お金

2018年02月27日

今回はお金の話第二段です。
その名も「本当は怖いお金の話」です。

「お金」と言うと、現代社会においては、このお金が無ければ何も始まらないと言えるほど重要なモノです。しかしその本質については、あまり真剣に考えようとする人は居ません。

多くの人が「お金」と言うモノを誤認して、間違えた使用方法で身を滅ぼしているように思う。そのため今回は、ブログ主の考える正しいお金の使い方と稼ぎ方、悪いお金の使い方と稼ぎ方を考察しようと思う。

では、正しいお金の使い方と、悪いお金の使い方とは、具体的にどのような使い方なのだろう。

これはお金と言うモノの歴史を見れば、理解できる事と思われる。



お金の原型は「金(ゴールド)」である・・・、と言うのは嘘である。


★お金の原型とは?

お金の原型が、金であると言う誤認が広まったのは、現在の国家が発行している法定通貨である「円」や「ドル」と言った紙幣が、かつては一定量の金や銀と交換していた事や、それ以前世界中で金貨や銀貨、日本なら小判なのどの希少価値の高い貴金属が使用されたいたのが原因と思われる。

真にお金の原型と思われるモノは、古代の中東に存在した、商取引の情報を刻んだ「粘土板」であると言われている。

当時の人達は、この粘土板に「ダレ誰から何円借りた、この日までに返す」とか「Aさんからお酒を3壷分購入した。交換する形で一週間後までに木材を納入する」等の情報が刻まれており、これ等のやり取りに関わる双方が、約束事を守る事により商売が成立していた。と言う事を考えれば、この忠実に履行される情報を記した粘土板にこそが、真にお金の原型となったモノであると考えられる。


ではなぜ「金や銀」が使用され続け、お金の基になったと多くの人達が考えてしまったのだろう?


それは簡単に言えば、「商売相手を信用できなかったから」と思われる。


例えば、仲の良い10年来の友人や、お世話になった親族から、「少しお金を貸してほしい」と頼まれれば、巨額でさえなければそれを断る人は、なかなかいないだろう。

逆に、見た事も無い人がいきなりお金を貸してほしいと言われれば、懐に余裕があったとしてもお断りするだろう。


この差はいったい何なのだろう?


この差は、「近くの信用できる人」と「遠くの信用できるかどうかが分からない人」の違いである。

まあ近くに居れば信用できるとは限らないし、会った事も無いのに信用できないわけでは無い。

そこで人間が文明を築き、分業体制を布き社会を形成している事を考慮すれば、人を騙したりしたらその社会体制では生活し辛くなると、多くの人が理解できるだろう。

ならば身近で関わり合いになりながら生活している人達に関しては、運命共同体に近い存在であるため、騙したりすると自己の生活に関わるため行い辛いが、自分と関わり合いになった事の無い人に関しては、「もしかしたら自分達との約束を守らずに破っても彼らには損害がもたらされないため、約束の履行等を行わないかも知れない」と考え、粘土板や証文での約束事を行わず、希少価値のある貴金属を商取引の中間媒体にして利用したと考えられる。

その事を考慮すれば、人類の文明が各地に波及し、更に後に経済のグローバル化が進み、今まで取引をした事の無い文化文明圏の人達と商取引を行う場合には、完全な信用を見出しずらいため、どうしても希少な貴金属を使用せねば成らなかったため、結果として、それがお金の原型が「金(貴金属)である」と言う誤認に繋がったのでは無いかと考えられる。

そのため、その誤認である「貴金属に対する幻想」を取り払えば、後に残るであろう「取引の情報」と「取引情報の確実な履行」こそが、「お金の原型」で且つ、真の価値を担保する条件である事が理解できる。

そしてお金に関しての最も重要な二点である「取引の情報」と、特に「取引情報の確実な履行」を前提に、お金の正しい使い方と稼ぎ方を考察しようと思う。


★お金を使用して生きると言う事は?
人間と言う生き物がお金と言う存在を利用して生きると言う事は、どの様な事なのだろう。

まずは生きると言う事に関しては、自分の生産したサービスや商品を、他者の生産したサービスや商品と交換する事により、互いに生産できないモノを補完し合い生きて行く。

そして人間は、その生命活動の結果として、結婚、出産、子育て等の次代に子孫を残す生物としての生存戦略を立てるのである。

そしてお金とは、それら生きる上での生産活動の製品やサービスの取引の為の中間媒体として利用するモノである。

そこで重要なのは、自分が使用するお金の担保となる「取引の情報」と「取引情報の確実な履行」であり、それを履行するには、自身が生産能力を持たなければ何も始まらないのである。

つまりお金を使用して生きると言う事は、自身で「サービスや製品を生産して取引の約束を履行をする」と言う事である。


★良いお金の使い方と稼ぎ方、悪いお金の使い方と稼ぎ方は?
ではここで一番初めの話に戻ろうと思う。即ち、良いお金の使い方と稼ぎ方、悪いお金の使い方と稼ぎ方に関してである。

上記で述べた通り、お金の価値、担保となるモノは、「サービスや製品を生産して取引の約束を履行をする」と言う事で、この原則に沿ったものが、良いお金の使い方と稼ぎ方である。これを行うことが出来るのであれば、お金の価値を維持することが出来る。

では逆に悪いお金の使い方と稼ぎ方とは何なのか?

簡単だ、「サービスや製品を生産して取引の約束を履行をする」の逆である。

即ち、「サービスや製品の生産されない行為」と「約束の不履行」である。
これ等の行為で稼いだ金銭により生活する事である。


もし稼いだ金銭が真っ当な方法である「サービスや製品を生産して取引の約束を履行をする」と言う行為で稼いだお金ならば、稼いだ人は、他者の為になる行為でお金を稼げると言う事になり、今後も継続して金銭を稼ぐことが出来るだろう。

では逆に「サービスや製品の生産されない行為」や「約束の不履行」などの行為、例えば「ギャンブルで偶然大金が手に入った」とか「詐欺でお金を騙し盗れた」等の行為で金銭を手に入れたとしても、それらの行為で継続的にお金を手に入れ続ける事が可能なのかを考えてほしい。

ハッキリ言って不可能であろう。

ギャンブルや宝くじなどの運の要素が大部分を占めるモノでは、一度成功しても、二度、三度は大金を稼ぎ難いだろう。

ましてや詐欺や強盗などの犯罪行為では、行えば行うほど多くの被害者が出て、対応策も立てられ、時を追うごとに成功率も低下してゆくだろう。

これらの継続的に金銭を手に入れる事の出来ない方法での、所得取得方法で稼いだお金で生活の維持や拡大を行ったとしても、最終的に「当たる可能性の低下や犯罪に対する対応強化」で稼ぐお金が先細ったりする。そして正当な方法(労働)で所得を稼ぐ経験値の低下を誘発や、またそれら不正な方法で消費力を増やせば、所得が急減した場合の生活の維持が不可能となり、生存率が大幅に低下するのである。

これらお金と所得取得方法の双方が、「稼ぎ手の、市場に対する供給能力の調整システム」としての事実を知らない人は、お金と言うモノが、物やサービスと交換する為の中間媒体としてのみ考え、運や犯罪行為で得た金銭で消費や生命の維持を行ってしまい、最終的に破滅の道を歩む事と成る。

これが真に「悪銭身に付かず」である。


・悪い所得の例

①強盗や詐欺などの犯罪行為
犯罪行為での所得取得方法では、社会の自浄作用による口コミでの情報流布を始めとした真実の発信によりその様な行為を行いづらくなり、最終的に国家権力の介入を招くため継続して稼ぎ続けれる可能性は非常に低い。

②宝くじなどの実質上のギャンブル
決して犯罪では無いが、市場に供給能力を投じて所得を稼ぐと言う方法では無いため、運で稼いだお金で仕事もせずに、のんべんだらり暮らしていては、働く能力を失ってしまい、いざ何らかのトラブルでお金の紛失が起きたり、国家が崩壊してお金が無価値になった場合、非常に問題となる。

③株取引のキャピタルゲイン
長期にわたる投資では無い、短期の値動きを予測してのキャピタルゲイン目当ての投機は、ギャンブルと変わりが無い。プロの投資家やアナリストでも、予測に関しては、当たるも八卦当たらぬも八卦と言う状況らしいので、確率の点で言えば「ギャンブルよりはマシ」程度のモノでしかない。

④労働者を低賃金超過労働で使い潰して稼ぐ
デフレ不況の時代(今でもだが)に、この方法で自分の所得を拡大している人は居るが、実際必死で頑張っている超低賃金奴隷労働を行っている人達が、人手不足等でこの様な職場で働く必要は無いと見切りをつけられた場合、労働者に対して賃金上昇をしなければ成らなくなり、結果的に自分の所得の取り分が減る事を意味する。

労働者を奴隷労働をさせ続ける事により捻出した所得を自身の生活に加えていたのであれば、その生活は間違いなく崩壊する事だろう。


・良い所得の例

①労働
もしあなたが、市場に対して製品やサービスの供給を労働によって提供していたのであれば、紙幣の価値が落ちようとも恐れる事は無い、継続して稼ぎ続ける事により、自身の生活を安定させることが出来るだろう。

ただし注意点が有るとすれば、時代と共に求められるものが変わるため、保有している技能が労働市場に必要されなくなり、お金を稼ぐことが出来なくなる可能性も有ることだ。

②低賃金奴隷
もしあなたが、低賃金にて超過労働させられているとしたら、それはさせているモノの消費力や維持力を無理やり肩代わりしている様なモノで、決して褒められた事では無い。ただしあなたは、その職場から解き放たれた時、場合によっては低賃金超過労働させていた相手に対して浪費していた供給能力を、市分を含めた別の人に使える様になるかもしれません。

ただし、体を壊しては意味が無いので注意するように。

・悪い消費
自分に還元されない消費の事である。例えば心身に過度なストレスの掛かる株式短期投資や 暴飲暴食などがこれに当たる。(国家に例えれば戦争行為もこれに当たる)

・良い消費
自身の供給能力の拡大に繋がる投資としての消費行動の事である。例えば「良質な睡眠のとれるベットの購入」や「家族サービスを行う事により一家の絆の構築」等がこれに当たる。(ただしその瞬間は良くても、長期的に見れば失敗に繋がる可能性も有るので断言はしない)

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以上がお金に関する「良い所得と消費、悪い所得と消費」に関する考察となります。

自分で言うのもなんですが、書いている事は一般論にすぎません。ですが根元にある「お金と取得方法の相互関係が、稼ぎ手の市場に対する供給能力の調整システム」と言う事にまで触れる人が少ないので、今回の記事を書かせていただきました。

当然いつも通りこれらの考察は、ブログ主の主観で書いているだけですので、それを前提の上で読んでください。

本日は以上!


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nh01ai33 at 08:00

2017年07月08日

3回目は、「前回」の続きです。
前回は文字ばかりだったので画像を若干多くしました。

今回は、「三つの時代の政府債務GDP比率」に関しての説明です。

画像の見方は、

①一番上「その時代説明&政府の負債GDP比率」

②オレンジ色のタイトルと紙幣画像は、その時代の総国力を"100"とし"通貨価値の
 濃さと量"の説明

③中間は「緑の枠(GDP)」と「薄緑の面(発行した国債の量)」

例として「高度経済政調期」の図を確認すると。

国力と通貨 高度経済成長

(クリックで拡大)


日本の国力を「100」としてその国力が、一定の通貨(画像では紙幣)を担保している。
その担保された紙幣を、市場に出回っている通貨量とするして、上記の図「高度経済成長期」は、単純計算で発行された通貨が平均10回は、使用されGDP(当時はGNP)を形作っていた。

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では、2枚目「バブル期」

国力と通貨 バブル期

(クリックで拡大)


GDP比率で政府負債が「50%」になっているが、発行された通貨が二回しか使われなかったわけでは無い。当時の日本は海外投資も積極的に行っていたため、全ての通貨が日本国内で出回っていたわけでは無いからだ。当時の日本国内で、実際市場で出回っていた通貨量のデータが、ちょっと見つからないので、これに関しては勘弁してほしい。

当時の日本は、どうなっていたのか?
高度経済成長の時期と比べると通貨(政府の負債)量を5倍に増やしている。
しかも、10年ほどで通貨量を5倍に価値を五分の一に薄める行為をしておきながらも、プラザ合意で通貨価値が倍以上になったのだ。

当時の米国から見たら自分たちの経済を粉砕した国が、通貨安政策(政府負債を五倍にする)を、行ったにもかかわらず、通貨価値が倍になったのだから、日本の発行しているマネーがドル換算で10倍に増えたと言う事になる。そりゃドン引きするわな・・・

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三枚目「現在」

国力と通貨 現在

(クリックで拡大)

かなり大雑把な数値ではあるが、政府の負債GDP比率200%以上で、1000兆円以上負債がある。現在市場に出回っている通貨量が約100兆円と言われているので、「擦った通貨の10分の1」ほどである。その100兆円が平均5回ほど使われGDP約500兆円となっている。

なお財政を悪化させ政府負債GDP比率200%以上と、通貨価値は「バブル期に比べて4分の1」になっており、円売りドル買いの更なる通貨安政策も行っている。にも拘らず「1ドル=100円」で安定しているのは、日本が経常収支黒字国であると同時に、アメリカが日本以上に借金を増大させてドルの価値を落としているためと思われる。


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今回、言いたいことは・・・

現在はバブル期と比較し不況だ、と言われいるが
国力を券化した通貨を、バブル期と比べると通貨価値を落とし量を増やし、通貨総量の10%だけでGDP約500兆円を演出しているわけだから、見方によっては「経済成長できていない」では無く、何時でも経済成長できるように余力を常に残している。とも見れる様にすべきだろう。

経済学者は、「日本は成熟した国家になったのだから経済成長する必要性が無い」と言う意見と、「経済背長は、いくらでもできる財務省の陰謀で出来ていないだけだ」の二元論になっている様に思える。

しかし、前回で語った通り、世界経済のグローバル化が進んだ現在は、GDPを成長させること自体が、国家が生存する上で命取りとなる場合があるので、注意しなければならない。
特に経済成長をしたがゆえに、消費電力が増加しエネルギーの他国依存が今以上に進み、"いざ"と言う時、首を絞められる事にならない様にしなければいけない。



今回は以上で終了。

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nh01ai33 at 17:30

2017年07月07日

2-紙幣と国力とTVで語られないGDPの話


第二回目のテーマは、なぜか?
地上波では、中途半端にしか語られないGDPの話になります。

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nh01ai33 at 17:30

2017年07月06日


記念すべきブログの初書き込みは、「お金」の話となります。

なんて俗な話だ。と思わずに読んでいってほしい。これからこのブログを運営していくに当たり、一番重要なことなのだから。上手く説明できるかはさて置き

お金とは何なのか?と言う疑問を紐解くには、お金を発明した「人類」という生き物が、どの様な存在なのか?を考えるのが一番であると考える。
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nh01ai33 at 17:00
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