2020年09月17日

安倍政権を振り返る2(外交・領土問題)

前回「安倍政権を振り返る1(スキャンダル)」の続きとなります。


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②外交・周辺諸国への対処と国内領土民族問題
ココでは安倍政権における周辺諸外国に対しての外交政策に対しての評価を考察させていただきます。

・安倍政権における対韓国外交
まずは最も近い隣国にである韓国に対しての安倍政権の外交ですが、保守層から韓国に対して厳しい対応を取っていると思われているイメージが先行してはいますが、ブログ主が見るところあくまでも国際慣習に置ける礼儀や安全保障に反する行いを行った時に最低限批判する程度の対応を取っているだけで、率先して安倍政権から政治的に又は経済的に韓国を攻撃している訳では無いと言う点を強調させていただきます。

つまり裏ではどの様に考えて対応しているのかは分かりませんが、表立っては安倍政権は韓国との関係を殊更悪化させようとはしていないと言う事です。

また「いわゆる慰安婦問題」や「いわゆる徴用工問題」に関しても同様です。

双方共に朝日新聞を始めとする左派マスコミと保守言論人が対立する形で散々韓国の反日感情を煽る情報発信を行ったため、日韓関係の改善は未だに至ってはいませんが、安倍政権が国際慣習に反する事は行ってはいません。

安倍政権も意図的にかどうかは分からないが、巷に溢れている風分と合わせれば、「非人道的な労働強要を政府主導で行った」とも読み取れる対応を行っているため、韓国人から見れば「日本政府も且つて朝鮮半島の人達に対して酷い事を行った事は否定してはいない」と解釈できてしまっているだけです。

最も、その真逆な解釈も可能な公式発言も同時に行い、国内の保守層と韓国人に誤解を与る事による日韓の感情対立を増大させ、日韓関係を民心レベルで回復不能な状況を確立させる事に成功したこと確かです。

これを当ブログで述べている戦略レベルにおける環境整備として見た場合、米中露の三大国が激突した時、朝鮮半島が紛争地域に成る可能性が増大する事を予測した「巻き込まれ回避」の口実作りと言う視点で見れば、見事な成功と言えるのでは無いでしょうか?

また「いわゆる徴用工問題」や「いわゆる従軍慰安婦問題」の銅像設置に関する対応も、韓国に国際法破りの状況を常に行わせる事による「いざと言う時の大使館や領事館の退去を正当な方法で行える環境を維持」と言う視点で見た場合、良い対応だと考えられる。(在韓邦人の皆様もこれらの韓国リスクを考慮の上で韓国で暮らしている事でしょう。リスク管理できてないのであれば、おめでたい思考回路だと言わざるを得ません)

そのため地政学的な生き残り戦略の環境整備面で見れば、安倍政権はマスメディアや一部言論人と結託して、朝鮮半島における紛争リスクから距離を置く事に成功したと言えるため、まあ悪くない外交であったと言えるのでは無いでしょうか。


・安倍政権における対北朝鮮外交
二つに目取り上げる国は、日本にとって何かと喉に引っかかった小骨として認識されている北朝鮮ですが、「拉致問題」や「核開発・ミサイル発射」を別とすれば、実は日本人としてはそれ程北朝鮮に対して憂慮すべき状況には陥ってはいません。

安倍政権としても拉致や核開発・ミサイル発射以外で北朝鮮を批判する様な事は行ってはおらず、裏ではともかく、表向きでは拉致や核の問題を何とかすれば外交交渉を拒否するつもりが無い事は、現政権でも明確にしています。

理由は、米中露の三大国の騒乱が朝鮮半島で起きるとしたら、中露の両国が安全保障の為に北朝鮮を重要視するのは目に見えていますし、日本としても中露激突させるために北朝鮮を利用できるのであれば、率先して北朝鮮を援助できる状況を確立させた方が中露の疲弊を誘えるため、殊更関係を悪化させる必要が見いだせないからだと思われます。

最も安倍政権が政権奪取時にあれだけ公言していた拉致問題解決を行おうとしないのは、やはり朝鮮半島で大国の激突が生じた時、巻き込まれない様にするため北朝鮮を批判し近寄らないようするための環境整備が必要だからと思われます。

核開発やミサイル問題に対して、口では危機を憂慮しても実際の国防政策で防備の強化を行わないのは、北朝鮮にとっての安全保障上最大のリスクが中国であって日本では無い事を考慮すれば、変に日本が一石投じて混乱させるよりは現状のままの方が良いと考えて行っている為なのかもしれません。

この様に考えれば、安倍政権はきたちょうせんにたいして、殊更おかしな対応を行っている訳では無いと思われます。


・安倍政権における対台湾外交
さて台湾に対しての外交に関しては、安倍首相個人としては祝辞に肉親を送ったりして重要視している風を装っていますが、政権としてはお寒い限りの対応と言わざるを得ません。(議員個人では親台湾の姿勢を取る人は多くいますが、政権としてはその様な態度は取ってはいません)

台湾は既に中国に対する対立を明確化しているように見えますが、今後どうなるかは分かりません。特に地政学的な環境として米中に挟まれた台湾は、米中の間で自己の価値を示す事によって自国の国益を確保する必要が有るのですが、対中親米を明確化している現状で、日本まで親米の態度を明確化してしまっては、米国にとって台湾以上に安全保障上の価値のある日本を完全確保した事に安心して、台湾を軽く見る可能性も有るので、台湾の為を思うのであれば、台湾を米国側に居続けさせるための対応としての「対台湾外交で冷たい態度を取りながら中国にも良い顔をする」のは、米国に対してのメッセージ発信として悪い対応では無いと思われます。(これで米国は台湾を重要視せざるを得ません。日本が米国を裏切り中国側に付いても台湾と米国で日本を挟み撃ちにできるためです)

ただ尖閣諸島領有権問題(本来は漁業権問題)に関しては、台湾が尖閣諸島の領土問題を巻き起こし、台湾を自国領と自認する中国を巻き込んできたことを考えれば「日本を対中戦に巻き込んだ外交を行った台湾に対して、若干冷たい態度を取った」と言う解釈も可能です。

「台湾のためを考えて」もしくは「台湾に対しての意趣返し」、双方の矛盾する結論を考慮にいれても安倍政権の対台湾外交は及第点を与えても良いと考えられます。



・米中露に対してのバランシング外交と国内領土問題
日本にとって大目的と成っていると思われている米中露の三大国に対しての外交ですが、


米国に対しては安全保障上では譲らない代わりに経済条約的には、一歩引いた態度をを取り飴を舐めさせました。

同時に沖縄の基地問題で、基地の移転を中断した事に関しては、移転を中断した事による二つの基地の並列状況を「沖縄の混乱を引きおこし中国が琉球列島近辺で活動しやすい状況を作り出した」と見なすのか、逆に「いざと言う時に、二つの基地を活用できる状況を維持している」と見なすのかによって、解釈が変わってきます。


中国に対しては領土問題ではどれだけ尖閣諸島の領海や排他的経済水域に侵入しようとも反応せずに移民受け入れの拡大や経済的な結びつきの強化を行いました。

民主党政権時に親中に行き過ぎた態度を親米に戻し、安全保障的に米国傘下に納まり、米中の裂け目を広げると共に、経済的には中国を捨て去らずに、絶妙な立ち位置で生産と貿易に損害が生じない様にする事に成功した。(コロナショックは別として・・・)

その上で必要以上に悪化させない対応を行いつつ、関係改善を模索していた様な態度を取っている。それを見た米国やロシアはどの様に思うのか?を無視すれば、悪い対応では無いと思われます。

なお中国共産党政府の国内少数民族に対しての弾圧と考えられている行為に対しては、日本国内のごたごたに足を引っ張られた為なのかは分からないが、明確な態度(経済的制裁)を撃ち出してはいない。

あくまでも懸念の表明程度で、それ以上の解釈が成立する態度は取ってはいない。(これは弾圧等の完全な確証が得れていないためや、もしくは知っていたとしても確たる証拠が無いため米中露バランシングの為に中国を利用し続けたいと思って、中国に寛容な態度を取っている可能性を提示させていただきます)


ロシアに対しては、北方領土問題で引きまくって経済的にも実質上の援助を行い始めました。これでは領土問題を解決する気が無いと思われても仕方が有りませんが、そもそもロシアの侵略によって始まった両国の関係悪化ですので、平和条約を結んでいない現在なら、関係断絶による米中露のパワーバランス崩壊によるロシアの国益不利益が生じても、上げてロシア側の自業自得であると声を高らかにして言える正当性を確保している点で、安倍政権の外交は悪いモノでは無かったと言えるのでは無いでしょうか?

また近年に北海道でアイヌ問題が取り上げられ、アイヌを僭称すればアイヌとして認められ補助金を受け取れる現状は、中露のアジア系スパイを受け入れる事による「ロシアのオホーツク海に核ミサイル装備の原潜を沈め米中に対抗する聖域戦略」に影響を与える可能性上昇を意味しており、中露に対して餌を投げ与えて争わせると言う視点で見ればよい売国政策と言えます。


この事から周辺三大国全てに対して対等か若しくは引いた外交を行った事になり、実質の寛容な対応を行ったと言えます。ただし、寛容な対応を行ったとは言え、現状の三大国のバランスと紛争リスクを考慮し国内領土問題を同時に見た場合「米対中」「米対露」「中対露」の全てにおいて紛争リスクを上昇させる対応を行ったと言えます。

米国としても中国としても日本の外交があからさまで、日本が立ち位置をハッキリさせない事にヤキモキしているとは思うのだが、米中の双方が関係改善を考慮した場合、日本が懸け橋になってくれる可能性を残している事は、ある程度意味が有るため容認していると思われます。

その上でロシアとの安全保障の強化をする可能性を米中に考えさせる外交も展開したため、米中としては日本がロシアに走られる可能性を低下させるために、引き続き米中間が対立し講和や同盟を行わない状況を持続させるしかなかったと考えられます。

これ等の外交を考慮すれば、当ブログで述べている米中露の三大国を激突させ疲弊させる戦略の視点で見た場合、外交面では比較的安定した結果を残したと評価できる。

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以上を持って領土問題や外交面から見る安倍政権の対応を考察させていただきました。

当ブログで述べてい大国に侵略経路を提供する事による軍拡を煽り疲弊させる戦略を考慮した場合、日本の行っている事は、あからさますぎて笑えないのですが、そもそもこの様な戦略を大手を振って実行できてしまう状況(第二次世界大戦敗戦における冤罪の擦り付け罪悪感を抱かせたことによる自虐史観から発生する軍事的無防備との領土売国推進の状況)確立を日本に対して押し付けた事から、今更日本は悪くなかったと言えない周辺諸国なのでした。

この様な前提状況が最初からあった事を考慮すれば、別に安倍政権でなくても同じような外交的成果を上げる事が出来たのかもしれません。

現状では、安倍氏の政権担当時にこの様な外交を行えたのですがから、ブログ主としても安倍政権の功績と言わざるを得ません。


次の記事は、「安倍政権を振り返る」の国内政策に対しての記事となります。

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