ドル

2018年12月11日


今回の記事は、ブログ主が以前から述べている米国のバブル経済に関しての考察記事と成ります。


数日前(11月初頭に)米国の経済指標で"建設支出"と言う景気指標の最新情報(10月)が更新されました。

建設支出は、文字通り住宅や商業施設や公共施設などの建築関係の着工数を表す数値で、文字通りこの数値が米国経済の好況か不好況かを表す重要な指標となります。

今回は、前回に続きまたしてもマイナスを示しており、これで建設支出のマイナスは三か月連続となったようです。

特に今回は民間の建設投資が少なくなったようで、しかも三か月連続マイナスと言う事は、米不動産市場が活気を失ったと見なせてしまう状況なのでは無いでしょうか?

特にFRBの先の利上げで、株式よりも国債に方が魅力的に見えてしまう状況が作られつつあるこの時期に、不動産部門でも停滞しているかのような数字が出てしまったこれらの状況は、もしかしたら米国の株式と不動産の両バブルが頂点に達した証なのかもしれません。

おかげさまなのか?どうなのかは分かりませんが、その時期から更に世界の株式市場が不安定に成りつつあります。

世間のニュースでは、「米中の貿易戦争に関しての煽りを受けたから、だから株式相場が安定しない」様な事を風潮として広まっています。

そして日本では、この上記の情報(建設支出)が出た翌日に、日銀が11月のマネタリーベースの若干の拡大が行われている事を指標としての確定情報を出しています。これは米国の景気が悪いため、日本の通貨価値を意図的に低下させる事によって、不必要に円高に成らない様にするための金融政策では無いかと考えられます。

マネタリーベースを拡大させ、円の通貨価値を落としドル円の安定化をしなければ「ドルの信認低下」が拡大する事態に成っていると思えてなりません。

ブログ主としては、米中貿易戦争が株式市場の不安定要素では無く、「米国の経済のバブル化が行き過ぎて、債券市場にばかりマネーが流れ込む事になってしまい、その状況に米国の成長限界を感じた投資家が株式市場から本格的に離れ始めたため、バブル経済の頂上から下落への転換点に入った為の混乱」が要因では無いかと推察しているのです。


★米国の現状の推察
現に先ほど述べた通り、株式相場の下落が始まったのは今年の一月からで、それまでの米国の株式相場は、政策金利を上げ続けた影響のドル高で、強いドルを背景にした世界からの投資で株式相場は上昇していました。

これらの株式市場の下落傾向は、一月から始まった日銀の量的緩和の縮小での国債買取量の減少と米国の利上げが、上昇から下落への転換に転じた原因の様に思います。(ブログ主個人の見解です)

日銀が量的緩和を減少させると言う事は、無理やり国債を高値で購入している状況が是正され始めた事を意味し、日銀以外のプレイヤーも日本の国債を購入しやすい状況が訪れたと言う事です。これは相対的に米国債券を購入する魅力に対して日本国債が魅力的に見える状態になった事を意味しています。この様な事を行えば、米国債が相対的に魅力的ではないと感じる状況になったとも言えるので、米国債の金利が上昇する事になります。

これに米国が更なる利上げを行えば、株式市場がバブル化し企業の実態以上に高い株価に成っている場合、株式の配当が株価に比べて物足りないと感じている投資家が「金利の高くなった国債」を株式より安定的な債権と魅力を覚え、株式を売却し国債を購入と言う行動を取ると思われます。

そして住宅市場もバブル化していた場合、こちらも需要を無視した期待だけで高値に成っている事になります。そして現在米国の東西の沿岸部の都市で、時価や家賃が高くなりすぎて暮らしていけないと言う話が次々と出ている現状を見れば、9月頃から建設支出が少なくなっている事も説明が付きます。もし事実ならば、不動産投資している投資家も早めに不動産を売却し安定的な米国債を購入した方が安全だと思いそのための行動を取る事になります。

これらの事が「一時期は金利三%を超え魅力的になった米国債に富が集中し、現在(11月上旬)は利率三%を下回る様になったと同時に、株式相場と建設投資が更に不安定になった原因では無いか」と考えられます。


★どうなる相場!どうする米国!
現在、米国の株式相場と不動産は必要以上に高騰し、実態の経済以上の値段に据え置かれる事によって投資してもリターンが物足りないものと成っているように思われます。

このまま資産バブルを拡大すれば、そのバブルで膨れ上がった資産を購入できない中間層と低賃金層が経済的に打撃を受けてしまいます。そして、その状況によって消費の落ち込んで米国全体が沈下してしまう可能性が有ります。

だからと言ってバブル経済を緊縮政策全開で潰した場合、高所得層がの資産が崩壊し、強烈なデフレーションに落ち込んでしまうリスクが現在の米国のは有ると考えられます。

この危機的状況から逃れるには、これ以上バブルが膨れ上がらない様にしつつ、且つバブルが一度に崩壊しない様にして、更に資産維持(バブル維持)を行いつつ、不必要な経済成長を行わない様にし、国民の精神的な打撃に成らない程度に資産縮小をさせ、不良債権化しそうな資産処理を行うコントロール政策が必要になると思われます。

即ちソフトスライディングを行わなくては成らないのだが、これを行うには「バブル化した資産管理」「通貨価値の操作と安定」「産業の生産性の上昇」を同時に行う必要がある。

これを行うには第一に、財政出動と政策金利操作によって、産業を育てつつ資産を暴落しない様にして、国内の会社等の価値を落とさない様にしつつ産業力を付けさせる。これによって資産コントロールと産業の育成を行う。

第二に、海外の米国に逆らう挑戦国を潰す事によって、それ等の国を信用不安に陥れ、米国への信用の還流を作り上げ、米国ドルの価値が必要以上に落ちない様にする通貨価値の安定政策を行う必要がある。

何故この様な戦略を行わなくては成らないのかと言うと、通貨価値が不必要に乱下降すれば、米国の投資力や消費力が打撃を受け、混乱から投資の停滞やバブルの崩壊に繋がる可能性が有るからです。

通貨価値が安定しなければバブル化した資産のコントロールどころの話では無いため、米国ドルに挑戦し、特に米国ドル安定を毀損しようとする勢力に関しては、徹底的に叩き潰す必要が出てくる。

これらに関しては、ドルが高騰しそうなときは公共事業による通貨安政策を行いつつ多少の緊縮政策を行えば良いが、暴落しそうな時はドルを支えてくれる様な同盟国が必要となり、特にドルの価値を支えてくれるだけの力を持った国は日本しか見当たらないため、日本の立場は強いものになると思われる。

逆に中国の様に、"中国元"の安定の為に"米国ドル"と対立せざるを得ない国に対しては、叩き潰す必要性が出てくるため、今後米中の対立はさらに苛烈なものになると思われる。

(中国は"元"を刷り過ぎたため他国に"元"を使用してもらい"元通貨圏"を作らなければ、通貨価値を安定させれないため、"ドル"の刷り過ぎで他国にドルを使用してもらわなくてはドルの価値を安定させれない米国と対立せざる得ないと言う事です)


以上の事を進めるためには、国内の事だけでは無く、対外戦略も行わなくては成らない。

海外にも積極的に投資し、競争力の強化の見込め無さそうな産業を海外に移転させたり、米国の挑戦するライバル国に対立する潜在的な同盟国への援助等を行う事によって、海外で生産された低価格品の消費による国内での余剰資金の捻出とソレによる新世代の産業投資と、ライバル国(この場合は中国)のと対立して米国の負担を緩和してくれる同盟国の強化を行わなくては成らないと思われる。

そして先ほども述べた通り、これらの政策を支えられるのは日本ぐらいかし存在していないと思われるため、今後日米の関係は強化されるのでは無いかとブログ主は考えている。(あくまでもブログ主個人の見解です)

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以上が米国のバブル経済が頂上に達し、これをハードランディングさせたくない米国とそれを支えれる日本の同盟強化、そして米中対立の加速による米国の対中包囲網の形成を予測して見ました。

当ブログで述べている事は、あくまでもブログ主の個人見解となますので、間違っているかのせいも有ります。株式投資の参考にされても責任等は取れませんので、その点を了承の上で閲覧してください。

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2018年09月07日

今回は歴史と地政学で見るシリーズの冷戦以降の世界の考察となります。

なお前回と言うわけでは有りませんが、「歴史と地政学で見る冷戦」を見ておくと話しの流れが分かりやすいです。

今回は冷戦以降の事を、日本を含む各国のパワーバランスと外交を見ながら考察して行こうと思います。

なおこれらの考察は、ある程度下記のリンクにある、当ブログの日本の戦略の考察を前提としておりますので、下記のまとめを読んでくだされば幸いです。

関連リンク



★冷戦期の過剰支出
まず第一に冷戦以降の事を説明するには、冷戦期に各国が、どの様な経済政策や外交を行っていたかが重要となります。

冷戦と言う時代は、米国とソ連が東西陣営を構築し世界を二分しつつ、更にそれ属さない国家が第三世界を形成し、軍事外交を行う事により、世界が形成されてい時代を指します。

そして冷戦期は人類史に残る程に軍事産業に国家リソースが費やされた時代でも有ります。特に軍事拡張競争に熱を上げた米ソ両国は、米国では軍需産業が国家経済を支える屋台骨になり、戦争が無ければ米国の景気が持たない産業構造にしてしまい、ソ連は軍需産業に傾倒し過ぎた為、真面な民需品を作れない国家と成り、自滅してしまいました。

勝利した米国も民需品の生産と言う点で言えば、日本とドイツの二国の前に完敗し、生産性の観点から多くの有名企業が米国外に生産拠点を移し、米国の雇用を不安定化させ、貧富の格差を広げ民心を荒ませました。


★日本のバブル崩壊
冷戦期の末期に、米国とソ連は国家財政を傾ける程に国債を発行しました。

そして結果を見ればソ連は破綻しましたが、米国は破綻せずに冷戦以降、人類史上最強の覇権国家としてグローバル社会に君臨しました。

何故借金だらけの米国が大国であり続ける事が可能なのでしょうか?

それは日本にあると考えられます。

冷戦末期、日本は高度経済成長を終え安定成長に向かっていました。それに伴い安かろう悪かろうの付加価値の低い産業から、高付加価値の商品やサービスを生み出す国家へと生まれ変わりました。

本来、国家が成熟すると産業が発展し、通貨価値も高まり、輸出貿易の点から不利な立場に追い込まれるのですが、日本はプラザ合意等の米国との間の交渉による円の切り上げと言う通貨高騰圧力を受けながらも、輸出は停滞するどころか、逆に価値を高めた円の力を得て投資を拡大させながら、より付加価値の高い産業を育成し更なる輸出で富を得ると言う好循環に入り、米国の産業を破壊していきました。

ただでさえ対ソ連の軍拡で疲弊していた米国は、この輸出攻勢に耐えられず企業業績の悪化からブラックマンデーと言われる株価大暴落を経験する事になりました。この時に資本が米国から日本に爆発的に流れ込み、日本のバブル経済に火を着けたのです。

結果は皆さんの知る通り、丁度日本では団塊世代が家を買い始め不動産投資が加速していた時期でしたので、これら不動産関連に火がついてしまい、経済をバブル景気化させてしまったのです。

最も近年では、財務省(日銀?どっちだったかな?)が銀行に不動産案件の融資を積極的に行うように命じていた事が分かっており、これらのバブル経済は官製バブルで会った事が発覚しております。

何故これらバブル景気と吹かしたのかと言うと、経済をバブル化させる事により通貨高で且つ経済規模を拡大させる事により、過剰な通貨発行を可能とし、この過剰に発行した通貨を持って米国がソ連と軍拡できるマネーを供給したのです。(米国債買いまくりです)

この時期の米国(1980年~1995年)は、米国債発行高を約五倍に増やしています。これは米国の通貨価値を五分の一にしたと言っても良い愚行です。そして同じ時期に、日本も国の借金を五倍に増やし、通貨価値を落とし量を増やす政策を行いました。にも拘らずこの期間に日本の円はドルに対して倍の価値に値上がりしたのです。

日米が同じ事を行ったにもかかわらず、日本円の価値が上昇したのです。米国から見たら自分達の経済を粉砕した国家が、更に富を十倍に増やし繁栄している処を見せつけられたのです。先の大戦の事を考え「日本は米国に報復する気だ」などと言う噂が米国でささやかれる状況となるのも致し方ない事と思われます。

この時期に、日本は米国債を大量に仕入れ塩漬けにする事により米国の経済を下支えし、米国が軍拡を行える状況を作り上げていたのです。更にこの後、日本はバブル経済を総量規制で崩壊させ、不況に突入させたにも拘らず、自国の為に米国債を売り払わず、ロールオーバーし続ける事により大恐慌の様な世界的不況に成らない様にしました。最もそのダメージは大きく、長期に渡る不況の時代に突入する事になるのです。


★世界の不安定化?
冷戦が終結した時に世界に残ったのは、破綻し解体の途上を歩みつつあるソビエト連邦と疲弊し相対的に国力を下落させた米国でした。

そして相対的に米国の国力が下落したと言う事は、相対的に上昇させた勢力も有りました。それが日本、ドイツ、中国でした。日本とドイツは冷戦期の対米貿易が好調で爆発的な経済成長が起き、産業の高度化に成功し世界随一の先進国となりました。中国は米国の対ソ戦略の過程で日米から投資を受け、文化大革命で崩壊していた経済も復興し、経済的にも無視できない国に成りつつありました。

冷戦が終わったのちの米国は、自国の国力の相対的な下落を認識しソレに対応しなければ成りませんでした。そこで重要になる事が、冷戦の時に"世界にばら撒かれたドル"です。

基本的に通貨と言うモノは、その通貨の裏付けとなる産業能力が必要となります。ですが冷戦期の貿易戦争で日独に敗北し、国内産業がガタガタになった米国に、ドルの信用を支える産業能力は有りませんでした。

ドルの裏付けとなる産業能力の確保を行わなければ成らなくなった米国は、圧倒的な軍事力を背景に世界中の国々に対して、安全を提供する代わりにドルを貿易の決済に使用させると言うモノでした。

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ここで重要になるのが、サウジアラビアとの間で約束した、石油はドルで決済すると言う約束で、これにより石油の裏付けを受けたドルは、世界中の国々がサウジアラビアから石油を購入してくれている限りにおいて、安定する事が約束されていたのです。(1971年のニクソンショックによる金交換停止から1974年ワシントンリヤド密約による石油本位制に移行でドルの裏付けが「金⇒石油」に変更)

このドルの石油引換券化により、世界中にドルが出回っている冷戦後の世界で、引き続きドルを使用してもらわなければ、ドルの価値が保たれず米国が悪性インフレに襲われてしまうリスクが生じる事と成った。

そのため米国は世界中の貿易や石油購入で、ドルを強制的に決済通貨として使用させ続ける努力を行わなければ成らなくなったのです。(つまり世界の経済をドルの裏付けにする戦略です)
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この様にドルのを世界中で使用してもらわなければ、米国経済が立ち行かない状況に陥った為、日本が冷戦後に東南アジアを円通貨圏にしようとしていた取り組みを破綻させたり(円では無くドルを使ってくれなくては困るため)、イラクがドル以外で石油決済しようとした時、難癖付けて戦争を吹っ掛けなくては成らない状況に成ったのです。(イラク戦争は、テロ支援だけを行った為だけでは無く、石油売買にユーロを使用しようとしたためと言う話もあるくらいです)

米国が、この様に引き続きドルを世界に巻き散らかす通貨政策を行い、ドルの使用を強要したため世界経済が不安定な状況に突入しました。同時にこれらの事は、米国がドルの価値を維持する為、世界秩序の維持を行わなければ成らない立場に立つ事になったとも言えるのです。


これらを逆説的に、そして日本の戦略である可能性を考慮した場合、「アメリカが世界秩序の維持をする事になったのは、経済覇権を握っていた日本が世界を管理する努力を放棄し、責任を米国に押し付けたからである」と言う考察も成り立つのである。


★日本の消費税増税によるアジアの発展と米国のバブル化
ドルが世界に巻き散らかされた結果、世界が不安定化しましたがそれには日本も深くかかわっているのです。

バブル崩壊以降、日本は経済的に低迷し、また軍事力も持たない為なのか、外国の圧力に屈服する事が多くなりました。代表的なのは日本主導で、東南アジアに円の通貨圏を作ろうとしたところ米国の横槍を受けて破綻した円の通貨圏構想の事です。(日本国政府が本気でこの通貨圏構想を実現しようとしていたのかどうかは不明です・・・)

他にも歴史問題で、近隣諸国に叩かれ屈服する事が多くなった事も挙げられます。

これによって、またバブル崩壊による経済的な事情もあり日本全体が消沈し国内の消費や投資も冷え込み、余り有るジャパンマネーが海外に流出する事になったのです。(歴史問題が問題かどうかは変わりませんが、アジア諸国に対して経済援助か賠償かは分かりませんが、海外投資を更に活発にしたことは確かです)

さらに海外投資を行う時に、日本円の投資では無く、ドル介入しドルを使用しての援助を拡大させました。これらの行為は、ドル国債を購入し続け、ドルの価値を支え続ける事により「世界中でより多くのドルが使用される状況を推進する」事を意味したのです。


そしてこれらの事とは別に、日本が行った悪名高い対海外投資戦略の原因として消費税も挙げられます。

消費税は、日本では冷戦末期に適応された付加価値税の一種で、海外では最終販売にだけに適応される税でありましたが、日本の消費税は生産過程の全ての売買で発生する税であった為、商品が店頭に並ぶまでの工程に近ければ近い程、税負担が増える税と成り、特に簡単な最終組み立て等の作業は、余程組立て技術の必要とする付加価値の高い作業でない限り、海外に工場を置いた方がお得な状況となるのです。

そのため日本から海外(特にアジアの途上国)に、「日本の部品を組み立てて完成品を作る工場」が作られ続け、各国を日本のサプライチェーンの影響下に置いたのです。そしてこれらの国から低価格品を購入する事により、不況期の日本は消費の低減に対応する事になったのです。

消費税の影響は、日本と途上国だけでは無く、他の先進国、特に米国に影響が有りました。
日本が長期停滞を続け、不況対策で行った経済刺激策で使用されたマネーも、度重なる増税により使用されず、銀行に積み上げられるだけに終わった為、銀行が預かったお金(借金)に付ける金利を支払えない状況と成る可能性が高くなり、その状態を恐れた銀行が金利を下げ、超低金利の時代になったのです。

これら使用されないお金が、海外の投資家の目に留まり低金利で借りられる資本金として利用され、各国の市場に投入されたのです。また日本政府も積極的に米国債に購入を増やしたため米国は通貨を安定して発行し投資できる状況となり、空前の繁栄を手に入れたのです。

しかしそれらの行為は諸刃の刃でした。


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「歴史と地政学で見る冷戦後のグローバルバブル」は、長くなりますので前後編に分けます。
次回は後編となります。

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2018年07月24日


今回は前々回述べた通り「地政学で考察する地球温暖化対策」に関しての記事となります。

本来は前回(昨日)に上げる予定でしたが、例のコメント入力フォームの削除の告知と対応に時間を取られたため一日遅れてしまいました。申し訳ございません。

関連の考察記事


★地球温暖化の情報を地政学戦略から考える

温室効果ガスによる地球温暖化の情報が本格的に世に知れ渡り始めたのは、1980年代後半からで、この頃は米ソ冷戦が最終局面に突入していた頃です。

実際二酸化炭素の温室効果ガスとしての効果は、金星を調べた事で発覚したと言われています。正直なところ地球で同じ事になるかどうかが自然環境的に成立するかが分かりませんでしたが、とりあえず各国共に米国発の温室効果ガスによる地球温暖化を信用し、その対策に取り組む事になりました。

ブログ主は、米国発の情報と言う事に関して不信を抱いており、これば米国の戦略では無いかと疑っています。

そして、米国だけでは無く日本や他の先進国もそれとは違う理由により、この米国の戦略に乗ったのでは無いかと思われます。


★何故、地球温暖化情報が世界に広がったのか?
何故二酸化炭素を含む温室効果ガスが問題視されるようになったのかを、当時の国際情勢から考察してみる。重要視しなければ成らない事は、「国家間のパワーバランス」「国家の産業」「基軸通貨の価値の担保」の三点となります。

①米国が地球温化情報を広めた理由
米国が地球温暖化を広めた理由は、その最大のモノは、冷戦末期のソビエト連邦への対応が考えられます。当時ソビエトは、米国の圧倒的な軍拡競争に耐え切れずに疲弊していました。

ですが、ですがやはり大国で原油を始めとする地下資源を採掘し、それらの資源を売る事により、対米を見据えた第三国への影響力拡大行おうとしていました。ですがそこで米国をはじめとする西側先進国で、温室効果ガスによる地球温暖化問題が提起され、その対策として西側諸国は原発の導入を加速させ始めました。

この西側諸国のエネルギー政策のせいで、原油を始めとするエネルギー価格が思う様に値上がりせずに、資金調達が出来なくなったソビエトは、奮闘むなしく崩壊してしまったのです。

幸い現時点でのロシアは各国にエネルギーを売る事により外貨を稼ぐ事が出来ているようですが、1980年代後半から1990年にかけてまで西側諸国は原発を大々的に導入し始め、また世界屈指のエネルギー輸入国であった日本が、バブル崩壊による貿易額の減少と原発導入を同時に行った事により、世界各国のエネルギー需要が一変すると言う事件も有りました。

そのため地球温暖化対策自体が、対ソ戦略を見据えて行った、米国をはじめとする西側諸国の戦略である可能性も有ると考える事も出来るのです。


②米国によるライバル国の蹴落とし
そして米国のもう一つの思惑が、同じ西側諸国のライバル国の蹴落としにあるのでは無いでしょうか?

本来石油を始めとするエネルギー資源は、現代文明を発展させるに当たり非常に重要な要素なのです。それらの消費エネルギーを減らし、コスト的に見合わない原発を量産させる事により、"1エネルギー"当たりの生産コストを上昇させる事により、日本やドイツの生産効率の低下を誘発させる事も可能となります。

最もこれらの戦略を企図して行っていたとしても、日独を始めとする先進工業国は、様々なコスト削減を行い対応してしまったようです。むしろエネルギーの多様化を促進させてしまい、ドルにペッグされた原油価格の下落を誘発するリスクを増大させたため、マイナス面も多い戦略であったと言えるでしょう。

またこれらのエネルギー需要の多様化は、相対的に原油の価値の下落と資源国の不安定化を誘発させてしまい、米国に「ドルの価値を守るための資源国への紛争介入」を行わざる得ない状況をもたらしました。

また米国自体も資源国への紛争介入(中東情勢)を中途半端に行う事により、「原油の価値」と「ドルの価値」をパランシングさせると言う、米国の通貨戦略を編み出す要因ともなりました。(毎回中東で紛争が起こるとエネルギー需要の不安から原油の高騰に繋がります。原油の価値が上昇すれば、原油引換券としてのドルの価値も安定します)


③日本の対応「対外依存率低下」と「資源国の統制のため」の情報操作
米国が地球温暖化の情報を流布する必要は分かりますが、日本は何ゆえその様な情報操作に関わる必要が有るのでしょうか?

米国の犬だからでしょうか?

違います、地政学的に見た場合、日本にも十分これら地球温暖化の情報を利用する理由が有ります。

まず第一に、グローバリゼーションの始まりつつある世界でのエネルギー政策と言う点で、米国が日本を含む他の先進国の足を引っ張るためにこの様な情報を流さなくても、先の大戦(太平洋戦争)で外国の頼る事の危険性を良く知るであろう日本では、「特定の国に対して資源を依存する様な事は危険すぎる」と言う認識の下で、これらの政策を行っていたと考えられます。

ですので「エネルギーを輸出する国々への依存度の多様化」と言いう観点や、「依存率そのものを低くする省エネ化」と言う観点から見た場合、国内を不況にして消費エネルギー量を減らし同時に原油等の輸入を少なくする事が、生存戦略として意味を持つ事になります。そのために地球温暖化対策が利用されてと見る事も出来るのです。


この考えに異論を唱える人は居ると思います。何故ならば現在の日本は原油を含むエネルギーの大部分を中東地域からの輸入に頼っており、その状況は冷戦期から変わっていないからです。これではエネルギーの対外依存を減らすような政策をしているとは思えなくて当然です。

そこで第二の理由である「資源国の資源価格を日本のエネルギー需要により統制する」と言う戦略を提示させていただきます。

日本は世界一省力化が進んだ国の一つで、それは冷戦頃から変わりませんが、本格的に省力化が進んだのは冷戦以降と思われます。これは技術とか言う以前に不況だからと言う理由が強いです。

冷戦以降のバブル崩壊による不況により、エネルギー需要が落ち込んだ日本は原発の建設を加速させ、原油だけに頼らない対外エネルギー依存体制を構築しました。当然その様な事を行えば、日本にジャパンプレミアとも言える高額で原油を始めとする資源を購入してもらっていた資源国は経済的な苦境に立たされてしまいす。

恐らく冷戦以後の中東情勢が安定しなかった理由の一つとして、資源を購入してくれる日本の金払い問題が上げられるのでは無いかと思われます。日本が調子に乗っていたバブル経済期とは一変して、資源を購入を制限し始めたのですから、いかに省エネ経済を構築していたとはいえ金満国家からのマネーの流入が先細れば、資源国にはつらい状況と言えるでしょう。(日本が世界から資金の撤収を行えば、関連国の経済を停滞させる事が出来、それらの国のエネルギー消費力も奪う事が可能となります)

そして資源国の特に原油の価格に影響を与える事が出来ると言う事は、原油引換券であるドルの価値を操作する事も出来ると言う事なのです。1990年代の日本は、これらのエネルギー政策に加えて、時の首相が『米国債を売り払いたい誘惑に駆られて事がある』等の発言を行い、米国ドルの価値を操作する様な事を度々行っています。

この様な事を行われたのならば、米国としては「基軸通貨としてのドルの価値」を守るためにドルの価値を担保してくれる存在を守る行動を取らざるを得なくなります。

その様に考えた場合、日本の地球温暖化対策によるエネルギー需要の操作が、石油の価値を自国の都合の良い様に維持しなければ成らない米国を中東情勢に引きずり込む要因として働き、経済的にも財政的にも多大な失血を強いる戦略として機能したと考える事も可能となるのです。そして当時の日本国政府がそれらの事を意図して行わなかったと言う確証はどこにもありません。

その後、中東情勢に引きずり込まれている米国をしり目に、日本は中国相手の最大の投資国として返り咲きました。中国を大国化させ、歴史問題をクローズアップさせる事により、中国を日本に敵対的な国に仕立て上げ、地政学的な安全保障として日本を守らなければ成らない米国に、侵略経路の提供と言う形で負担を押し付け、米中対立でのバランサーと成る事が出来ました。

中東はそれらの戦略を行う為の時間稼ぎの出汁として利用されたと考える事も出来ます。


★現在の日本のエネルギー政策
これは以前にも少しばかり記事にしましたが、現在の日本の「国民から非難の多いエネルギー政策」も意味が有って行っていると予測する事が出来ます。

日本は資源を輸入しなければ成らない先進国としては、世界屈指に金払いの良い国と言えます。その国が現在、長年稼働させて来た原発を停止して、ジャパンプレミアムと言われるほどの大金をはたき資源国からエネルギーを購入しているのですから、資源国に影響が出ない訳が有りません。

そして現在、2007年頃から起こった世界的な金融危機の後、中東諸国には不安定になった先進国諸国から莫大なマネーが流れ込んで超好景気になりましたが、その好景気は一瞬のモノで脆くも崩壊してしまいました。中東諸国は大混乱に陥りました。

日本は再び中東諸国から高値でエネルギーを購入しています。もし日本がこれらのエネルギー購入を絞った場合、中東諸国が再び混乱する恐れがあります。そうなったら米国が中東に再度深入りしなくては成らない状況と成るかも知れません。

米国が中東情勢に必要以上に足を取られると言う事は、極東アジア情勢に、即ち日中の対立問題にまで、リソースを割けない状況となるリスクが上昇すると言う事です。

その様な地政学的な観点から「エネルギー需要」「資源(原油)」「ドル」「米軍のリソース」を総合的に見た場合、現在の日本のエネルギー政策も、まんざらおかしな事をしているわけでは無いと言う事が分かる筈です。

今後日本が中東からの資源輸入を減らすときは、中東で混乱が起こってくれた方が良い時か、日本以外の国が中東を支える事が出来る様になった時と思われます。

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以上で全二回に渡る地球温暖化問題に関しての一考察となります。

当ブログでは何度も書いていますが、このブログで書かれている事は、ブログ主の個人の見解を書いたものにすぎません。間違いが有るのを前提の上でお読みください。(文才も無いうえに誤字脱字も有るよ♪)

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関連リンク
日本のエネルギー安全保障を地政学で見る



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