2020年08月26日

日本の対米・対中戦略は矛盾だらけ【八月の終戦記念イベント考察】

今回は、日本の国家戦略における"矛盾"に関しての考察となります。

"矛盾"と言っても、「日本の国家戦略は矛盾している」と言う事では無く、「日本は、"矛盾"を国家戦略に活用している」と言う意味で考察を行っています。

矛盾と問えば、古代中国において「どんな盾も突き通す矛VSどんな矛も防ぐ盾」の故事から生じたモノで、「相反する事が同時に生じた時、その事柄や事象はいったいどうなるのか?」を論じた論理思考と成っています。(さすがに知らない人は居ないと思うので詳しい説明は、省かせていただきます)

では、矛盾の戦略活用とはいったい何なのでしょうか?


★「現状」と「作られた戦後の認識」
では矛盾の戦略利用とは、いったい何なのでしょうか?

ブログ主が考えるに「現状の地政学的な国家バランスから生じる対立の負担」と「歴史認識」から生じる「日本の近隣諸国が捏造された正当性を維持する代わりに、国益を失う構造」を指しています。

では「国家間のバランスと対立負担」と「歴史認識」とは何なのでしょうか?

米国と中国とロシアの日本周辺の三大国は、裏ではどの様に考えているのかは分かりませんが、表向きには第二次世界大戦に関しては、「犯罪的な侵略国家である日本に対して誅を下した正義の戦争である」と言う認識を表明しています。

確かに「勝者こそが正義であり、敗者こそが悪である」と信じ込みたい人間の弱さと言うフィルターを通して見た場合は、確かにそういう認識が成立します。

ですが慣習国際法の特に発見法から見た善悪を基準にした場合、必ずしもそれら戦勝国の認識は正当とは言えなくなります。

これは当ブログで以前において記事にさせて頂きましたのでそちらを参照してください。

関連リンク
シリーズ:神と法と宗教
シリーズ:国家戦略を行うに当たり日本は犯罪をしているのか?

上記のリンクを確認して頂ければ、「現在の日本を含む諸国で信じられている人道的視点から認識している善悪」と「歴史と文化社会を超えて人類が普遍的に抱いている善悪の認識」の二つに違いが有る事が分かります。

その乖離を前提に日本周辺国家の歴史認識を考慮した場合、これ等の国家は歴史の捏造によって「身勝手な歴史認識から生じる日本国民に嫌われるリスク」や「慣習国際法から発見される人道的見地から最終的に決定される善悪認識から生じる国際的な国家イメージの下落」等の可能性が常に潜んだ状況にあると言えます。

関連リンク

その上で、当ブログで述べている(上記リンク)「日本の米中露三大国に対しての侵略経路提供」を見た場合、「日本は邪悪にであるので、軍事力は持たせない様にしよう」と言う認識を基に日本人に行わせた低軍備政策が、結果的に日本に国土防衛させずに「日本の周辺諸国に日本を侵略させる可能性の上昇させてしまう事」や「日本が率先して周辺国に侵略経路を提供させ、それに危機的意識を抱いた他の大国に軍拡競争を誘発させる」と言った諸々の事象を行いやすい状況を確立させてしまっていることが分かります。

この「自国を正義として発信する事による国家国民の自尊心の満足感」と「日本を経由して侵略して来る他の大国への対安全保障防衛の負担」が、日本周辺諸国に「何方かを立てれば、何方かが立たない」矛盾した状況を押し付ける材料として機能している事が分かってしまうのです。


★真実を語れば良くなるわけでは無い
上記の矛盾から生じる負担を考慮すれば分かると思われますが、米国などはこの負担から解き放たれようと「真実の歴史と認識」を暴露して日本国民の歓心を買う事で日本との同盟を強固にして負担を被らない様にしようと言う行動を取る事も予測されます。

ですが現状の大国間のパワーバランスと日本の他の大国の足りない部分を補完する国家としての能力(信用や技術)を考慮した場合、そして日本の求めている事が「真の歴史の認識」では無く、「国家間のバランスをコントロールしたまま疲弊させる事」が目的だった場合、真実を明らかにしても日本がなびかない可能性も有ります。

その可能性を考慮した場合「真の邪悪は貴国(米国)だったのか!」と言い、米国を許さずに敵対される可能性もあり、そのリスクを考慮すれば安易に「日本こそが真の正義の国だった」等と言う事は、言い出す事が躊躇されてしまうのです。

この事から、結局自分達が日本に押し付け、国際社会全体で信じ込んでしまった「一時的に自分達に都合の良い歴史認識」を続ける事で、米中露の三大国が共に軍拡チキンレースに邁進し、全世界に軍拡による通貨発行バブルの膨張と崩壊による経済破綻のリスクを常に維持すると言う、日本の「天下三分競食の計」を続ける事態に陥っているのです。

★八月の「戦争の記憶を忘れない各種イベント」
この事から、日本が戦後から続けている、毎年八月の終戦記念日前後に全国一斉で行われる「戦争の記憶を忘れない様にする各種イベント」は、何も戦争の悲惨さを忘れない様にしたり、自虐史観の為だけに行っている訳だけでは無く、

例えば、中国には「日本は邪悪な国だから何をしても良い!」と言う気分にさせて、「日本に侵略する事は悪い事では無い」と言う認識を植え付け、対米戦線に引きずり込む情報戦略として利用している可能性や

例えば、米国には「日本が真面な安全保障整備が出来ないのは、米国が日本を邪悪な国家であると言う歴史認識を捏造し定着させたからだろ! 米国が国命を掛けて責任を取って対中戦線の矢面に立て! じゃなきゃ沖縄を無防備状態に置いて実質的に中国に売り払うって米国への侵略経路にするぞ!!!」とか「米国にやられた事は絶対に忘れません!」と言うメッセージを送っている可能性も十分あるのでは無いでしょうか?

この様に考えると、日本で毎年行われる八月の戦時を思い出すイベント各種は、中国や米国にとっては、「日本が起点になって米中のナショナリズムを煽ってくる"厄介な月間"である」とも言えるのでは無いでしょうか?

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以上を持って「日本の対米・対中戦略は矛盾だらけ」の捏造された正義から発生した矛盾を日本が如何にして戦略利用しているのかの考察を終了したいと思います。

例によって考え過ぎなのでは無いかと思える様な推測なのですが「日本の地政学的な環境から推測できる戦略を考慮した場合、必ずしも可能性はゼロでは無い!」と思えましたので、この時期のネタと言う点で記事にさせて頂きました。

なお当ブログで書かれている事は、あくまでもブログ主個人の見解に過ぎません。間違い等が有るかも知れませんので、閲覧者様方もそれらの可能性を御考慮の上で閲覧してください。

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