借金

2020年06月19日


今回は「大国の解体のリスク」の米国編となります。

前提の説明に関しては、前回や前々回をお読みください。

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★米国解体の要素
では大国として存在するが故に国家解体に向かってしまう要素は、米国にはあるのでしょうか?

米国と言われてイメージできる事は、

広大な国土
豊かで多様な自然環境
移民の国
人種の坩堝
民主主義国家
国(州)が集まった連邦制の国家
覇権国家
海洋国家
経済大国
軍事大国
借金大国


と成っています。

これ等の要素をから中国やロシアと同じような結論を導き出す事が出来るのでしょうか?

まず「広大な国土」と「豊かでた様な自然環境」に関しては、国土とインフラストラクチャの維持コストが掛かると言う点は変わりません。

ですがここからが中露とは異なり、長大な国境線を有しているとは言え、実質的に国境が接している国が「カナダ」と「メキシコ」の二国しか存在しないと言う点です。

またカナダに対しては、「アラスカ」と「デンマーク領グリーランドに存在している米軍基地」から包囲できる軍事状況を確立しているため、その国力さからもカナダとメキシコに対して挟み撃ちにされるリスクが少なくなっています。これにより中国やロシアに比べると圧倒的に陸上国境に費やす防衛リソースが少なくて済む事が分かります。

そして「移民の国」である事や「人種の坩堝」で有る事に関しては、豊かで多様な自然環境の事を考慮した場合、民族の混血が少なくなり、より多様な文化が成立しやすくなる条件として成立していると考えられます。

これは国家を運営するに軸となる勢力が成立し難い事を意味しており、おかしな政治統治を行おうものなら国家の解体に繋がるリスクが有ると考えられます。実際アングロサクソン系の白人が有力な勢力であった頃は、ある程度安定していましたが、それ外の人種が台頭し始めると白人優位政策は限界を見せ、米国社会内部を混乱させる原因として取り上げられる事も多くなりました。

米国はこれらの国家分裂を促すリスクを驚くべき方法で解決します。

即ち、「むしろコントロール可能な範囲で分裂させて良い」と言う突き放した運営方式です。

これは米国内で白人優位政策が通用しなくなってから始めた事では無く、建国以来から行っていた国家を成立させた枠組みが、偶然その様な多民族・多人種で構成された国家を安定させる要因として働いたと考えられます。

つまり「民主主義国家」の制度や「国が集まった連邦制の国家」として側面がソレを可能にしたと考えられます。

これは「多様な自然環境の下で成立する民族」や「世界中から流れ込んで来る多様な人種」によって成立する「他民族・多人種による収集の無さ」を「投票による自己を生存させるための政治家を選ぶ選択権の自由の行使」と「米国を構成する多様な州の多様な政策によ住処の選択権の自由の行使」によって多様な民族と人種の人達にある程度の満足を与え、米国に対する反発を最低限に抑えていると言う事です。

簡単に言えば、国家を構成する主体になる存在(州、自治体、企業、個人)に出来る限り選択の自由を与える事によって、不満が湧き難い状況を作り、分裂に及ぼうとする意欲がわかないようにしたと言う事です。

またこれとは別に移民を積極的に受け入れる政策も「特定の人種・民族が一強に成らず、他の自弱小人種・民族の団結を促す国家分裂」の状況を歯止める政策として機能していると考えられます。(混乱はし続けますが、それをコントロールし続ける事を前提とした場合、優れた政策であると思われます)

米国は、その国家としての成立・過程の問題から、どうしても多様性と自由を担保しなければ成らない国家として現在まで続いてきましたが、結果的には国土や自然環境から派生する諸々の国家分裂のリスクを封じ込める事に成功したと考えられるのです。


ただし国家分裂のリスクが無いとは言えません。

上記で述べた事は、あくまでも常に混乱している状況をコントロールできる事が前提に有るのですが、自由による混乱がコントロール不可能になった場合は、全てが諸刃の剣に成る可能性が有るからです。

そのリスクの要素として挙げられるのが「覇権国家」「海洋国家」「経済大国」「軍事大国」「借金大国」と言う点です。

これ等の要素は、その全てが他国から見た場合、最後の借金大国と言う点以外は羨望のまなざしで見られる様な要素なのですが・・・

この最後の借金大国の借金と言う要素は、覇権国家であり世界の治安維持に責任を持った政策、即ち覇権国家の地位から滑り落ち没落するリスクから生じた「世界秩序維持のための軍拡」や「経済を維持進為の輸入超過」や「輸入する為の海洋路防衛負担」を行わざる得なくなり出来た借金となります。

そしてこの借金と言うモノが米国最大のリスクとなります。

この借金の爆弾が爆発した場合、その後の経済対策に失敗した時、異常なまでのインフレーションやデフレーションやスタグフレーションを起こす要素として働く可能性が有るのです。

その米国政府自身が制御不可能な経済的混乱が生じた場合、先に述べた「人種・民族の統合の無さ」や「州の自治権の強さ」がマイナスに作用し、国家の分裂を促してしまう可能性が出てくるのです。

また常に移民が流入し続けて、「遺伝子的な人種統合」が歴史的な問題と棲み分けの問題から妨げられている現状も最終的な単一民族のとしての統一が成されず、将来的な分裂リスク上昇に一役買っていると考えられます。

正直なところ米国と言う国家は、覇権国家に成りさえしなければ、世界最強の国家として成立し続ける事の出来る国家であると考えれるのですが、覇権国家であったばかりに将来的な崩壊に至るリスクを内包する国家に成ってしまったと考えられるのです。(でも覇権国家に仕立て上げられちゃったんだよね・・・)


★三大国の崩壊リスク
さて米中露の三大国の大国であるが故に崩壊するかもしれいないリスクを考慮した場合、その崩壊しやすさから順位付けするとすれば、一位に中国、次点でロシア、最後に米国が挙げられます。

これは中国とロシアが大多数の主力となる民族を中心に独裁体制を布き、また地理的な防衛負担リスクに晒されているためこの順位となりました。

ただしこの考察は、あくまでも現時点での国家と国境線が縮小解体を前提に置いた国家解体のリスクであって、国家を構成する主要民族が「国土の一部を手放しても安定した勢力維持が出来る国土社会体制にしたい」と思って行ったコントロール目的の限定的解体さえも、国家の崩壊の区分に入れている居るため、この順位に成っています。

逆に言えば、中国とロシアの二国に関しては、中国は漢民族が、ロシアはロシア民族が生き残るための「制御可能な軍事的負担が生じにくい国土切り離し」さえ行う勇気が有るのであれば、国体を残し主要民族が生き残るれる可能性が有るかも知れません

ですが米国に関しては、借金大国としての清算を行う過程で、最終的に国家の完全な崩壊が起こる可能性が有ります。むろん「緩やかな解体」であるか「劇的な崩壊」であるかは分かりませんが・・・


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以上で全三回に渡って書かせていただいた「大国の解体のリスク」を終了させて頂きます。

一応日本編も書こうと考えていたのですが、今回は集中力が続かないので断念する事にしました。

なお当ブログで書かれている事は、あくまでもブログ主個人の見解に過ぎませんので、間違い等が有るかも知れません。それらのリスクを前提の上で閲覧してください。

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nh01ai33 at 07:00

2018年08月05日

本日は国が国に対して行う「借款」に関しての考察です。

借款とは、国が国に対して行う借金の事を「借款」と言う単語で表します。基本的に借金と同じ事です。

この借款ですが、基本的に大国が小国に、もしくは先進国が途上国に行う事が多く、大国間や先進国間で行われるお金の貸し借りに関しては、なぜか借款と言う言葉を使用せずに、「国債の購入」と言う言葉を使用したりします。(・・・借款なんだけどね)

ココでお金を貸す側である、先進国や大国によって、それぞれお金の貸方の特徴が表れています。今回は、それらの世界各国の借款の特徴を考察したいと思う。


★日本
日本の途上国に対する借款は、円とドルで貸し付ける借款で、僅かばかりの無償で行う支援協力と、返済を基本とした有償援助に分けられています。

無償援助は、社会システムの構築に関わる、「人材育成」や「戦争で荒廃した国土の復旧のためのインフラ投資」や「防疫の援助」等が主と成っています。

有償援助は、既に構築された社会システムの上で発展する為の開発投資を行う場合の借款で、「鉄道の建設」や「日本の会社が進出する為の団地開発の援助」などがこれに当たると思われます。

有償有利子の借款に関しては、基本的に返してもらうのを前提で貸し付けているが、どうしても返せない場合は「減額」か「帳消し」等の対応を取る事も有る。これも援助される国の自立性を維持すると言う名目が有るためです。

他の欧米先進国から、日本の援助は「日本企業が現地に進出する為の紐であり、必ずしも現地に人の為になってない」と言われる事もあります。

そのため、近年では少しばかり状況が変わりつつあるようですが・・・


★欧米
欧米による途上国支援は、無償援助が多いと言われています。・・・と言うか、基本的に無償援助である。

これは恐らくだが、「帝国主義時代に世界中を荒らしまわった罪悪感から行っている可能性」と「途上国の自立心を剥奪する構造にするためである可能性」の双方が考えられる。

この欧米のやり方である無償での援助は、途上国の短期的視点で見た場合、援助を貰い返済しなくても良いため、うまい汁が吸えるように思えるが、長期的な視点で見た場合、先進国の返済しなくても良いマネーや供給能力が自国の内部で循環する事になるため、自国の努力で生み出した以上の生産力で養える以上の人口増大に繋がり、人口や治安の維持ができなくなる可能性が増大し、結果として「途上国破壊戦略」として成立します。

現在のアフリカ諸国が発展できない理由は、正にそこにあるのでは無いかとブログ主は考えている。

関連リンク
本当は怖いお金の話


★中国
中国による途上国支援は、欧米や日本とは一味違う。と言うよりも、ぶっちゃけ帝国主義時代の侵略と土地収奪そのものである。

まず第一に援助と称し、その国が返済できない程の金額を貸し付け、第二に中国人労働者を送り付け、第三に現地の雇用を奪い、第四に現地の資源を中国に送り、第五に現地の支配者と癒着し、最後に返せなくなったら資産や土地を没収するのである。

このやり方は帝国主義時代に欧米列強の大国が、アジア、アフリカを始めとする工業化を成功させれていない国に対して行っていた事そのもので、当時の事を非難の材料として提示されている欧米諸国には、過去の恥を思い出させる事なのか、甚だ評判が悪いです。最も中国としては、欧米諸国が過去に行っていた事なのに、なぜ中国が行い非難されなければ成らにのか不満を感じているようです。

第一に、お金を貸すと言うのは良いとしても、貸す用途が現地に送り込む中国人労働者に流れたり、現地の支配者に流れたりして、現地の一般民衆に恩恵が無いのであれば、現地人としては自分達の土地に赤の他人が侵入してきただけの事なので、現地への貢献になる訳が有りません。

第二に、労働者の送りつけは、実質上の植民地主義の政策で、これらの行いで原住民が殲滅した土地は、大航海時代以降、数限りなく存在しています。

第三に、現地人の雇用を奪うと言う事は、ただでさえ流入民が多く土地が足りなく成るにも拘らず、土地や土地から取れる農作物の価格が上がるため、所得の方が上昇しないもしくは下落する事になります。これは原住民の生活の破壊に繋がり、実質上の少子化政策及び移民受け入れによる民族の遺伝子浄化政策となります。

第四に、開発した資源を現地の人の役に立てずに、本国に送るばかりでは現地人の生活向上には繋がり難いです。また投資したインフラに関しても、結局のところ中国人の為に作ったようなもので、これも形は穏健ですが帝国主義時代に欧米列強が支配地域に投資して作ったインフラを、現地人に使用させずに列強による現地支配の強化に利用したのと、さほど変わら無いと思われます。(フランスによるベトナム支配など)

第五に、現地の支配者や政治家の懐にマネーが流れ、その利権に依存させ、最悪親中政策を行い自国のために働かない政治家だらけに成る可能性も有ります。ただし、この場合でも政治家が面従腹背でお金をもらうだけの為に、親中のふりをしているだけの可能性も有り、同時に中国と敵対するであろう米国に対する「親中政権になった困るだろ。中国にて期待する国も、中国に負けない様に我が国に投資して」と言うメッセージを伝えたくて行っている可能性も有ります。

最後に、借款を返せなければ土地を実質上の割譲をさせられるのは、帝国主義時代に清国が香港を租借させられたのと同じ事です。現在では借款が返済できないからと言って領土を割譲させる様な真似を行えば、国際的に批判をを受けるため、暗黙の了解としてどこの国も行いません。

以上の事から、中国の途上国の支援協力は、人口侵略のツールとして、もしくは軍事戦略の為の要所確保として側面が強く打ち出されており、現在では先進国から非難の声が上がる様になり始めています。


★近年日本も欧米に

近年、欧米からの圧力で、日本も無償援助を増やす事もしています。

また近年は、援助も国際入札に成りつつあるので、日本の企業が日本政府の海外に対する援助プロジェクトを落札できない事も増え、日本の企業も美味しい汁を吸えない状況に成ったとも言われています。国際入札では、より公正な競争原理による援助を行う為に、低コストによるインフラ建設を行える業者が受注するので、人件費の高い日本の会社では、競争に負ける事が多くなります。

言うなればお金だけ支出させられて、日本と途上国の絆を築く事の出来ない支援に成り下がったと言う事です。(しかも、インフラ建設の受注を行うのが中国の国営企業とあっては、日本は中国の途上国侵略の手伝いをさせられている様なものでは無いでしょうか?)

本来の日本の援助は、投資受け入れ国の人が日本の指導の下でノウハウを学びながら、最終的に自分達で同じ事が出来ようになる様な支援でしたが、日本の企業の勢力拡大のためだと言う欧米からの批判を受けて、だんだん欧米式の援助が拡大され始めています。

これを日本の途上国に対しての「自主独立の為の援助による支援」の後退を見なす事も出来ますし。途上国への「人口と産業」の側面から見た、消費力と生産力の破壊戦略と見なすのかによって、日本が途上国にどの様な意図をもって支援しているのかの考察が変わってきます。

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以上を持って大国からの途上国への借款・援助に関しての特色と考察に関する記事を終了しようと思います。

もしかしたら間違った情報を基に、間違った考察をしている可能性も有りますので、馬鹿正直に信用せずに、閲覧者様ご自身でも調べて見てください。

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