2019年09月30日

ボルトン解任で見る米国のアジア戦略

今回は、米国のジョン・ボルトン大統領補佐官が国家安全保障問題担当の役職から解任された事から発生する、米国のアジア政策の転換に関する考察となります。

ジョン・ボルトン大統領補佐官は、米国において安全保障関連の助言をトランプ大統領に行っていた戦略アドバイザーです。彼の敵対勢力に対しての態度は、イランに対しても北朝鮮に対しても基本的には徹底抗戦を主張していました。

これは以前からアジアから撤収しようとしていたトランプ大統領の態度とは相いれないモノが有り、恐らくはこの政策の違いにより今回の解任劇に繋がったモノと思われます。

表向きは、ですが・・・


★トランプ大統領とボルトン補佐官の違い
ブログ主自身、今回のボルトン大統領補佐官の安全保障問題担当からの解任は、マスメディア等が面白おかしく煽っている様な「トランプ大統領との間で何らかの確執が有って行われたモノ」では無いと考えています。

トランプ大統領とボルトン補佐官の「米国に安全保障を脅かす敵対的な勢力に対する態度」を見た場合、


中国に対しては
トランプ大統領は、礼儀正しい「強硬姿勢」
ボルトン補佐官は、「強硬姿勢」

シリアに対しては、
トランプ大統領は、「関わり合いに成りたくない」
ボルトン補佐官は、「強硬姿勢」

アフガ二スタンに対しては、
トランプ大統領は、「撤収したい」
ボルトン補佐官は、「撤収するな」

イランに対しては、
トランプ大統領は、「及び腰」
ボルトン補佐官は、「強硬姿勢」

北朝鮮に対しては、
トランプ大統領は、「強硬姿勢」から「友好を結ぶ」に変化
ボルトン補佐官は、「強硬姿勢」


となっており一見強硬な態度を表明しているトランプ大統領は、中国対策以外から撤収したがっていたのに対して、ボルトン補佐官は本気でこれらの問題に関わり圧力を掛けて行くべきだとの強硬的な態度を表明していました。

ですが今回のボルトン氏の安全保障問題担当解任によって、米国は本格的に対中問題以外から手を引く態度を示す事になったのです。

そもそもボルトン氏が安全保障問題の担当になったのは、ボルトン氏以前の安全保障問題担当のアドバイザーが、米国に敵対的な国に対して寛容な政策を打ち出していたためで、このやり方では解決する事が出来ないと考えたトランプ大統領の肝いりで、ボルトン氏が安全保障問題担当になったと言う経緯が有ります。

そしてボルトン氏が安全保障問題担当のアドバイザーに就任してからと言うもの、トランプ大統領は敵対的な勢力に対してかなり強硬な態度をで接し、敵対的な勢力に対して「米国には勝てそうに無い」との認識を与え、米国に対して敵対する姿勢を改めさせる事に成功してきました。

例えば北朝鮮などそうですし、中国も現時点では米国の軍事力に太刀打ち出来ない事を理解し、表向き居丈高な物言いをしても実際の軍事行動に移さない事でその態度表明としています。

これによって米国は当面の敵対的な国との国家間バランスを調整したと考えられます。

つまりボルトン氏が解任された理由は、大統領との不仲では無く、純粋に米国の首脳陣が「地政学的なバランスの変化」から強硬から寛容な政策に変えた方が良いとの認識を有したからだと考えられるのです。


★アジアの事はアジアにやらせようとするトランプ大統領
上記の事からトランプ大統領は、米国と敵対する力を持つ中国のみを対象とした安全保障政策を展開しようとしているように思えます。

しかしこれらの「中東のように、関わり合いを持っていた国から引く事」と「関係が悪かった北朝鮮ような国と有効的な関係を持とうとする事」は、その全体の流れをコントロールできれば、中国を含むアジア各国に対するバランシングとして機能する可能性が有ると考えられます。


まずシリアからの撤収やイランとのかかわりの希薄化が生ずれば、泥沼の中東情勢に関わり合いに成らずに済みますし、中東が混乱して現地からのエネルギーの輸出が滞れば、中東にエネルギー安全保障を頼っている国は、米国を始めとするエネルギー輸出国にラブコールを送る事になります。

またアフガンから撤収すれば、軍事負担を減らす事が出来ますし、イランや中国に近いどう違混乱になれば、イランや中国がこれに介入する可能性も有り、そうなれば両国の軍事リソースをアフガンに投入させる事も可能となります。

もしアフガン政策でイランと中国が異なった価値の下で動けば、両国の間で亀裂を産み出す事も出来るかもしれません。

更に北朝鮮と関係を改善する事に成功すれば、北朝鮮を「中国とロシアの安全保障競争」のカードとして使用し、米国の世界戦略に利用できるようにもなります。

更に日本、台湾、フィリピンに米軍を増強させている現状を見れば、今回のボルトン氏の国家安全保障問題担当から解任は、米国が「積極的にアジア諸国に圧力を掛けるのでは無く、アジア諸国がどの地域に進出するのかのリソースコントロールを行う事で、バランシングを行おうとしている」と見なす事が出来るのです。


--------------
以上が国家安全保障問題担当のボルトン氏の役職解任から推察できる、米国の地政学戦略の一考察を終了させて頂きます。

上記のようにアジア各国をユーラシア内部の事に関わらせる目的を持った意図が有るのであれば、今回のボルトン氏の解任は文字通り方針の変更と言えなくも有りません。

とは言え、当ブログで書かれている事はあくまでもブログ主個人の見解に過ぎませんので、もしかしたら間違いなどが有るかも知れません。それらのリスクを前提の上で閲覧してください。

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