2019年10月15日

北朝鮮のミサイル外交

今回は、北朝鮮の核兵器、特に「核ミサイルをいかにして外交に利用しているのか?」に関する考察となります。

北朝鮮と言えば、米国との交渉が始まってからミサイルの発射は抑制していましたが、ここ数か月の間再びミサイルの試射を乱発し始めました。

予てより「北朝鮮の弾道ミサイルは、純粋な軍事目的では無く、外交交渉目的で行っている」と言われています。これを示すかのように、ここ数か月に発射されているミサイルに関しては、技術的に難しいモノも有りましたが、飛距離に関しては軍事的技術訓練目的の試射としての価値は見いだせません。

このため外交目的のミサイル発射であるとの評価は正しいモノであると言えます。


十年以上前では、北朝鮮の核ミサイル技術は、核弾頭とミサイルは別々で実験されており、それ自体が周辺国に対する技術的恫喝としての効果は薄い状態でしたが、ここ数年の間で飛距離を拡大させ、ついには北米にまで届くミサイルを開発する事に成功し、米国と外交交渉を行うまでになりました。

最も結果に関しては、米国の圧力外交に対抗できず、譲歩を引き出す事は出来ませんでした。

ですが、米国の世界戦略における主敵がロシアや中東勢力から中国に変化してゆく過程で、中国に領土を接する北朝鮮の価値が米国内で高まり、現トランプ政権ではあれほど北朝鮮に圧力を掛けていたにもかかわらず、寛容な態度を取るようになったため、ミサイル技術に磨きを書て来た北朝鮮の方針は、地政学的に見れば必ずしも失敗では無いと言える状況に成りました。


更にここ七月末頃から打ち上げているミサイルは、今までのモノとは違い米国の技術が使用されているのでは無いかと言う疑いまでもが提起されており、その技術の出どころを考慮した場合、現在の北朝鮮のミサイル発射がどの様なメッセージ性を有しているのか多様な推測を産み出す原因と成っています。

以前当ブログでは、「韓国を中国側に追いやり、日本との関係をある程度の改善に導く目的も有るもの」として見ていましたが、10月に入り中距離ミサイルの試射を行った為、追加の考察を考えざるを得ない状況となりました。

以下に述べるのは、以前考察していた当ブログでの北朝鮮のミサイル発射の考察リンクと現在の北朝鮮の立ち位置の変化に関しての記事となります。

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下記のリンクの最後で「北朝鮮が、韓国を中国サイドに追いやる意図」の考察を展開しましたが、もし米国から流れた技術を基にミサイルを発射しているのでしたら別の考察も成立します。

関連リンク

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★ミサイルの距離と北朝鮮の外交
北朝鮮のミサイルを利用しての外交は、二つの目的が予測できます。

まず第一に、純粋に「軍事技術の研磨」を目的としたモノです。軍事技術が高まれば高まる程、軍事独裁国家でも有り、大国の緩衝地帯にある北朝鮮は自国の国土と軍事力を高値で周辺国に提供する事ができますし、他国に対しての恫喝にも利用できます。

大国に囲まれており安全保障的にも軍事力に多大な国家リソースを投入せざるを得ない北朝鮮としては、軍事力と言うモノを利用し如何にして国家の国益に繋げればよいかを考慮しなければならず、その意味では納得できる生存戦略であると言えます。

第二に、核弾頭と長距離ミサイルと言う大量破壊兵器にも成り得るモノを利用しての敵対勢力と同盟勢力に対するメッセージ発信です。

これは北朝鮮だけでは無く、極東の国々の全てに言える事ですが、米中露と言う巨大な三大国に囲まれているがゆえに、そのどれが一国でも敵に回す事が憚られてしまい、そのため直接的に安全保障上の同盟に影響を与える様な断定的行動を行えないため、迂遠な方法で相手に真意を伝えなくては成りません。

そして北朝鮮にとっては、その手法がミサイルの射程距離を利用しての「周辺国に対して安全保障に危機的意識を自覚させ北朝鮮に対して何らかの行動を起こさせる対応を誘発させる」と言ったモノなのです。

例えば、地球の裏側にまで届く超長距離ミサイルを打ちまくっていた時は、米国本土に届くミサイルに危機意識を覚えた米国が対北朝鮮外交を活発化させました。

中距離ミサイルの場合は、米国は安心しますが日本などが危機的意識を抱いてしまいます。後に日本に届かないミサイルしか撃たなくなれば、日本としては「北朝鮮は日本と敵対しようとしていない」と言う意図を有し、その様な考えを日本に持たせる事に成功すれば、北朝鮮としては日本と交渉事を進めやすくなります。

現在のように短距離ミサイルばかりを打ちまくれば、その射程距離に重要都市を持つ中国・ロシア・韓国は安全保障に危機的意識を持ち、北朝鮮を何とかしなければ成らないと思う様になる事でしょう。

これ等を「その時の国家間のパワーバランス」や「外交的な同盟関係」を意識した上で行えば、「どの国が利益になるか、不利益に成るか否か」に影響を与え、ひいては極東の国家間関係を変化させる事も可能になると考えられます。


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以上を持って「北朝鮮のミサイル外交」の考察を終了したいと思います。

なお当ブログで述べている事は、ブログ主個人の見解に過ぎませんので、間違いなどが有るかも知れません。その様なリスクを御理解の上で閲覧してください。

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