2017年07月27日
超簡単な地政学基礎4回目
前回の続き「なんちゃって地政学の基礎4回目」
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⑮但し、国力や技術力の格差や発展も考慮せねばならない。
かつて蒙古襲来が起こったとき、海洋での戦いに不慣れなモンゴル軍(実態は朝鮮の軍)を水際で止めて、神風の到来によって撃退する事に成功した。これは当時、船舶での往来が非常に難しく、海と言う防壁で守れていたから持久戦が可能だったからである。
時は流れ日露戦争では、日本国は大陸への進出を行い満州地域で短期決戦を行った。これは船舶航行技術の発達により、昔より遥かに安全に航海が出来る様になったためで、「もはや海洋が必ずしも防壁に成らず、また日露両国の国力さが圧倒的に開いていたため、水際での防衛が出来ない」と判断したため起こった戦いだったと言える。
またロシア帝国が日本などが及びもつかない大国で、欧州に陸軍を張り付けつつ軍事リソースを極東に割くことで、日本を脅かせることが出来たためだ。あまりにも圧倒的な国力さから「陸軍と海軍」の双方を揃える愚行を容認できる国力があった事も、戦争の起こった要因の一つとなっていると考えられる。
ほかにも「銃の進化」「鉄道の登場」「飛行機や空母」「ロケットや核」など数々の新技術によって戦争の行われ方が激変してしまう事もある。
⑯陸上国境を持つ海洋国家は、大陸国家への変化を行わなければならないリスクを抱える。
本来大陸国家が海洋国家になる方法は、近隣の大陸国家が脅威に成らない状態にあり、海洋貿易にリソースを割ける場合にかぎる。
但し、近隣の大陸国家との友好関係が悪化すると、真っ先に陸軍を配備しなおさなければ成らなくなる。
⑰陸上国境を持たない島国は、国内が分裂したり、侵略されたり侵略したりして陸上国境を持つと、大陸国家の属性を両立しなければならない状況に陥ることもある。
島国は島内を統一すると、必然的に巨大な陸軍を持つ必要が無くなり海洋国家化しやすいが、もし島内が分裂したり、島内の一部が分離独立し敵対したりすると途端に陸軍を保有せざるをえない状況となり、財政負担が掛かってくる。
⑱国家の最大の目的は、勝利ではなく、生存である。
永遠に勝利し続ける国は存在しない。何故ならば勝利し続ける程、領土が増えれば増える程、国境線が増えて潜在的に自国を敵視する国が増えて軍事負担が増える事になるからだ。また他民族を受け入れ続け民族間の抗争リスクが多くなり、国内問題に割かれる軍事リソースが多くなる。これらの負担が最大になったとき、勝利し続けた巨大国家は音を立てて瓦解してゆくことになる。
どれだけ勝利し続けても最終的な滅びに追いやられる事になるのでは、勝利する意味は無い。そのため国家における最大の目的は、生存し続ける、生き残り続ける事である。
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これによって全4回にわたって説明した「超簡単な地政学基礎」を終了させていただく。
一応これ以外にも地政学に関する自分勝手な考察を載せる予定は立てているが、いつ頃になるかは確約できないので気長に待っていてほしい。
以上、今回はここまで!
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