ビックデータ

2018年06月23日


今回は「叡智圏」に関する考察記事となります。


叡智圏とは何なのでしょうか?


以前当ブログで、「技術圏」についての考察を行いました。

今回の叡智圏は、その技術圏を含む「生物の知的活動によって影響を受ける全ての事象」が、その範囲に入る事になるとブログ主は定義しています。

本日はそれらの叡智圏に関するブログ主なりの考察を行おうと思います。


★叡智圏とは?
先ほども言いましたが叡智圏とは「生物の知的活動によって影響を受ける全ての事象」とブログ主は定義しています。

この定義はブログ主が自分で噛み砕い居て理解した定義で、ウィキペディアを見ると「精神や思考(NOUS:ヌース)」と「圏域(Sphere:スフィア)」を掛けた造語で、ノウアスフィア"人間の指向の領域"を意味する混合語となります。

叡智圏の成り立ちを説明しますと、まず宇宙が創造され、最初に様々なガスや塵が集まり惑星などの鉱物が作られました。これを「鉱物圏」呼びます。

その後、その惑星で様々な物質が融合し有機化合物ができ、さらにそこから生命が生まれました。そしてその生命が影響を及ぼす域内の事を、「生物圏(バイオスフィア)」と呼びます。

叡智圏とは、その生物が生きる上で行う知的活動や思考の及ぼす領域を指すのです。

なお叡智圏の定義ですが、チタマではインターネットにおける知識集積の比喩として用いられているらしいです。(ブログ主の考え方とは少し違うみたいですね・・・)


★叡智圏に属する事は?全て!
以前技術圏に関する考察を行い、「技術圏とは人の生み出す技術に影響を受ける、生活や思考を含む全ての概念的領域を含む領域」と定義しました。

では叡智圏の領域にはどのような事が含まれるのか?

ブログ主の考える叡智圏に入るであろうモノは、「技術圏」「情報」「感情」等を含み活用する人間の「知恵に影響される概念的領域を含む領域」であると考えています。ようは「人間が生きる上で行う事ほぼ全て」と言って良いと思います。


・技術(テクノルジーとソレに影響を受けるモノ)
この技術に関しては、以前書いた「技術圏」により詳しく書いているのでそちらにリンクを張っておく。

簡単に説明しますと、上でも書いていますが、人の生み出す技術に影響を受ける事を指し、新素材の開発に成功し、それにより高性能な機器を生み出し、それにより生活形態が変わったり国家間の貿易形態が変化すれば、それらの事象が技術圏の影響下に有ると言えます。

関連リンク

・情報(集積と分析など)
二つ目が情報に関してで、現在はビックデータと言う形での利用が盛んに叫ばれています。

いかに情報を収集し、分析し、活用するかを主眼に置いた事で、世代間の消費動向から天気の予報に至るまで多くの事象に関連します。

特にコンピューターが世に出て高性能化すればするほど、情報の収集、分析、活用が大切に成っており、現在で叡智圏と言えば、この情報に関する扱い方を指すものだと考える人も居る程です。

情報と言う分野は、叡智圏における影響波及や活用に関しても最も裾野が広く、古来から時の権力者は情報を制する事により、他を制すると言う形で世を治めていました。

・感情(内に秘めたる思い、行動や結果に対する反応)
情報や技術とは違い非常に見え難いモノだが、人間が行動する当たり最も重要な事です。

基本的に人生経験による人格形成から、他者との交流によりその時点で瞬間的に作られる反応に至るまで、さまざまな感情が有ります。

例えば「特定人物に特定の景気の良い行動を取らせるには、幸福感を感じている状態すれば良い」と言う事が想定できれば、特定の行動を取る様に仕向けるために、その様な幸福感の感情を誘発させる事を行う事により、目的の行動を取らせる事が可能となる。

と言う事が、集積した情報等で分析できるのであれば、人を動かす事も容易になります。

また何も知らずに、特定他者から憎しみを抱かれる対応をして痛い目を見た場合、その情報を収集し分析し次からの対応に適応させればよいのです。そうすれば同じ失敗を繰り返さない様になりますし、人付き合いの仕方が上手くなる。この様に分析や活用能力の強化経験に人付き合いがより上手に成ると言った事も有ります。


・知恵(考え方、ひらめき)
人類と言う生物が今日の文明を築き上げるのに最も重要な、他の生物には見られない変態的とも言える思考。

「人生経験」や「学問、伝聞」や「何気ない日常での出来事」に潜む"何か?"を脳内のネットワークがおかしな組み合わせを行い、突発的な閃きや発明を行い、人が人として存在する最大の公共組織である文明を発展させる原因と成る人間特有の能力。

同時に、発明や発見以外でも、古来から受け継がれてきた種としての、第三者から受け継いだ知識の活用能力。

また"価値"や"理念"や"システム(構造)"等の形の無い概念を定義し活用する事も含まれる。


★国家間での叡智圏の戦い
現在の国家間の生存競争では、これらの叡智圏を制御できるかの競争であるとも言える。

そして「戦略」「地政学」「軍事」「情報」「通貨」「民衆心理」「価値観」「知識」「大義名分」「歴史」「技術」「物流」「生産」「生活」などあらゆる分野で叡智圏の戦いが繰り広げられており、これらの事をどの様にして扱うかが国家の命運を決める事になります。

例えば、国家が国家と戦争する時、いきなり戦争行為になるわけでは有りません。その全段階で戦争にならない様に交渉するなり恫喝するなりします。

それら恫喝や交渉を行うにしても、相手国の国力や自国の国力や技術水準を比較したり、投資により技術優位を確定したり、物流や生産に影響を与え戦争を無益さを伝える事により、民衆心理を操作し、実際の戦争行為に発展させない様にします。

一旦戦争が避けられない事を覚悟すれば、開戦時期がどの時期に成るかの情報を集めたり、どの様な物資を集めてどの様な作戦を立てようとしているのかの想定や訓練を行ったり、偽情報を掴ませたり、国際社会に向けて自国の大義名分を吹聴したり、そもそも相手国を戦争できない状況に追い詰めたりと、色々な事前準備を行います。

そしてそれらの事を行ったり、行われたりするのを予測するのに、大前提としてその国の自然環境から形成される国家や国民の価値観や歴史や産業を知らなければ成りません。

それらの情報を収集した時に、相手国がどの様な価値観の戦略の下で戦おうとするのかが理解でき、同じように自国が理解されている事を前提とした戦略を立てて、共に戦争行為を行うのです。

これらの行いは、一つ残らず叡智圏に属する問題で、そもそも戦争だのと言う事が起こる前の平時の時から、これらの事を考えて国家運営を行わなけらばなりません。

そのため国家間の生存競争とは、即ち、叡智圏の領域から如何にして相手国に戦わずに"生存圏"と"生存権"を勝ち取るかの問題となります。


最も重要な事は、「全体の流れを伴う"世界の分析"と"敵性国家の世界観の制御"」で、

次に重要なのが「世界の法則に反しない政治外交や同盟などの"大戦略"の行使」で、

その次に重要なのが「技術やインフラや人材などの国力の整備と運用」で、

重要度が下がるのが「実際の戦争が行われたらどのように戦うのかの作戦」と成ります。


★世界観は他の項目にどの様に影響するのか?

叡智圏に置いての戦いで最も重要なのが、上記で述べた通り「世界観の制御」です。

何故、世界観の制御が大事なのかと言うと、人間や国家が何を前提に戦略的な動きを行うかと言うと、それは世界観を前提にした考えや行動を起こすからである。

特に国家において最大の安全保障は、他国との安定的な貿易や同盟関係の構築が上げられますが、世界観の勘違いから、他国の価値観を間違った形で解釈し、間違った対応を取る事により、国家間の関係悪化や同盟関係の破綻を誘発する事により安全保障を危機的状況に導いてしまう事も有るからです。


例えるならば、国家を運営する政治家が、「我が国が"A"と言う外交行動を起こせば、他国は"B"と言う対応を行う」と言う考えで外交戦略を進めても、現実には他国が"C"と言う行動を取ると、政治家は"B"と言う行動を取ると言う勝手な思い込みで外交を行っていた事になります。

そして世界観の制御と言うものは、本来該当国が"A"と言う外交行動をすれば、他国が"C"と言う対応を取るにも拘らず、「該当国が「他国は"B"と言う対応をする」と言う認識を植え付ける」と言う事なのです。

どの様な形で世界観を制御するのかと言うと、餌を与えて誤認させると言うのが最もスタンダードなやり方です。どの様な餌が有るかと言うと「相手国が間違った行動を行うたびに、利益を与える」や「相手国が非難される行いを行えば、称賛する」などが世界観の制御として機能すると考えられます。

これは以前当ブログで記事にした、「戦略における勝利と敗北」でも記した通り、敢えて利益を手放し相手に取らせたり、過剰な勝利を与え正義に仕立て上げる事により、相手の「自身の行動による得れる権益の誤認」や「第三者の世界観(世間の目、国際社会の目)の誤認により、勝利や利益を得た人の動きを制限する」などがコレに当たると思われます。

以上の事から、勝利を与えたり利益を与えたりするためにも、世界観や大戦略より下の部分である「技術の流出対策」「一時的な名声と汚名」「戦争での勝敗」等で、後背を見なければ成らない事も必要なので、国家や国際政治の情報を見る上では、その辺りの情報を疑って見る必要も有るのでは無いでしょうか。

関連リンク

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今回の叡智圏に関する説明は、あくまでもブログ主の主観的な解釈を書いたものとなりますので、「ブログ主の考えているのは、叡智圏の説明では無い」と言う人も居ると思われますが、華麗に無視して頂きたいと思います。

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