2017年08月24日
核兵器の廃絶は正しい事なのか?
今回のお題は「核兵器の廃絶は正しい事なのか?」です。
国連で7月に採択された"核兵器禁止条約"に関しての事と、8月の広島へ原爆投下された慰霊の日の事の二つの事で、またしても安倍政権が叩かれていますね。
マスメディアの「何が何でも安倍叩き」には恐れ入りますが、地政学的に国際情勢を見れない人たちは、この安倍叩きに乗せられて世論を混乱させてしまいかね無いのではないでしょうか。
ブログ主自身、核兵器は将来廃止されるのが良いとは思っていますが、現在日本が置かれいている地政学リスクの前では、とてもでは有りませんが核兵器廃止を、声高々に発言する事は出来ません。
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日本政府は、「核の傘」と「現実的ではない」と「保有国と非保有国との溝を深めかねない」等の理由により条約参加は見送られました。
前記に挙げた三点を簡単に説明しますと
≪核の傘≫
核兵器の使用を前提に保有国家同士の戦争は難しくなったので、その抑止力の恩寵を非保有国にまで広げようという考え。つまり日本を核攻撃したら同盟国のアメリカが核兵器で報復しますよと言う状況を作り上げる事である。
≪現実的ではない≫
そもそも実際に核兵器を保有している国家が、現状の優位性を破棄するはずがないと言う事です。特に核開発に国運を託した北朝鮮等がそうです。手放すはずが有りません。
≪保有国と非保有国との溝を深めかねない≫
「核保有国」と「核兵器不拡散条約派」と今回の「核兵器禁止条約派」の三者で三つ巴の対立を生んでしまうのでは無いかと言う疑惑あり。
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★現在の大国は、核があるから戦争を行わずにいられる。
現在の世界の大国同士は、なぜ大戦争をせずに居られるのでしょうか?
それは核兵器があるからです。皮肉な事に米中露の三大大国は、三者とも核兵器の廃棄を望んではいないと思います。現在の核兵器での戦争があれば、一瞬にして何千万人、下手をしたら数十億人の戦争被害者が出かねません。当然そんな大量の犠牲が出るのは容認できないと多くの人々は考えるでしょう。
実は、大国同士が戦争をしない口実としても利用できるのが核兵器なのです。と言うより現在の核兵器の価値は、その一点にあります。
もし核兵器が無くなったとしたら、人はどの様に考えるのか。「一瞬で大量死を招く兵器が無いのだから、少しばかり戦争でもやってみっか」等とバカな事を考えて短絡的な戦争を行ってしまうかもしれません。そして歴史上核兵器で死んだ人口より、一般兵器で死んだ人口の遥かに多いのです。その事実を我々は認識するべきです。
★現在、中国周辺(特に極東)はHOT!!である
現在の極東情勢は、「北朝鮮問題」「台湾有事」「尖閣&沖縄の問題」等、中国の対外膨張に関する問題で山積みです。そんな状況で、安易に戦争が出来るかもしれない状況を作り出す事が、どれほど危険であるか考えましょう。
特に日本は「琉球列島」と言う、米国から見たら中国を大陸に封じ込める壁、中国から見たら太平洋に進出するための基地、と言う機能を持った領域を押さえています。
今回の安倍政権の条約非加盟は、現在の日本の地政学リスクを考えた上での当然の態度だと思います。これに反対をしている人達(特にマスメディア)は、そこまで考えているのでしょうか?
ブログ主には、マスメディアの人達がソレを知った上で、日本を戦争に巻き込み多くの日本人を虐殺される様に誘導するため言っている様にしか見えないのです。(どっちにせよ巻き込まれる時は巻き込まれるでしょうが)
最近のマスメディアの質の低下を見ていると不安でなりません。皆さんもマスメディアの言っている事を、そのまま受け取らずに疑ってかかる事をしていきましょう。
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何にせよ核兵器がある限りこの手の議論は無くならないでしょう。しかし逆を言えば、何らかの技術革新が起き核兵器が無力化される様な事態が来たのなら……
そんな時までに大国同士の緊張状態が維持されている今のままの状態であったのならば、もしかしたら大戦争は避けられないのかもしれません。
そんな日が一日でも遠い日であることを願ってやみません。
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