに邁進し、全世界に軍拡による通貨発行バブルの膨張と崩壊による経済破綻のリスクを常に維持すると言う、日本の「天下三分競食の計」を続ける事態に陥っているのです。

★八月の「戦争の記憶を忘れない各種イベント」
この事から、日本が戦後から続けている、毎年八月の終戦記念日前後に全国一斉で行われる「戦争の記憶を忘れない様にする各種イベント」は、何も戦争の悲惨さを忘れない様にしたり、自虐史観の為だけに行っている訳だけでは無く、

例えば、中国には「日本は邪悪な国だから何をしても良い!」と言う気分にさせて、「日本に侵略する事は悪い事では無い」と言う認識を植え付け、対米戦線に引きずり込む情報戦略として利用している可能性や

例えば、米国には「日本が真面な安全保障整備が出来ないのは、米国が日本を邪悪な国家であると言う歴史認識を捏造し定着させたからだろ! 米国が国命を掛けて責任を取って対中戦線の矢面に立て! じゃなきゃ沖縄を無防備状態に置いて実質的に中国に売り払うって米国への侵略経路にするぞ!!!」とか「米国にやられた事は絶対に忘れません!」と言うメッセージを送っている可能性も十分あるのでは無いでしょうか?

この様に考えると、日本で毎年行われる八月の戦時を思い出すイベント各種は、中国や米国にとっては、「日本が起点になって米中のナショナリズムを煽ってくる"厄介な月間"である」とも言えるのでは無いでしょうか?

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以上を持って「日本の対米・対中戦略は矛盾だらけ」の捏造された正義から発生した矛盾を日本が如何にして戦略利用しているのかの考察を終了したいと思います。

例によって考え過ぎなのでは無いかと思える様な推測なのですが「日本の地政学的な環境から推測できる戦略を考慮した場合、必ずしも可能性はゼロでは無い!」と思えましたので、この時期のネタと言う点で記事にさせて頂きました。

なお当ブログで書かれている事は、あくまでもブログ主個人の見解に過ぎません。間違い等が有るかも知れませんので、閲覧者様方もそれらの可能性を御考慮の上で閲覧してください。

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nh01ai33 at 07:00歴史地政学

2020年08月19日

今回は、「いわゆる徴用工(募集工・志願工)問題から発生した、韓国の対日企業に対しての資産差し押さえ現金化」から予測される、日韓の更なる関係悪化に関しての考察となります。

さて韓国が先の8月4日に、ついに日本の企業に対して「いわゆる徴用工問題から発生した賠償責任」による資産現金化が開始されました。

既に、「いわゆる従軍慰安婦問題」によって悪化していた日韓の対立が、この「いわゆる徴用工問題」によって、更なる加速がついた事になります。

これに巻き込まれた企業(日本製鉄、かつての新日鉄住金)も即時抗告を行う予定である事を明言実行し即時の現金化を停止させる措置を取りました。日本政府も現金化を行い、日韓基本条約を覆すような対応を行った場合、対抗措置を行う旨を申し渡しました。

この日本の措置によって韓国政府と韓国国民が反日的な態度を引っ込めるのでしょうか?

この問いに対しては、「既に不可能である」と断言せざるを得ません。

いわゆる従軍慰安婦問題に関してもそうでしたが、今回のいわゆる徴用工問題に関しても、率先して叩き潰す措置では無く、対抗措置に終始しています。これは何かをされたら対応すると言う消極的な態度にしかすぎず、今までの政府の行動結果をから類推するに、なあなあで済ませる意図が見え透いています。

当の韓国側も、これまで世界中と国内に向けて、日本の悪逆性を発信していることから、余程決定的な「"国際法上"と"人道上"と"人類共通の正当性"からなる反論」と「苛烈な制裁」が日本側から発信されなければ、引っ込みがつかない状況に陥っていると言えます。

ですが、いわゆる従軍慰安婦問題もいわゆる徴用工問題も双方共に、日本国内で火が付き、日本の弁護士や言論人が韓国国内にまで輸出波及させた問題です。

ある意味日本人が悪化させた問題で、これにより日韓関係が破綻したと言えます。

最も当ブログを読んでいる人にとっては、「地政学的に生じ得る米中露の紛争の場として朝鮮半島が大リスク地域で有る事を考慮し、日韓関係を悪化(韓国が日本に冤罪を着せる形で)させる事は、いざと言う時に朝鮮半島から手を引く口実として利用できる事」を予測でき、この事から日本側が1970年台のニクソンショック以降、これまで続く日韓関係の悪化そのものが中国の台頭を前提に行い始めた日本の国家戦略的な情報操作で有る事を推察できる事から、感情に動かされる事無く離れた立場から見る事が出来ると思われます。

我々日本人は、今後これらの問題に如何にして対処すればよいのでしょうか?


★対処するな!?そのままやらせろ!
上記の問いに対して、ブログ主個人の見解を言わせていただければ、項のタイトルにもある様に「対処するな!?そのままやらせろ!」となります。

ここに来て韓国国内でも、反日的な韓国人のやり様に対して反発を抱く人が増え始めており、日韓のマスメディアが報じない所で、韓国政府や捏造を伴った反日行為を行う人達への批判が高まり始め、小規模ながらもデモや批判が相続く状況が構築されつつあります。

この状況を見た場合、「ついに韓国人も目覚め始めたか」と思う人も居るとは思いますが、地政学的なリスク回避の視点で言えば、日韓の間での民間の団結が強まる事は、朝鮮半島で紛争が生じた時に、日本国民に「韓国人を救う為の人道的介入」を日本政府に要求させ、日本の国家リソースを朝鮮半島に費やさせると言う損害を日本国民主導で起こさせてしまう可能性を増大させてしまっていると言わざるを得ません。

ここに来て「安倍首相を模した謝罪像」や「いわゆる徴用工(募集工)問題による、日本企業に対しての資産差し押さえ」と言った、日本国民の対韓国感情が悪化する事件が立て続けに生じているのですから、これらの事象をいざと言う時に「日本が韓国を切り棄てても日本国民が納得する感情を構築する材料」として利用するのが、日本国民の為にもなる対応であると言えるのでは無いでしょうか?


それだけでは有りません。もし日本国政府が何らかの報復や関係改善の保障処置を韓国や日本企業に対して行うのであれば、いざと言う時に日韓の問題を日本国政府が何とかしてくれると言う認識を日本国民に与えてしまい兼ねません。

そうなれば紛争リスクが上昇し続ける朝鮮半島から、日本国民や日本企業が撤退する事を躊躇させてしまう恐れも有ります。

そうなれば本当に紛争が生じた時に、半島に居る日本人が逃げ遅れる恐れも出て来てしまいます。

この様に考えた場合、日本国政府は何もせずに、韓国に対して日本の多くの国人が嫌悪の感情を抱く、現状の反日行為を行わせ続けた方が、結果的に日本国民の生命と財産を保護する事に繋がると言うパラドックスが生じる可能性も有るのです。

★いつまで冤罪を被れば良い?
では日本国民は、いつまで韓国から発信され続ける「日本を貶める冤罪」を被り続ければよいのでしょうか?

ブログ主の見解を言わせていただければ、「国家間のバランスが確定し、安全保障が確保されるまで、そのままやらせておけ」と言う結論を提示させていただきます。

日本にとっては、「韓国を許すのも切り捨てるのも日本が主導して行える状況を常に掌中に収めて置く事が日本の外交の幅を広げる、日本の国益である」と言えるので、それに沿わない行動は極力とるべきでは有りません。

冤罪を被るだけで「数千万人の韓国人の生活と命」を犠牲にして「一億数千万人の日本人の生活と命」を守る事が出来るのであれば、ソレはやむを得ない事であると言えるのでは無いでしょうか?

無論、それは少数の日本人の尊厳や生命を短期的に犠牲にする非人道行為ですが、政治と言うモノは短期的に少数を犠牲にして長期的に大多数を生かすのが役割であると言えます。そして社会全体や政治家の役割は、敢えて犠牲を甘受するとともに、短期的に犠牲になった存在を如何にして保護し保障するのかも存在理由と言えます。

その程度の「悪名被る役割」と「国民に憎まれ断頭台に掛けられるリスクを覚悟した政治活動」を政治家に期待しても良いと思われます。


これ等の事から日本国民は、「韓国の親日勢力が日本の保守層側に立った行動を行い関係改善の道筋を作ろうとも、安易にそのレールに乗り真の関係改善を行ってしまっては、日本の国益に成らないかも知れない」と言う可能性考慮に置いた生活と忖度を行うべきす。

最も韓国の人々が、朝鮮半島で生じる可能性のある紛争に日本人を巻き込まず、邦人の脱出と富の保障を積極的に行い、自分達の命だけを掛けて日本の盾となって戦ってくれるのであれば、その限りでは有りませんが……

そこまで彼らを信用するのは、おめでたい思考であると言わざるを得ません。やはり徹底的に冷徹な思考で安全保障を考え行動するべきであると思われます。

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以上を持って「いわゆる徴用工問題に対しての対応」の血も涙もない考察を終了させて頂こうと思います。

なお当ブログで書かれている事は、あくまでもブログ主個人の見解に過ぎませんので、間違い等が有るかも知れません。それらのリスクを前提の上で閲覧してください。

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nh01ai33 at 07:00国際政治

2020年08月10日

今回は前回に引き続き「中国は如何にして米国の包囲を突破すればよいのか!?」の後編である「投資編」の記事となります。


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★経済・資本的手法によるコントロール
では軍事的アプローチによる状況の打破が不可能であるのならば、他はどの様な手段を使用すればよいのでしょうか?

ブログ主的には、「経済力や資本力を前面に押し出した"米国の対中包囲網突破"」に活路を見出すしかないと思われます。

では資本力と経済力を前面に押し立てた戦略とは、具体的にどのような行為を指すのでしょうか?

簡単に言えば「「米国と敵対する可能性のある国」や「混乱すると米国が困る地域」や「中国の同盟国として役に立ちそうな地域」や「米国が伸張していない領域」に対して資本面で投資や混乱を引き起こし、米国に中国が投入した以上の資本負担を負わせる事により、米国の国力を疲弊させ、米国と中国の国力差を縮小させる」と言う戦略になります。

①米国と敵対する可能性ある国に対しての投資
まず初めに取り上げた「米国と敵対する可能性のある国」に対する投資先として挙げられる国として考えられるのが「ロシア」「イラン」「日本」「イギリス」「メキシコ」「カナダ」「キューバ」等が挙げられます。

ロシアに関しては、冷戦から続く代表的な米国との対立国で、現在でも国際的な利権や安全保障面で米国と対立する事が有ります。一見支援すれば米国と対立してくれそうな雰囲気が有るようにも見えますが、そうは問屋が卸しません。

何故ならば、中国とロシアの関係は、中国が米国を敵として認識する以上に、そしてロシアが米国を敵として認識する以上に、互いに最大の潜在的な敵国同士と認識している筈だからです。もし中国がロシアに投資してロシアが復活しても、そのロシアの掲げる槍の穂先が米国では無く中国に向く可能性も十分あります。その点からも対米国を見越した同盟国への投資としては、ロシアは不適格であり慎重を有すると言えるでしょう。

イランに関しては、中国と国境を接してはおらず、また米国の石油利権を脅かす可能性のある中東の有力国であると言う事を考慮すれば、中国が米国と対立した時の同盟国候補として考慮する事は十分可能と思われます。

日本とイギリスの二国に関しては、海洋を挟んで米国に隣接している二国ですし、大陸国家である中国に対して海洋国家である事を考慮した場合、この二国に関しては陸の中国と海の日英で住み分ける事も可能であると思えます。

ただし、この二国が海洋を通して国家の安全保障を確立してい事を考慮した場合、「中国と同盟を組み米国と対立するよりも、むしろ覇権国家であり海洋の擁護者である米国と同盟を組んだ方が軍事負担が少なくなり経済的に国益である」と認識している現実も有るため、中国と同盟を組むと言う可能性は限りなく低いと思われます。

たとえ中国と同盟を組んだように見える態度を取っていても、それは米国に対して何らかの譲歩を引き出すための中国を利用したバランシングで有る事を考慮した方が正しいと思われます。


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メキシコ・カナダ・キューバは北米に位置する米国と隣接する国家です。これらの国々が中国の支援を得て経済的な拡大を遂げたとしても、三国とも米国と経済的な関りが深い国ですので、投資を受けて豊かになったとしても、その拡大した経済を持って必ずしも米国と対立してくれるかどうかは未知数です。

寧ろ投資を受けるだけ受けで、軍事的に北米に兵員を送り込めない中国を裏切り、直接的に遥かに恐ろしいを思える米国側に付く可能性は十分あります。そもそも現時点でもこれらの国々は米国との経済関係が深い国である事を考慮すれば、米中のどちらを選ぶかと問われれば、米国を選ぶ可能性の方が圧倒的な高いと考えられます。


②"混乱すると米国が困る地域"への投資
二つ目に取り上げた「"混乱すると米国が困る地域"への投資」とは、どの様な意味を指すのでしょうか?

これは資本を利用した戦略で、国家破壊や地域の混乱を誘発する為に敢えて過剰なマネーを該当地域に注入し、産業を混乱させたり、突如とした資本逃避を行う事による該当地域の混乱を誘発させる戦略です。

考えられる地域や国を考慮した場合、「南米」と「オーストラリア」「アフリカ」がこれに該当すると考えられます。

南米は米国の裏庭とも言える地域で、実質上米国資本の影響が強い地域です。この南米で経済的な混乱が生じた場合、紛争などが生じ、最悪米国の統制能力を超える混乱に発展する恐れも有ります。最も米国としては、これらの国々が混乱した場合、武器弾薬等を売りつけ軍需産業を潤す餌としても利用できますので、まったくマイナスに成るかどうかは分かりません。

ただし不必要なまでに憎しみを煽るバランシングを行おうものなら、これらの国々の人々が米国を憎む事にも繋がるため、米国による米州のコントロールと言う観点を見た場合、米国に取っては中国にあまり干渉してほしくない地域なのでは無いかと思われます。

オーストラリアに関しては、大きな島国でありインド太平洋の接合点あるため、インド太平洋に管理を及ぼそうとしている米国から見た場合、広報補給基地としての価値があります。このオーストラリアが政治・経済的に混乱が生じた場合、米国によるインド太平洋の治安維持と言う点で、暗雲が立ち込める事になります。

特に現時点でもチャイナマネーの影響が強い地域ですので、今後米中対立が加速すればするほど、政治・経済的混乱が生じるのでは無いかと思われます。

アフリカに関しては、米国だけの問題では無く、米国と欧州で結成されたNATO(北大西洋条約機構)の国々にとって多くの企業が進出している地域ですので、この地域で混乱が生ずれば、米国だけでは無くNATOが治安維持で出張る事にも成り兼ねません。

特にアフリカでは、紛争が絶えない地域が幾つも有るため、ちょっとした混乱が戦争の火種に成ってしまう恐れも有ります。その混乱が米国の統制力を越える様な事が有れば、米国としては現在の工業地域&資源地域、そして将来の市場を失う事になると思われます。(最も武器弾薬の売り付け先と見た場合、米国にとっては必ずしもマイナスにはなりませんが・・・)

地政学的には、米国の安全保障に直結し難い地域ですので、一度混乱した場合、長期に渡って放置され収集がつかない状況に成る恐れが有るため、注意が必要になると思われます。


③「中国の同盟国として役に立ちそうな地域」
三つ目の「中国の同盟国として役に立ちそうな地域」としては、アフリカとオーストラリアとメキシコとイギリスと日本になります。

同盟国として役に立つと言う理由は、メキシコ・イギリス・日本に関しては、米国と直接事を構える状況に成った場合、米国と隣接しているこれらの国が中国の同盟国であった場合、中国の対米競争が有利に進むため取り上げさせていただきました。(この理由は①の項でも取り上げさせていただきました)

そしてアフリカとオーストラリアを上げさせていただいたのは、アフリカやオーストラリアの両地域が「ここを押さえら国が世界の命運を決める」と言われるリムランドから離れた地域であり、中国と同盟を組んだ場合、リムランドを挟み撃ちに出来る地域であるからです。

現在、一帯一路構想でリムランドを影響下に置こうと言う国家戦略を実行している中国としては、リムランドの支配を確定させるために、是非とも支配下に置いておきたい地域と言えるのでは無いでしょうか?

またチョークポイントを通過しない海洋路の中心に存在している両地域は、米国にとっては紛争地域から離れた海洋通商路としての側面も持ちえているます。そのためシーレーンの安定を確立させたい米国としては、両地域が中国の影響下に入る事は、安全保障上容認しがたい事であると推察できます。


④「米国が伸張していない領域」に進出し勢力を伸ばすための投資
これは世界の海を支配している米国は、その海を守るために多大なるコストを支払わなければ成らず、他の領域に伸張する経済リソースを捻出する事に苦しむであろうことから推察させていただきました。

例えば、南極
例えば、深海
例えば、宇宙
例えば、サイバー

等など米国が支配している領域は、あくまでも「大地の一部と海面の大部分だけである」と言う事を考慮した場合、上記で掲げたそれ以外の領域までをも完全に支配下に置いている訳では無いと言う事が分かる筈です。

もし中国が、米国が得意としている領域では無く、米国の支配が未だに及ばない領域での効率的な戦いを確立し、米国を敵と定めて攻撃し始めた場合、米国としては中国が投入したリソースと同じだけの国力をとの領域に投入しなければ成らなくなります。(後発投資の優位は有りますが、攻撃を受けている最中の後発投資は、防衛しながら戦い方を確立しなければ成らないため、米国の背負う負担は大きなものとなると思われます)

これが一箇所、二箇所だけでは無く、複数個所の「米国の支配領域外」からの攻勢に米国が晒された場合、苦しい戦いに成る事は確かだと思われます。

もしかしたら中国にとっては、この戦い方が最も賢い対米戦略である可能性も有るのでは無いでしょうか?


★「米国に負担を押し付けろ」「世界にドルを使用させない様にさせろ」
米中対立を前提にした中国の対外投資戦略は、結局のところこの項の表題にもある様に、米国のリソースを如何にしてコントロールし自国が負う以上の負担を負わせるのか?ドルの信用を失墜させるのか?に掛かって居ると思われます。

逆に米国が中国を潰すには、自国と自国を支えてくれる国が負う以上のリソース負担を中国に追わせて、中国を疲弊させる事で、米国に逆らう愚かさを中国に教え込む事が手法として良いのでは無いか?と考えられます。


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今回で「中国は如何にして米国の包囲を突破すればよいのか」の記事を終了させて頂きます。

一応、ブログ主の見るところ、米中対立は熱戦よりも冷戦の風潮を帯び、より多くの国々を自国の側に留め置くような、また敵対勢力が混乱する様な投資合戦に成るのでは無いかと思われますが・・・

これ等の考察も、あくまでもブログ主個人の主観による考えに過ぎませんので、米中両国の指導層がこの様な考えの基で動くのかどうかに関しては断言は致しかねます。その点を御考慮の上で当ブログの記事をお読みください。

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nh01ai33 at 07:00地政学戦略

2020年08月05日

今回は、白熱し始めている米中の対立において「覇権国家である米国に対し、中国が如何にして"米国の対中包囲網"を突破するのか?」の考察をさせて頂こうと思います。

無論、あくまでもブログ主個人の見解に過ぎませんので、本当にこの通りの事象が生じているのか?また生じるのか?に関しては、確定されているモノでは有りません。それらの事を理解した上でお読みください。

さて、ついに領事館閉鎖合戦に突入し冷戦や熱戦への道筋を突き進み始めている米国と中国ですが、ここに来て「国内における生産能力」と言う点では中国優位で、「世界秩序の支配力」と言う点では米国優位と言う構図が浮かび上がっています。

これは分かり切っていた所で、第二次世界大戦以降、覇権国家として世界中の国々を支援しながらドルを流通させる事により、世界中に自国の工業力を移転させ消費地である米国との間に富の流れを構築する事により各国にドルを求める需要を作り、ドルの価値の維持を米国だけでは無く世界中の国々に押し付ける事に成功した米国。

そして1970年台頃の開国開放路線以降、国内での工業生産力を高め、世界の国々を自国の製品を売りつける市場として開拓するだけに止まった中国との違いでも有ります。

米国は、世界の貿易と経済のシステムそのものを使用し、あらゆる方向から中国を締め上げようとしており、対する中国は、中国国内での生産力の米国に挑みつつ、同時に各国への支援を通じて貿易の"元決済"を行わせる事による富の流れの構築を行う事で米国の築いた世界の統治システムに楔を打ち込もうとしているようですが・・・

既にシステムを構築している米国の優位を揺るがせるまでには至っては居ません。

中国は、この米国が築いた富の流れに対して、どの様な戦略で挑めば対抗できるのでしょうか?

幾つかの方法が考察できますが、基本的に「軍事的手法」に、もしくは「経済(資本)的手法」の二点に絞られると考えられます。(またはその混合です)


★軍事的手法による米国への干渉
まず中国が考慮する軍事的手法が「米国の影響下にある地域への軍事的干渉」です。

これには幾つかの地域が挙げられ、主に「米国の裏庭である南北アメリカ大陸」、二つ目は「ユーラシアの両端で米国との軍事的同盟関係にある欧州と日本等の先進国」、三つめは「米国が世界の海洋を守るために拠点を置く海洋沿岸の途上国諸国」、四つ目が「米国が資本投下している途上国」の主に四点が挙げられます。

南北の米州に関しては、この地域に介入する勢力に関しては、どの様な国家が勢力を伸ばそうとしても米国が容赦なく潰してきた過去が有り、また中国から離れすぎていることから、軍事的な干渉に関しては絶望的としか思えません。

欧州や日本の様な先進地域に関しては、欧州はともかく日本に対しては、軍事的な圧力を掛ける事は可能と思われます。・・・が、日本の国家としての能力が「隣接する大国の足りない部分を補完する」と言う機能が特化している事を考慮した場合、日本に対して軍事的な圧力を掛けて、日本国民の民心を米国側に追いやってしまうよりは、日本国民に寛容に接して歓心を抱いてもらった方が遥かに中国の国益に成ると考えられますので、欧州と日本の先進地域に対して過剰な軍事圧力を掛ける事は無いと考えられます。
ただし日本の様に侵略経路の提供戦略を国是としている様な国に対して、「日本が"米国に対して利用する圧力としての中国の軍事能力"を忖度した行動」を取れなければ、日本国民はともかく日本の政治家の心証を良くする事は出来ないと思われますが・・・

中国が直接的に軍事圧力を掛ける事で米国を圧迫そうな地域は、「海洋を通じて世界と貿易をしている沿岸諸国」と「米国が資本を投じている国」ぐらいですが・・・、そもそも世界の海洋を米海軍が治安維持を行っている現状から、中国の様な米海軍に劣る戦力と戦力維持力しか持てない国では、米国の海軍力を突破しこれらの国々に対して圧力を掛ける事は叶わないと思われます。

海洋に面してない遠方の国に対しての軍事的な脅しに至っては、そもそも一定数の軍事力を贈り維持する事さえ不可能ですし、中国に隣接している国に対してその様な行為を行おうものなら、多くの国々を米国側に追いやり、米国側の勢力拡大を確固たるものにしてしまう恐れが有ると考えられます。

そのため少なくとも純粋な対米の為の軍事圧力に関しては、成功する可能性は限りなく引くため、行うべきではないと言うのがブログ主の考察となります。


★軍事的手法による米国以外への干渉
では米国への敵対的軍事アプローチに限界が有るとすれば、「米国以外の国々に対して軍事的なアプローチを仕掛け、侵略なり併合なり中国に吸収する事によって国力を膨張させ、いずれ米国を越える力を得て米国の築いた世界の統治システムを打破する」と言う可能性も考慮する必要が有ります。

これを行う為には、米国が軍事的に防衛する必要が無いと認識している地域に対して行う必要が有りますが・・・、海洋を通して自国の安全保障を確立している米国を見れば、圧倒的に限定された地域となってしまいます。

この対象に入る地域や国は、「ロシア」と「ロシアの影響下にある中央アジア諸国」と「一応、南アジア」の三地域ぐらいと考えられます。

ロシアに関しては、且つて米国と世界の覇権を掛けて争った勢力で、現在でも軍事的には核戦力を有し、米国に対してモノを言える国と成っています。ただし、核戦力を有していることから中国に対しても核戦術を行使できる能力を有しており、この事から中国と言えど経済力で圧倒しているとは言え軍事的アプローチを実行できるわけでは無いと考えられます。

ロシアの影響下にある中央アジアの国々に関しては、これらの国々に対して軍事て圧力を加えてどこか一国でも中国の勢力に吸収したとしても、怖れを抱いた国々がロシア側に走る可能性も出てしまい、潜在的な敵国であるロシアを強化してしまうと言う本末転倒な状況を招く恐れもあるため、現実性が有るとは言えません。たとえ成功したとしても漢民族とは別の民族を中国内に招く事を意味しており、中国を更なる不安定な状況下に置いてしまう恐れが有るため現実的とは思えません。

では、一応、南アジアに関してはどうなのか?と言うと、この近辺に対して侵攻を掛けたとしても米国やロシアの安全保障に対して直接的に影響を与える事が無いため大丈夫そうに見えない事も無いのですが、経済的な影響を通じてインド洋圏を不安定にさせてしまう恐れから米国の介入を招く恐れは否定できません。また南アジアから中東にコマを進めてしまうと、ドルを支えている中東諸国に行き着いてしまうため、やはり米国の干渉を招く恐れが生じてしまいます。

仮に中東まで進出しなくても、そもそも南アジア諸国は、インドを含めて人口大国が多く、これらの国々を吸収しても圧倒的人口に対しての統治に割り振るリソース負担を考慮した場合、穏健な統治を行う前提では吸収併合する必要性が感じられません。

ただでさえ中国国内の少数民族弾圧疑惑で世界から疑いの目を向けられているのですから、安易な軍事侵攻を仕掛けて不安定な地域を吸収する事による国力の低下を考慮した場合、今現在置ける軍事的侵攻を伴う強制的な併合は、現在の中国の国益に沿う事には成らないと思われます。(米中の対立が本格化する前に小国を併合する程度であれば、国益になった可能性は有りますが、現在では無理だと思われます)

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以上を持って「中国は如何にして米国の包囲網を突破すればよいのか!?」の前編である軍事編を終了させて頂きます。

今回の考察記事は、長い記事となりますので、前後編のに分割となります。
次回は、後編である投資編となります。

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