2017年08月11日

地政学基礎・ハートランド&リムランド

帰ってきた地政学基礎の五回目。今回で最後です。

とりあえずは。


今回は「ハートランドとリムランド」です。




地政学用語で、結構有名です。
地図を最初に出しますと

g13ハートランドとリムランド


ハートランドとは(中軸地帯)をさします。
ちょうど現在はロシアを始めとする旧ソ連圏諸国が支配している領域ですね。


★ハートランドとは

ハートランドとは、いったい何なのでしょう。

大航海時代以来、世界は船舶による貿易が圧倒的大多数の物資流通を占め、そのため船舶の通行を保護するための海の道防衛の軍事力の整備がされてきました。結果、海洋国家の力が飛躍的に巨大になったのです。

そしてハートランドとは、その海洋国家の主力船舶等の海軍が侵入する事が出来ない、大陸深部のランドパワー聖域なのです。

ハートランド、ロシアの北部の海域はどうなっていますか?

そう!北極海です!

つまり、冬には完全に凍り付き、航行不能の海域が広がってしまうため、海岸線から川を上りハートランドの都市を、海軍戦力によって攻撃する事が出来ないのです。この海軍戦力が侵入できない大陸国家の聖域(シベリア、中央アジア等)を制圧した勢力が、古来からユーラシア大陸外円部の国々(欧州、アジア沿岸部諸国等)を侵略してきたのです。

有名な処ではローマ帝国崩壊の原因になったフン族を始めとする騎馬民族、ほかにも史上最大の国家連合を作り上げたモンゴル帝国などである。そして近年に鉄道の力を使い史上初めて北部のシベリアを含む凍土までを含むハートランド全域を一纏めにし統一した国家が約100年前の帝政ロシアなのです。

ハートランドの語源になった言葉を生み出した地政学者、ハルフォード・マッキンダーの言葉で「東欧を制する者が世界を制す」という格言が有ります。正確には「東欧を制する者がハートランドを制し、ハートランドを制する者が世界島(ユーラシアとアフリカ)を制し、世界島を制する者が世界を制す」と言うモノです。

これは東欧の肥沃な穀倉地帯を制した勢力が、生産力を武器に人口を増やし、大陸中央部の大草原に進出してハートランドを統一する。そしてハートランドを統一した勢力が後背(北極海)からの攻撃を受けないため、大陸外円部のリムランド勢力を侵略して来る。と言う考えなのです。

当時世界の海を制覇した大英帝国だからこそ、自国の防衛の為に、自分たちの手の及ばない勢力の伸長を恐れたのだと思います。中東やインドに植民地を持ち、その植民地を脅かすことのできる存在がロシアだった事が原因の理論だったとも言えます。

最も現在考えれば、穴だらけの考え方です。普通に考えても、いくら東欧が肥沃だと言ってもハートランド全域が同じように肥沃なわけでは無いのです。

寒いし。ですから東欧の生産力だけで、統合すれば自分達より遥かに大きい生産力を持つリムランド勢力を敵に回すことは不可能でしょう。

あれだけ広大な国境線です。ユーラシア大陸全体から見たら一部だけと言っていい東欧の生産力だけで、ハートランドに接する全ての国との国境に、防衛の為の戦力を維持しようとしたら、完全にリソース不足で破綻してしまうでしょう。そのためハートランド理論は、現在では時代遅れの産物となっています。

ただし、厳しい自然環境や地下資源、準軍事的に見れば侵略されても逃げる場所には事欠かないと言った、立地条件を考えれば、ハートランドを制圧した国家は非常に高い持久力のある国家となります。ですのでハートランドを制圧した勢力を軽視する事は、決してしてはいけないと思われます。

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★リムランドとは

リムランドとは、1940年代にアメリカの地政学者である、ニコラス・スパイクマンが唱えた定義です。地図を見ていただいて分かるように欧州、中東、南アジア、東南アジア、中国を統合したユーラシア大陸の外円部に当たる位置である。

この辺りは、海流や気流の関係で気候が安定しており、一定量の水の確保も可能である。農業、工業の生産や流通も活発に行われているため、古来から文化も安定し、人口も多く豊かである。

リムランド理論とは、これらリムランドの諸国が結合したり、ハートランドを支配した勢力がリムランドまで進出し巨大国家が出現する事を、危険視し排除するための理論なのである。なお第二次世界大戦以降、アメリカの国家戦略は、この「スパイクマンのリムランド理論」と「マハンの海上権力史論」を軸に展開されている。つまりアメリカの生産力と海上支配のシーパワーを武器に、リムランドやハートランドが統合されない様に、たえず干渉し続け分裂させ続ける。と言ったバランシング戦略である。


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長くなってしまったが「帰ってきた地政学基礎」はこれにて終了となります。

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