2020年06月05日
大国の解体のリスク!?【中国編】
今回は大国の国家解体に関する考察となります。
取り上げる国は「中国・ロシア・米国」となります。
今回の考察は短絡的な「中国気に食わない」と言う感情からでた考察のつもりは無く、米中露の大国として構成しているいくつかの要素が、結果的に大国が大国として成立し続け難い状況を構築してしまっている事に関しての考察となります。
とりあえず三大国を取り上げて考察させていただきますが、今回は、まず中国を取り上げさせてもらうと思います。
★中国の崩壊リスク
まず中国と言う国家を想像する時、どの様なイメージを抱くでしょうか?
人口大国
経済大国
軍事大国
広大な領土を有する国
いくつもの国に接している国
「圧倒的な人数の漢民族」と「その他の少数民族」の国
国内に多様な自然環境を有する国
等などの事を思い浮かべると思います。
実は取り上げたこれらの事は、国家が巨大な大国として存立するのにマイナス要素となる組み合わせに成っています。
大国である事自体がマイナスに成るわけでは有りませんが、中国の様に、多民族国家である事、多くの国と国境を接している事、そして極端で多様過ぎる自然環境を有している場合などの要素が揃うと、大国である事自体が、巨大な国土を有している事自体が、国家の命数を縮める要素と成りえる可能性も有るのです。
①大国である事の弊害
まず大国である事の弊害とは何なのでしょうか?
簡単に言えば、周囲の国から見た場合、大国であると「どの様な目で見られるのか?」と言う事です。
大国の国民であるとあまり意識する事は有りませんが、その大国の周辺国の住民にしてみると「大国の存在自体が自国の命運を脅かす可能性のある存在」としての感情を少なからず抱いてしまいます。
つまり潜在的な敵性国家としての可能性を意識させてしまうと言う事です。これが中小国同士の敵対関係であった場合、戦争したとしても自分達の努力次第で相手国を追い返す事が可能となります。ですが相手が大国であった場合、抗えない存在として常に脅威を抱いてしまう事になります。
そうなれば、大国の周囲にある国を、自国の生存を企図した「大国のライバル国との関係強化」を意図させてしまう事でしょう。
結果的に大国である事自体が、自国の周囲にある中小国を、自国のライバル国の陣営に追いやる可能性が増大させてしまうのです。
②広大な領土である事の弊害
第二の弊害として挙げられるのが広大な領土です。
広大な領土を有していると、「膨大な資源を確保できる事」や「多くの人口を養える事」と言った利点を挙げる事が出来ます。
ですがそれ以上のマイナス要素も考えられ、それが「国境線が長く隣接する国が多い事」や「国内の流通にも時間が掛かる事」です。
国境線が長く隣接する国が多ければ多い程、潜在的な敵性国家が多い事を意味し、その潜在的な敵の行動に対処する為の準備費用がコストとして国家財政に圧し掛かる事になります。
また国内の流通に時間が掛かると言う事は、端から端までの人やモノの移動にコストが掛かる事を意味しています。
僻地に住む人に関しては、物流インフラ等の恩寵を受け難いと言う事は致し方ないのですが、国家を構成している国民を養ったり、国境を実効支配と言う形で画定させている人達に「僻地に居るのだからモノの値段が高くなるのは仕方ない」と彼らの生活コストを必要な犠牲として切り捨ててしまうと、住み難い土地に住む人が少なくなったり、国境警備等の職務に好んで就く人が少なる成ってしまうため、彼らが被る負担を他の国民全員に割り当てはやむを得ないと考えられます。
当然その負担が国民が耐えられないものであった場合、国力の低下や国民の不満の爆発にも繋がるため注意が必要となります。
また資源が多く産出されると言っても、その資源に依存して、資源に頼らない産業を構成する技術開発を疎かにする「資源呪い」に掛かってしまう可能性も有ります。
同時に人口が多いと言う事は、いざと言う時に統制する為の対象が大勢いる事も意味しており、国民を混乱し暴動が生じる様な危機的状況になった場合、対処コストが増大する事も意味している。
③多民族国家である事と多様過ぎる自然環境を有する弊害
第三の弊害である「多様過ぎる自然環境」と、その「自然環境から派生した多様な民族が一つの国家に並列して生きている事」も国家解体を考察する上で非常に重要な要素と言えます。
多様な自然環境が有ると言う事が素晴らしいように思う方も居るかもしれませんが、逆に言えば一つの自然環境下で整えられている社会基盤を他の自然環境下の社会の下で代用できない可能性も有り社会の維持にコストが掛かる恐れが生じます。
例えるならば、「砂漠の国」と「雪国」と「南国の島」では、そこで営まれる社会も同じモノには成りませんし、インフラストラクチャも別々のモノに成ってしまいます。
砂漠の国であれば砂塵、雪国であれば豪雪、南の島であれば降雨などの自然環境が有り、それらの自然環境に沿ったインフラが必要となります。
そして砂漠の国で培われたインフラ技術を雪国や南の島で、そのまま丸々使用する事は出来ないため、雪国や南の島で使用するインフラストラクチャは、一からとは言いませんが新たに開発しなおさなければ成らない事になります。これが開発コストや運用コストの増大に繋がると考えられます。
さらに多様な自然環境が有ると言う事は、そこで暮らす人々の社会も多様なモノにならざる得ません。このリスクは「自分達が暮らしている社会と他所の自然環境下で成立した文明社会が別のモノに成ってしまうため、価値観さえも別々のモノに成るため、統一国家に必要な統一された価値観が有せない」と言うモノで、最悪国家の独立や分裂をもたらす可能性が生じてしまいます。
★中国の悪循環のコスト上昇
上記の事を考慮の上で現状の中国はどの様な状況にあるのでしょうか?
第一に、中国は大国であり周辺諸国の全てと領土問題を抱えて実際的にも潜在的にも敵は多い。また国境線が長く。そして世界最大の陸軍国であるロシアと国境を面している。
第二に、コロナウイルス拡散問題で世界中から恨まれている可能性あり
第三に、国土が大きいが人口に対して資源量は少ないため、近年に入りエネルギーや食糧を輸入に頼っている。
第四に、東部は海に面しており海運や水運の恩寵を受け低コスト物流の恩恵を受ける事が出来るが、西部の山岳地帯はその恩寵を受ける事が出来ない。
第五に、中国を構成する民族の主力である漢民族の大部分が沿岸部や沿岸部に直結した河川地域に住んでおり、それ以外の民族は内陸部・北部・山岳地帯に住んでいる。そして漢民族とそれ以外の少数民族の生活水準には、物流コストの為かは分からないが明確な差が存在している。
最後に、中国は中国共産党政権の独裁権力統治体制が確立されており、基本的に漢民族を優遇している。
総合して見ると、大きすぎる国土の為に維持統治コストが以上にかかるにも拘らず、中国共産党の独裁体制で漢民族優遇統治を行い、一部の他民族を不遇な状況に置いた統治下体制を確立させ、また周辺諸国の多くと対立しており、国内外に潜在的な敵を多く抱えてしまい、治安維持のためのコストが非常に高い状況と成っている。
また世界中に白眼視されているにも拘らず、世界中の国々から恨みを買うかの様な行動ばかりを行い更に敵を増やしている。
だからと言って外部に敵を作らなければ、国内の引き締めが上手く行かず、国内を引き締め目的で少数の民族を弾圧すればするほど、諸外国に中国の危険性を抱かせ潜在的な敵国を増大させてしまう。
正にコスト増大の悪循環である。
★中国は分裂した方が安定する
正直このままでは、治安維持や安全保障や社会維持保障に掛かるコストが大きくなりすぎて、これらのコスト上昇幅が経済成長率を超えたあたりから、中国国民が地獄のような苦しみを味わう事になると思われる。
そうならないためには、とっとと分裂してそれぞれの地域で独立した国家を興して再出発した方が良いと考えられる。
ブログ主が考えるのは、「西のチベットとウイグル」を独立させて、代表的な民族問題にけりを付ける。
また東北地域(満洲)を独立させて最大の脅威であるロシアとの間に緩衝地帯を作る。
これを行い古来の中国と呼ばれた地域のみで、中国を再構築させれれば、国境線が半分以下になり、発展が遅れて統治コストが掛かる地域を切り捨てる事が出来るため、国政に掛かる負担は減る事になると考えられる。
緩和されたり供給リソースは、最も人口が集中している中原や沿岸部に集中投資し、より効率的な経済成長を目指す事が可能となる。
と言う政策を行えば、分裂しながらも中国はある程度の規模に縮小して生き残る事が出来ると考えられます。
この考えを発展させれば、チベットとウイグルの二地域は無理だとしても、「中国本土と満州当たりは、分裂対立したフリをして出来レースの争いを行い、米露からお目溢しをして貰い国家の安定を図る」と言った戦略も中国の行う生存戦略の一つに数えた方が良いと思います。
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以上で「大国の解体のリスク!?【中国編】」の考察を終了したいと思います。
次回は、米国とロシアと他にもう一つどこかの国を例に出して考察しようと思います。
なお当ブログに書かれている事は、あくまでも個人の見解に基づいた考察であるにすぎません。間違いや妄想であるリスクを前提の上で閲覧してください。
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