2018年03月20日

陰陽論で見た「手に入れると同時に手放しているモノ」


今回は、「陰陽論」に関しての記事となります。

陰陽論の思想とは、昔は「太陽から届く光によって映し出される世界と、その光が届かない陰の部分の相互関係を、五行説などの自然のサイクルと共に読み考えた思想」となります。

時が経ち、現在では哲学的なモノの考えを主体にした、新たなる陰陽の考え方が世に出てきました。それは「自己や他者の行う事や考える事に対して発生する、光(正)と影(負)が常に矛盾したまま一体と成っている」と考えた思想となったからです。

今回の陰陽の思想に関しては、哲学的な考えを前提にした陰陽論となります。


★哲学的陰陽論と逆説的論理との違い
以前記事にした、パラドキシカルロジック(逆説的論理)との違いは、パラドキシカルロジックが動的な行動に対して行われる対応した行動が、結果的に最適な事を行ったにもかかわらず、非成功的な結果をもたらす可能性の理論である。

これは人や国家の生存戦略が掛かった戦場で良く起こる事である。

あくまでも「人の行う動的な行動」とその「行動に対する、対抗する行動」に関しての相互関係を考えての理論である。

しかし哲学的な陰陽論は、「"行う行動"もしくは"行わ無い事"双方の動的、非動的の行動や思考に対して発生する正と負の結果及び可能性」に関しての論理である。

これは俗に「矛盾」と言われるモノです。


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★哲学的な陰陽論とは?
簡単に言えば、「"行う事"や"考える事"や"事象"に対して発生する"正の部分"と"負の部分"がどの様な相互作用として成立しているのか?」を思考する論理である。

ありとあらゆる行動や事象には、陰と陽のが存在しており、その事象の表に表れている正の部分が有るのならば、同時に負の部分も存在している。これは「物理法則」「自然環境」「社会体制」「生物の活動」「思考」等のほぼ全てに対して適応される。

最も優先度の高いのが「物理法則」で、これは他の四つの事象全てに対して影響を与える。

「自然環境」は、「社会体制」「生物の活動」「思考」の三点に対して影響を与えて、同時に、逆に影響を与えられてしまう事もある。(人類による環境破壊などが代表例)

「社会体制」は、「生物の活動」と「思考」に影響を与える。

「生物の活動」と「思考」は、互いに影響を与えながら「社会体制」を形成し、「社会体制」を通す形で「自然環境」に影響を与える。

現時点では「物理法則」は、他の事象から影響を受けない。


①物理法則の哲学的な陰陽論
例えば、ボールを空に向かって投げたとしよう。
ボールが天空に向かって上がれば上がるほど、同時に重力に引かれて下に落ちる力が増大して、下に引かれる引力の力が上に上がる力を超えた時に、力の反転が興るのである。

「上昇する力が正の力」であるのならば、陰で「下に引かれる力の増大が"負の力"」となり、両方の相反する力が一対となった事象として存在している事になる。上昇しながら下に向かう可能性の増大と言う二つの要素が矛盾する形で内包されている事象となります。


②自然環境の哲学的な陰陽論
地球では、春夏秋冬の四つの季節がある。地域によっては夏しか無い所、季節が存在しない所なども有るが、基本的にはこの四季節となっている。この季節は、地球が太陽の周りを公転する時の距離や地球の地軸などによる太陽光の届く距離が影響している。北極や南極に白夜や極夜が有るのもソレが原因である。

これ等物理現象に形成された惑星が恒星の周りを公転する法則を考えれば、夏の時期が長ければ長い程、秋が到来し冬が来る時間の短縮が陰で起こっている。逆に冬が近づけば近づくと言う正の部分が有れば、同時に夏の期間が短くなっていると言う陰の部分が存在している。


③社会体制の哲学的な陰陽論
例えば、とあるA法案と言う法律により、税の再配分で利益を得る事の出来る人達が居るとしよう。法案によって利益を得れると言う事は、逆にその法案で不利益を被る人たちもいる事を示しており、この不利益を被る人たちは面白くないわけだ。

この社会体制の下で不利益を被る人は、自己の所得を社会体制下で利益を得れる人に吸い上げられている事を意味しており、同時に社会体制下で利益を得れる人は利益を吸い上げられる人が居なければ、自己の生活を維持できない状況になってしまう。

そして、自己の生活の維持の為に他者の利益を吸い上げる人が、他人の所得の再配分で家族を増やせば、吸い上げられる人の所得さえ上回る時期が来てしまい、吸い上げられている人の生活が成り立たなくなり、この体制は破綻する事になる。

つまり吸い上げれば吸い上げる程、陰で「この税の再配分制度の破綻」と「税を吸い上げられる人の反感」を増大させていると考えることが出来るのである。それ以外にも「吸い上げて暮らす人の生活力の減退」も起こる可能性が有る。


④生物の活動としての哲学的な陰陽論
簡単なモノは、行動な限界点の問題である。走り続ければ走り続ける程、体力を消耗し、走り続ける事が出来なくなる状況の到来が陰で近づいてくるのである。この場合、正の部分が「行動した結果の拡大」となる。

他にも、人を働かせれば働かせるほど、体力を消費し、働けなくなる状況の到来が増大する可能性が高くなるのである。(雇用主や雇用主の下で労働者を働かせる人は、常にこの事を考慮の上で労働者を働かせなければ成らない)


⑤思考活動としての哲学的な陰陽論
「数学が得意な人は、計算能力を伸ばす努力をしてその能力を獲得したが、逆に文学を学び能力を伸ばす力が少なくなっている可能性が有る」のが陰の部分である。

現在日本の学校教育で学べる事や受験対策に有能な人は、それ以外の能力を失っている可能性。(その知識以外の知恵に投入するリソースを、学校で学ぶ知識や受験対策に使用しているのだから)

またその学び方で成功した人が、成功しなかった人に対してどの様な行動を取るかの可能性の増大が陰で起こっている・・・かも知れません。(能力のある人が、無い人をゴミの様に扱う等)

バブル崩壊以降の就職氷河期で割を食った世代が、いまだに社会的な弱者として居続けさせられているこの現状を鑑みて、一度でも就職戦線で敗北した人はゴミだと言う社会的な風潮と思考が有った場合、その思考のせいで雇う側と雇われる側の考え方を決定づけてしまい、後の社会の少子高齢化を招く"陰"の部分が成立してしまった。・・・と言う可能性も有ります。


★真逆のリニア(直線的)思考
陰陽論で注意しなければ成らない事が、リニア(直線的)思考である。このリニア思考に関しては、以前、パラドキシカルロジック(逆説的論理)の記事で述べた事あるが、この陰陽論でも同じ事が起こる。

パラドキシカルロジックでは、自己のや相手の行う行動に対する、反抗的な行動により、自己の行う行動が妨げられる可能性の上昇するので、リニア思考は避ける様に書いた。

陰陽論では、事象に対してその裏側で、その事象に反する可能性が上昇している(矛盾を内包)かもしれないので、その事象や行動がそのまま通じると言うリニア思考で物事を進めると痛い目に合う可能性が有る。


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以上がブログ主的な、陰陽論の解説となります。

人間が生きる上でのすべての事象に、この陰陽論を適応し、当然国家の生存戦略においても行動や政策に至るまで、この陰陽論の観点から見なければ、現在の状況がそのまま続くというフィルターを通して見てしまい、個人の生存戦略の判断を誤る可能性も出て来るので注意が必要です。

一応ブログ主の陰陽論は、真説孫子(著:デレク・ユアン、訳:奥山真司)にある解釈を参考にしています。(参考にしているチャンネルの所で記して居ますが、一応念のために書いておきます。2018-9-14追記)

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