2017年10月30日

天下三分割で軍拡バブルへGo!

前回の「地政学から見る日本の戦略3(後編)」の続き「天下三分割で、軍拡バブルへGo!」でお送りいたします。
今回は、日本の地政学的な戦略を、視点を世界にまで広げて見てみようと思います。日本の周囲だけを見ていては分からない事も有りますので、日本の政策が世界にどれだけ影響を及ぼすのを確認しましょう。

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★今の時代は、天下三分割の時代

世界地図を見てみれば分かります。現在の世界において、領土面積、資源、軍事力と言ったパワーを持った国々がどれ程あるのか?

カナダやオーストラリアと言った国々も小さくは無いが、人口が少なすぎる。ブラジルやインドは領土や人口は多い物の、技術力や軍事力は一歩劣る。日英仏独の四国は先進国で技術は有るが、市場や軍事で世界規模の影響を与えることが出来るほどでは無い。欧州連合は緩やかすぎる連合なので、完全に一致した意志の下で軍事力を行使することが出来るか?と言うと疑問を提示せざるを得ない。

これらの事を考えた場合、米国、ロシア、中国の三ヵ国が、陸と海の超大国。もしくは大国である。と認識せざるを得ない。特に中国とロシアは、多くの国と国境が接して居るため、純軍事的に周辺諸国に対して影響力が大きすぎる。


ココで重要な事は、この三大国が軍事的に激突もしくは緊張状態に成るとしたら、どの地域がその影響下に置かれ巻き込まれる事になるのでしょうか?

次の下手な地図をみてちょ

天下三分割


地図の見方は、

青で記された地域=アメリカ合衆国
黄色で記された地域=ロシア
赤で記された地域=中国

となり、

緑のライン=アメリカとロシアの緩衝地帯
紫のライン=アメリカと中国の緩衝地帯
橙色のライン=中国とロシアの緩衝地帯

と成っています。
なお、米国と他の二国との間のラインは、米国がバランシングする可能性の有る地域と言う意味でも使用しています。

≪米露間≫
米国とロシアの間では、ユーラシアの欧州全土から中東近辺、極東、北極海を挟んでカナダ、とこれらの地域が軍事侵攻を受けない様にする為に、影響化に置いて安全保障のための外交を行う地域となります。


≪米中間≫
米露間とは違い、極東から東南アジアの一部と成っていますが、中国が迂回ルートを使用しようとした場合、オーストラリアや南アフリカ等も入るかもしれません。(可能性は低いでしょうが……)

≪中露間≫
中露間はより直接的で、直接侵攻ルートとなるモンゴルや中央アジアの諸国が有ります。ただしこの両国は満州地域で、直接国境を接しているので、緊張状態は対米国の比では有りません。極東に関しては、中国から見たら、いかにしてロシアの核戦力の無力化し、海路の支配をできるか。ロシアから見たら、満州包囲や海路の支配ができるかが重要な地域。


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★挟み撃ちの可能性も考慮すべし

上記に挙げた以外でも、ロシアが中国との外交等を有利に進める場合は、インドとの同盟関係を結び中国を挟撃できる状況を作り上げる事が必要条件で、それ以外にもベトナムや日本との同盟も重要です。

逆に中国から見たら、ロシアとインドに挟み撃ちにされないように、インドの西にあるパキスタンや、ロシアの西にあるウクライナを始めとするヨーロッパ諸国と良関係を結んで置く事が重要です。

米国から見たら、中露の両国が、米国の隣であるメキシコやキューバと同盟を結ぶなり軍事支援を行われると、あまり良い気はしないでしょう。


★米国は、対中対露の安全保障で日本だけは直接防衛しなければ成らない。

コレは前回にも書きましたが。米国は日本列島だけは、米国戦力で守り切らなければなりません。ヨーロッパや中東の国々の一つ二つが裏切ったとしても、裏切った国に隣接する別の国と同盟を結ぶことにより、バランシング戦略を取り、大陸国家が海洋に出てこれない様にする事が出来ます。ですが日本に裏切られたり、日本列島を軍事的に奪われてしまうと、アメリカ西岸まで大陸国家勢力が押し寄せてくる可能性が高くなってしまうからです。

そのため米国は、絶対に日本を野放しに出来ないのです。

米国が、この終わりの無い軍事負担から解き放たれたければ、中露両国を滅ぼさなくてはなりません。ですがその様な事を行えば、世界中が大混乱になるでしょう。


★日本のセントラルバランシングを、米国は止められない?

かつてイギリスはヨーロッパ大陸にオフショアバランシングを仕掛けて、大英帝国と言う繁栄を築きました。米国は第二次世界大戦で旧大陸が荒廃した後に無傷だったため、世界一の超大国となりました。

大英帝国と合衆国の双方共に、欧州大陸に、旧大陸に、オフショアバランシング戦略を仕掛けて争わせた後に超大国化したのは歴史が記憶するところです。

最も安全な場所から、他国の人民を殺し合わせ自国の国益とする行為は、傍から見たら卑劣な行為として見れない事も有りません。殺し合う国々がより愚かだったとみる事も出来ますが……


日本はどうなのでしょう?

日本は島国で周辺諸国と国境を接していない為、沖合からのバランシング戦略を行っていると言えない事も有りませんが、安全な場所から血の雨を降らせるための戦略と言うのは語弊があると思えます。

何故ならば超大国の激突地帯にあり、それらの大国に比べると軍事力も低く自国を防衛できるほどは無いためです。

ですが、それらの大国に、自国以外の大国に対する直通ルートを提供できると言う特殊な位置にある事によって、防衛負担を押し付けることが出来ているのです。


★世界の大軍拡

これらの三大超大国に隣接する国家群は、どこの勢力に付くかどうかの対立で少なからず(少なからずじゃねぇ)軍事拡張競争に巻き込まれてしまいます。

巻き込まれない国は、遠く離れた南米やアフリカ、そして激突地帯のど真ん中にあるにも関わらず、米国に守ってもらっている日本ぐらいでしょう。

最も、遠く離れているからと言っても、混乱には巻き込まれるでしょう。

特に「敵の敵は味方」とか、「中立は潜在的な敵となる必要が有るので、潰した方が良いかも」等と言った考えを持つ国も有るので一切安心できないと思います。

中途半端な中立や、立場をハッキリさせないような国は、敵国だど思われかねないので日本も注意しなければなりません。


★影響される資源国のバブル

これら軍拡競争が冷戦の様に行われれば、一時的には世界中の景気が有る程度は、回復するかもしれません。しかし、近い未来にソレによって世界が回復不能な損害を受ける可能性が有ります。

一時的な世界経済の回復は、良い事のように思えますが、軍事と言う民需生産に結びつきにくい事に投資が進めば、国民もインフレと言う形で生活苦になる可能性が有ります。また世界中の景気が有る程度良くなれば、戦争に巻き込まれないはずの資源国にも、ホットマネーが流れ込んでバブル経済化してしまう可能性が有ります。

特に戦争に軍拡や、三大国の直接の脅威に巻き込まれない国々、アフリカ全域、カナダ、オーストラリアやオセアニア、南米と言ったこれら諸国である。

三大国の緊張による消費支出の増大で資源価格の高騰と、ソレによる資源国の開発バブルは、安全地帯である遠方の国ほど強力なバブルになる可能性がある。

現時点でも中国の過剰投資による影響で資源の高騰が進みバブル化しているのに、そこから更に巨大な過剰投資が進めばどうなるのか……

重ねて言いますがバブルは膨らんでいる最中は問題無い(無くは無い)のですが、いったん過剰マネーを撒き散らかしている現在の世界経済の構造が、逆回転を始めたら大変な事になります。

即ち、軍拡が終了と、その後に来るであろうバブル崩壊は避けられません。資源国だけでは無く、世界中の国々で……、です。


★天下三分以後の世界は?

正直な処、現在のままの軍備拡張のバブルを拡大させている状態が続くのであれば日本の立場は、それほど変化するものでは無いでしょう。しかし、この三国緊張状態が終わる事が有ればどうなるかは分かりません。

米中露の何処かが生き残るのか?
それとも二大勢力で安定し続けるのか?
もしくは一国も生き残れないのか?

もし三大国が一国も生き残れない状況だった場合、新たな世界新秩序が出来る道程で、三度目の世界大戦が起こりうる可能性が出てきてしまいます。

特に、第一次世界大戦と第二次世界大戦の起きた原因は、大英帝国の力が衰え世界の治安を維持する能力が著しく低下した時に起こっています。ソレを考えた場合、現在の三大国が緊張状態で居る時よりも、ソレが終了した時に、三大国のどの国も世界を引っ張ってゆく力が無い。と言う事態の時の方が危険と思われます。

日本の対応や現在の外交を見ていると、三大国に取って代ろう等とは考えていないように思えます。

日本人としては、世界のゴタゴタに巻き込まれて余計な負担を掛けられる事態になる事だけは御免被りたいものです。出来る限り日本が世界から距離を取って、生存できる国として存立出来る様な外交を行ってほしいと思います。

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少し長くなりました。
現在日本が置かれている状況を見ると、このような世界三分割の地政学的戦略を前提で、外交や内政を行っている可能性が有ると思っています。
正直な処、「コレが書きたいのでブログをやり始めた」と言っていいネタの一つなので、勉強になった。こんな考え方も有るのか!と思っていただければ幸いです。

地政学から見る日本の戦略の事から数えると、4回になる長い記事になりました。
実際に索引ページで整理する時は、別の形で分かるようにしようと思います。

より見やすくなるかどうかは分かりませんが、ブログ主個人の主観で分かりやすいようにして行きたいと思います。


では本日はココまでとなります。




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nh01ai33 at 09:30地政学 | 戦略

コメント一覧

1. Posted by masa   2017年11月03日 03:31
世界3大軍事大国における日本の地政学的意義の重大性が分かりやすく面白かった。
日本も実は緩衝地帯だったのか!と思うと安倍外交が理解出来るかも知れない。
2. Posted by 無責任野郎(管理人)   2017年11月03日 12:16
1.masaさん←
このブログでの初コメントありがとうございます。

その様に考えられる考え方が身に付いたのであれば、記事を書いた甲斐が有ると言うものです。
これからも頑張ります。
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