トルコ
2018年01月05日
ここ最近のトランプ大統領の外交を見ていて影響を受けそうなインド太平洋地域の未来予想図を考察してみようか思います。
以前、インド太平洋戦略の事を記事にしましたが、その全容を理解できそうに思える情勢となってきました。
現在の米国の行っている外交を見て、考察できる事は、
米国の寛容な対中外交に伴う中国の膨張と東南アジアの団結。
ロシアとトルコの関係強化による地中海進出。
米国主導で中東の混乱に拍車をかけての、中東諸勢力の団結。
インド太平洋戦略でのインドとの関係強化。
この四点が有ります。
ブログ主の見るかぎり、日本の安倍政権も、この米国の行動を見た上で、グローバルな外交を行っているように見えます。ニュースでは全く語られませんが……
今回は、これの現象を組み合わせて、これからの世界がどの様に変化してゆくかを、主観的な考察で述べさせていただきます。
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①米国の寛容な対中外交に伴う中国の膨張と東南アジアの団結。
現在のアメリカは、中国を敵視しない様にしている為、中国が対外進出しやすい情勢を作り上げてしまっているように思える。そのための草刈り場と成っているのがASEAN諸国です。
ASEAN諸国は、中国ほどの大国では無い小中国家の緩い経済同盟にすぎません。
しかし、このまま中国の台頭とASEAN諸国に対する無法な恫喝外交が続くのであれば、巨大化する敵対的な中国に対抗する為に、安全保障に危機感を覚えたASEAN諸国が今まで以上に団結する可能性が有ります。
※この考えは、自己の安全保障に危機感を覚えた場合、その脅威に対抗する為の対応策を立てて実行すると言う、パラドキシカルロジック(逆説的論理)の考え方を基本にしています。
②ロシアとトルコの関係強化による地中海進出。
トランプ政権が中東における外交失敗?によって、トルコをロシア側に追いやっている。これを「タダの外交の失敗」としてみるか、それとも「ロシアとトルコを結ばせて、ロシア黒海艦隊がトルコと同盟して地中海に出てくる可能性を上昇させる事により、ヨーロッパ諸国のシーレーン安全保障に負担を掛ける状況に追いやった」とみるべきか。
地中海の安全保障負担の増強の観点から見た場合、米露の同盟はある程度成立しているとみるべきである。
またヨーロッパと中国の本質的に地政学的同盟関係が成立する事を考慮すれば、ロシアの地中海本格進出は、ヨーロッパ諸国の軍事経済双方がロシアの進出行為に対してリソースを食われる事を意味している。
これによって誘発されるであろう現象としては、ヨーロッパ諸国がロシア挟み撃ちをするため地政学的な同盟国となる中国への援助の拡大が有るかもしれません。そうなれば中国の拡大を懸念してロシアとインドを始めとする海洋アジアの団結もあり得ます。米国のヨーロッパに対する不信(したフリ)も誘発させることが出来るでしょう。
これ以外にも米国の外交失敗と呼ばれに行為により、中東の再編が加速しそうです。
③米国主導で中東の混乱に拍車をかけての、中東諸勢力の団結。
現在、中東の問題は、複雑怪奇な情勢に成っている為、一言では言い表せないので、一つずつ説明してゆこう。
・クルド人の件
イスラム国の問題で、有志連合だけが戦うのでは犠牲が大きくなりすぎる事から、現地のクルド人に武器を持たせて戦わせている件。
・EUの難民受け入れ縮小
中東やアフリカから送られてくる難民(?)の問題で、ここ最近ヨーロッパ諸国が難民の受け入れに消極的に成っており、受け入れ幅を縮小し始めた。偶然なのかイスラム国の壊滅と連動して居る様に見える。
イスラム国が壊滅してこれ以上難民が出なさそうだから、難民の受け入れを縮小するのか?
逆にEUの難民受け入れが縮小され始めたから、これ以上の難民押し付け戦略を行えないと考えて、イスラム国にとどめを刺したのか?
・イスラム国の壊滅
現在、現地人や有志連合の働きも有り、表向きにはイスラム国を名乗る勢力の駆逐に成功したと見られる。偶然なのかEUの難民の受け入れが消極的になったから、難民を送り出すための「中東混乱戦略」を止めたのか?
・米国によるサウジとイランのバランシング政策の件
ご記憶の方がいるかどうかは分からないが、米国は昔から親サウジアラビアの国である。しかし、オバマ政権末期に突如として親イランとも言える外交を展開し始めた。そして、トランプ政権になったとたんに再び手のひら返しの親サウジ外交を再開し始めた。
これほどまでにコロコロと外交政策を変えるのであれば、中東の諸勢力は米国は信頼できない国家であると見なして、アメリカを敵視し兼ねないのでは無いだろうか。
この様な敵意を中東諸国が米国に抱けば、中東諸国が対米感情の為に団結する可能性が出来てます。
もう一つの可能性として、中東の二大大国を混乱状態に陥れる事によって、原油の値段をあげようとしている可能性も有る。米国は既にエネルギー輸出国と成っているため。
・エルサレムをイスラエルの首都認定
そして今回のイスラエルの首都としてエルサレムを認定した問題。
今回の件に関しては、あまり強くは出ていませんが、アラブ諸国も米国のイスラエルのエルサレム首都認定には、抗議しているみたいです。(ただし、あまり強くは抗議していないみたいですが……)
当然です。今まで混乱をもたらしたくないと言う名目で、米議会でさえ表向きエルサレムの首都認定を有耶無耶にする態度を取っているのです。それをここに来て手のひら返して中東に混乱をもたらす決断を又してもトランプ政権が行ったのですから……
今回の米国のエルサレム問題は、これもまた中東の混乱をあからさまに煽っているように見えるため、逆に中東諸国を団結させてしまい兼ねないのでは無いかと考えられます。
・日本が中東情勢に介入するの?
中東和平交渉 イスラエル「河野外相が4者会談提案」(2017-12-25)
日本では、あまりニュースに成っていませんが、日本主導で日米とイスラエルとパレスティナの四者協議が開催されるようです。
これは、米国が反発による団結を促し、日本が団結為の癒着剤となる。かの様な日米共同の地政学戦略とも受け止めれる行為では無いでしょうか。
④インド太平洋戦略でのインドとの関係強化。
これから非常に熱い国となるのがインドだ。
インドは古来から海のアジアの大国であり、国土を見ても半島地形で海洋に進出しやすい地形をしている。また北はヒマラヤ山脈と言う天然の防壁を要し、二大大河と穀倉からもたらされる生産物のおかげで膨大な人口を養える超大国候補の国でもある。
そして現在台頭する中国に対して、人口的に、潜在的に対抗できる未来のアジアの大国としては、インドだけが上げられる。中国に接しているロシアや日本、また中国の海洋進出を警戒している米国は、中国を挟み撃ちに出来る国家としても、インドは重要な国家であると言えます。
日本の安倍政権は単独でもインドと同盟関係を強くする外交を打ち出している。中国の人件費が上昇しこれ以上は、中国国内で物造りで儲ける事がし難い状況と成っている現在、次の世界の工場としてインドが台頭する事は避けられないと思われます。
⑤海洋アジアの各国を繋げると……
現在の大国の外交を見て、これからのアジアを予測すると、
中国のASEAN諸国に対する圧力による、東南アジアの団結対抗。
米国の外交による中東諸国の団結対抗。
大国の対中外交を見た上でのインド投資によるインドの台頭。
これ等を考えると、世界の大国が、インドを中心とし中東からASEANにまで至る海洋アジアをエネルギー供給と世界の工場として、団結し台頭させようとしている可能性が有るのではないでしょうか。
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日本も中国との関係が悪化した後、「チャイナ+1」と言う言葉が流行した。これは政治的リスクの高い中国だけに工場を置くのではなく、それ以外の国にも工場を置いてリスク分散を行うべきであると言う考え方です。特に選ばれているのはアセアン諸国が多く挙げられているようです。
この事も今回の考察に結びつけると、ある程度の納得が得れるのでは無いでしょうか。
過去に起こった事も見た上で、現在の大国の外交を見て、未来のアジア情勢を予測してみると面白い事が分かるかもしれません。
いつも通りになりますが、このブログに書かれている事は、ブログ主の一方的な主観によって書かれた考察にすぎませんので、間違いも有るかもしれません。それを前提の上でお読みください。(だから最後に書くな)
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nh01ai33 at 18:00