中国軍

2018年02月18日

今回は、中国の世界進出に関してです。

近年成長著しい中国が、その巨大な消費力と工業力と人口を支えるために、世界への進出をハイスピードで進めています。2000年代に入り世界の工場と化した国力で札束外交を行い、各国のインフラを始めとする社会資本を差し押さえ、今や中国の都合の良い形での使用を目指した外交方針を行う事を隠しもしないため、ひんしゅくを買っているようです。

中国は、この様なかつての植民地主義および帝国主義的なやり方が通用すると考えているのだろうか?

もしその様な事が実現でき、中国が世界一の大国にさせることが出来ると考えているのであれば、その道の先には悲劇的な末路しか用意されていない様に思える。

本日はその事に関して考察しようと思う。


★中国の人員と供給能力の海外輸出

近年、なぜ中国はこれほどまでに海外進出を進めようとしているのだろうか。そこにどの様な意図が有るのだろうかと、多くの識者が色々な持論を述べている。

最も中国人が中国大陸以外の海外に移民を輸出する事は、今に始まった事では無く古来からの事である。

中国は、元々中原と言う膨大な水資源を持つ土地を保有し、膨大な食糧自給の出来る国家である。しかし、シベリア寒気団等の大陸からの気団の影響をモロに受ける土地でもあり、豊作の時に増やした人口を、不作の時に維持する事の出来ない。

ただでさえ世界屈指の人口を要するのに、それが維持できない状況に成る事が多々ある地域であるため、自国で養えない人口を海外に押し付ける口減らしを行う事は今に始まった事では無い。

とは言え近年の中国の移民流出政策は、自然環境の急激な悪化による食糧不足の為に行われている分けでは無く、改革開放政策以降の海外からの資本流入による急激な発展による人口爆発とソレによる余剰人口排出と、同時に投資により巨大になり過ぎた供給能力を海外にひも付き移転するためと、その移転させた地域の支配を目指した、中華中心の支配体制確立の為の政策では無いかと言われている。

しかし、外資の急激な流入により発展した中国は、付加価値の高い産業を起こしてくれる外資に引かれると、急激なキャピタルフライトが興り経済が破綻してしまう。そのため自国の資本を安易に海外に投資すると、国民生活が不安定になるリスクに絶えず晒されている。だからこそ他国の資本を利用した、中国企業と中国人による対外インフラ開発を行わなくては成らなくなった。故に設立されたのが、何年か前のAIIB(アジアインフラ投資銀行)だと考えられています。

それらの経済政策を、世界戦略として昇華させたのが一帯一路構想だと思われる。

果たしてこの戦略は、上手くゆくのだろうか?


★中国の海外進出は上手く行っているのか?
AIIBを通した移民と供給能力の押し付け戦略は、上手く行っているのだろうか?

これに関しては、必ずしもうまくいっているとは思えない。インフラ投資が必要な途上国以外の国は、ある程度のインフラが整えられているため、それら自力でインフラ投資をできる国々での売り上げは見込む事は出来ないだろう。ましてや自国民を雇わずに中国移民を押し付けてるのであれば、それらの安定した国々では、拒否するところの方が多いと思われる。

そのため途上国の中でも、自国で自国の維持が出来ない国が主な商売相手になると思われます。

①上手く行くのは最初だけ
もともと中国の海外へのインフラ投資は、AIIBから始まる事では無く、日米主導のアジア開発銀行におけるインフラ投資発注の多くが中国に任せられていた事に始まると考えられる。

そのやり方に学んだ中国が中国主導で、より自国の有利に成る形での投資を行おうと設立したのがAIIBで、その名の通り安定した国での投資が行い難いため、時には危険な途上国でのインフラ開発を請け負う事により、中国国内の不安定要素を押し付ける事に利用したのである。

ではこの経済戦略を上手く行くのだろうか?

投資した国を謝金まみれにし、その国の港を差し押さえたり、現地に中国人労働者を送り中華街を作り中国の影響力を拡大したりしている。

現在では上手く行っているように思える。

しかしこれは未来永劫、成功している状態を約束するものでは無い。

考えても見てほしい、本来自分達の力ではインフラ開発を出来ない様な不安定な国に対して、インフラ開発の援助を行い生活向上の援助を行う目的でのシステムがAIIBなのに、実際には中国が自国人にお金が回る構造を作り上げて、必ずしも現地人の為になっているわけではない状況となっている。

ましてや現在の世界は、先進国の金融緩和により大規模なバブル経済が形成されている。これが崩壊した時には世界全体が資産デフレの恐慌に陥る可能性が大である。
その様な場合、中国が投資した国の治安等はどうなるのだろうか。


②中国が先進国に行っている事を、中国が途上国でされる?
今後の世界情勢を考える上で、現在の好景気がそのまま続くと考えるのは非常に危険である。一度でも不況に成れば、自国で自国の事を維持できない国家であるほど、敵を作り国内の統制に乗り出す事だろう。

例として挙げれば近年の中国だ。2010年頃にあった漁船衝突事件の後で行われた反日運動に相当するナショナリズムの発露が、世界各国で起こらないと言う確実性はどこにもない。

ましてやそれが中国の投資した地域で起これば、現地に居る華僑や中国の資産はどうなるのだろうか? 不安を覚えざるを得ない。


★日本の対応
上記の問題に対する日本国の対応として適当な対応を予測してみた。

①中国に労力の掛かるインフラ投資を行わせる
まず第一に多くの人達が誤解している事が有る。即ちインフラ開発は儲かると言う幻想である。インフラストラクチャーは基本的に開発から補修までを継続して発注してもらう事でようやく設けることが出来る。

逆に開発だけで継続的な補修を受注できなければ必ずしも大儲けできる様な産業では無い。最初は安く開発して後の補修で総合的な利益を確保するのだ。

であれば日本としては、最も開発コストのかかる初期投資の部分は中国に任せて、そのインフラを継続的に利用する上で発注せざるを得ない分野を制するべきである。

例えば、インフラを開発した後の高度化の補修、デフレ時代の経験を生かした駅前開発の産業振興、インフラ開発する事による人の集中を予測したサービス産業の投資などが挙げられる。

無論、中国も似たようなことを行うかもしれないが、国内開発して何十年もたっている日本の企業の方がノウハウを多く持っており、また中国の産業自体が日本の投資を受けて発展した後追い産業である事を考えると、日本の企業の方が有利に現地に展開することが出来るかもしれない。

更に強引な中国の対外進出を危険視したアジア各国が、日本に対してアプローチを掛ける事は十分あり得る。ただし途上国も強かで投資の負担になる部分を押し付ける政策を行う可能性大だが、日本としては行動な部品等を組み込む形で現地のインフラや産業を制御すればよいと考える事も出来る。

②途上国にインフラ技術を教えろ
日本の行う事は基本的に付加価値の低いインフラストラクチャーの輸出を、日本人が現地に大挙して押しかけて行うのではなく、現地の人達に行わせてノウハウを学ばせ、より少ない人数で効率的に利益を上げる事の出来る産業に集中するべきである。

この様に考えれば、インフラ建設は中国に任せてしまい、日本企業が現地人に補修工事技術を教えて、中国が継続的に補修で利益を上げれない様にすると言う戦略も有効と思われる。

③中国に海外投資の維持負担を押し付ける
最も重要な事は、中国が自国の人を養うために膨大な海外投資を行い、その海外資産を守るためにも過剰なまでの軍拡を行わざるを得ない国であると言う事実を認識する事だ。

そうすれば、もし進出した先の現地で中国人が事件に巻き込まれ、中国の国益に損害を被る様な事が起こった時に、中国軍に介入させれる様に出来るだろう。

よって中国がインフラ投資して中国系移民を送り込んだ地域に日本も投資すれば、景気の良い現地に対して中国人も移民し深入りする事だろう。同時に、いつでも現地の経済を産業面から不安定化させれる様な工作を行うべきである。こうする事で中国が過剰なまでに現地に介入し、反発や軍事負担を負うリスクを増大させることが出来る。

この様な考えを持てば、むしろAIIBには限定的な協力を行い、中国が現地から引けない状況を作り上げるべきであると言う戦略も考えられる。

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以上が中国の海外進出に対しての考察となる。

一応アジア各国の事を書いているが、中国が進出している地域は、アフリカ大陸まで網羅している事を考えれば、一帯一路の海の部分の投資戦略も有る程度加担して日本が制御できる範囲内で、中国に海洋アジアからアフリカまでの投資負担を背負わせて、現地紛争のリスクを押し付けるべきであると考える事も出来る。

そのためAIIBで中国が勢力を増大させているとしても、本当にそれで築いた勢力を維持できるかどうか全くの別問題であると言えるため、現在の状況で日本人が不安を覚える必要は無いと思える。

今回書いている記事は、全てブログ主の見解を書いているだけなので日本国政府や企業がこの様な事を考えて行っているかどうかは、確約できないのでそれを前提の上で読んで頂きたい。

今回の記事は、以前書いた≪インド太平洋VS一帯一路≫の補完記事ともなります。

本日はココまで!!


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