少数民族

2020年09月30日

今回は、ネット上で叫ばれている中国共産党政府による「中国国内における少数民族の言語抹殺」に関しての考察となります。

さて近年に入り中国共産党政府による中国国内の少数民族に対しての弾圧が激しくなりつつあります。

香港の自治問題に関しては、一応は同じ漢民族内の政治問題であると言えます。ですがそれ以外の少数民族に対しての「少数民族側から見た文化の弾圧」に関しては、中国共産党政府が掲げていた少数民族の文化保護を共産党政府自体が反故したと取られても仕方の無い政策と言えます。

実質上、別民族と言っても良い少数民族に対してこの様な行為を実行すれば、中国国内における少数民族の反共産党政権感情の炎に油を注ぐこと請け合いです。

事実、ここに来て中国国外にいるこれら少数民族の人達による反中国共産党キャンペーンが世界規模で活発になっており、日本のネット言論界に置いても内モンゴル自治区における、モンゴル人のモンゴル語による教育の共産党政府による強権的縮小政策が取り挙げられる事態に成っています。

この中国共産党政府による少数民族に対しても言語文化の抹殺に関しては、日本国内メディアでは全くと言っていいほど取り上げられません。

ブログ主の見解として、「日本にもある程度の責任がある」にも拘らず、この問題をクローズアップしないのは、日本の政界とマスメディアが癒着した何らかの情報操作の一環なのでは無いかと言う疑惑を持たざるを得ません。


★内モンゴル自治区で始まった文化・言語抹殺!?
さて現在日本のネット言論界に置いて中共政府の少数民族に対しての弾圧として取り上げられているのが内モンゴル自治区のモンゴル系中国人に対してのモンゴル語教育縮小政策です。

これは、今まで内モンゴルに置いて行われていたモンゴル語による教育を漢語に置き換え、モンゴル語を外国語の扱いして主用な教育から排除しようとしているとも受け取れる政策を指します。

これ等の政策は、なにも内モンゴルだけの問題では無く、他の少数民族の地域でも行われている事です。

なぜ中国は、国内の少数民族に対してこの様な強権的な態度の文化抹殺とも取れる政策を強行してしまうのでしょうか?

確かに見ようによっては「共産党政府が少数民族の言語を抹殺しようとしている」と見えなくも有りませんが、別の見方をすれば「何も共産党が望んで行おうとしている訳では無いのでは無いか?」と言う考察も可能なのです。

なぜか?

ソレは内心ではどうなのかは分かりませんが、表向きには中国共産党政権は共産主義を掲げているからです。


★学術レベルの差が所得の差に成ってしまう
では共産党が共産主義を掲げていることが、なぜ少数民族の言語抹殺とも受け止められてしまう政策を推進する事に繋がるのでしょうか?

理由として「漢民族の所得」と「他の少数民族の所得」に大きな差が出ている事を要因として挙げられるからです。

そもそも昔から中国を支配した外国人王朝は、中国の文化を受け入れ自民族の文化に取り込んできました。これは漢民族の進んだ文化を自民族内で消化吸収し、自民族の文化を発展させるためです。

ですが、その政策を行えば行うほど、少数の漢民族以外の文化が圧倒的な漢民族文化に圧殺されてしまい、縮小してしまうと言うパラドックスが起こる原因にも繋がってしまいました。

事実、現在の中華人民共和国以前に中国を支配した少数民族の王朝である、清朝は狩猟民である女真族の王朝でしたが、長期に渡る中原支配を確立するに当たり漢民族の文化を受け入れ過ぎてしまい、ついには女真族の言語を漢民族の文化に磨り潰されてしまう事態に陥ってしまいました。

これは古代から数千年の蓄積の下で発展した漢字を基盤とした中国文化の方が、文化面に置いて圧倒的な競争力を有しているから起こってしまった事で、文化的に蓄積の無い他の少数民族の言語と対した時、その数千年の歴史が結果的に少数民族の文化言語を学ぶ価値の無いモノにしてしまう事から生じてしまった事なのです。

無論、これ等の事象は女真族だけでは無く、中国を構成する他の少数民族にも同じ事が言えます。

中国に置いて最先端の学問を学ぶためには漢民族の言語を学ばなければ成らない。学ばなければ付加価値の高い産業で働く事が出来ず所得格差が生じてしまう。

そして共産党が裏ではどうなのかは分かりませんが、表向き所得格差を是正する事を掲げた政権である限り、少数民族と漢民族の所得格差問題を何とかしなければ成らず、そのために少数民族に自民族の言語よりも漢民族の漢字を覚えさせなければ成らなくなり、結果的に「少数民族に対して自民族の言語教育よりも漢字教育優先の教育を押し付ける政策を取った」と思われてしまう政策と成ってしまったと考えられるです。

では最初に述べた「日本にもある程度の責任がある」とは、どの様な意図が有るのでしょうか?


★日本文化の受け入れ難易度が学問レベルに影響を与える?
先に述べた「日本にもある程度責任がある」と言うのは、「日本が悪いと言う意味では無く、結果的に日本が中国共産党に中国国内の少数民族の言語抹殺とも取れる政策を行わざる得ない状況を作り上げてしまったのでは無いか?」と言う事を指します。

中国国内に置いて漢民族の「漢字文化を含む学問習得形態」に日本の文化輸出が強く影響を与えています。これは日本が中華文明の影響を受け千数百年の間に安定した文化発展を成し遂げ、漢字文化を自民族文化として消化吸収し終えて、独自の文化圏を築いてきた事に原因が有ります。

そして明治維新によって欧米の思想を受け入れ、和魂洋才をキャッチフレーズに日本風にアレンジする事によって日本文化を維持したままアジア初の産業革命に成功し多くの思想や価値感を発展させる事により先進国化しました。

また日清・日露両戦争を切り抜けアジアの大国となった日本は、中国以上に進んだ国であり、また先進国の証拠として自国の言語で高等教育を実施できる国でも有りました。

そのため当時の中国の人達は、進んだ欧米の価値を学ぶために、白人種と渡り合えて同じ漢字を使い高等教育を行える日本において学問を学ばざるを得ませんでした。

皮肉にも日本が漢字を使用した教育で先進国としての道を切り開いた事により、現在まで続く「中国国内における漢字教育を学んだ者が優位に成る」環境の構築に一役買ってしまったのです。

中国国内に置いて漢民族以外の民族が自民族の言語で高等教育を行えないのと対照的に、先進国である日本と同じ文字を使用し、文字による文化や思想の受け入れが行いやすかった漢民族が他の少数民族に対して教育格差から来る圧倒的な所得差を生じさせる要因となった事は否定できません。


★結果、日本が中国を分裂させている?
以上の事から、結果的に日本が「日本風にアレンジした漢字文化による先進国化」と「改革開放路線以降から続く中国に対しての文化・学問レベルの支援」と言う環境を作り上げた事によって、中国国内における言語の違いから生じる所得格差を作り出し、自民族の言語を大切にする少数民族に中国共産党に対する反抗心を抱かせてしまう事で、民族問題の火種を促進させてしまったと言えるのです。

日本が此処まで理解して上で中国や中国人に支援を下のかどうかは分かりませんが、「日本列島とユーラシアの地形などが似ており勢力図や歴史の流れも似た様になる」と言う前提を意識した場合、分かった上でこの様な中国支援を行った可能性もゼロでは無いのでは無いかと思えてしまいます。

そう言えば、日本もかつて朝鮮半島を統治下に置いた時に、現地の韓民族に言語教育をしましたが、日本語に関してはあくまでも高等教育に置いて学ばせる一言語扱いして、朝鮮半島の人達にはハングルを基本とした教育の普及を行っていました。

言語が民族の垣根を作る事を意識した場合、日本人と韓民族の間で別々の言語での教育を普及させていたと言う事は、最初から朝鮮半島を日本に組み込む事を拒否したかったと言う意思の下で朝鮮半島支配を行っていたとも見なす事が出来るのでは無いでしょうか?

この様な認識を抱いた場合、「日本て昔から数十年後の事を考慮の上で色々な政策を行っているんだな」と思わざるを得ません。

日本の政治家が無能のフリをした策士である事に感謝したいですね。

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以上を持って「中国、少数民族言語を抹殺!?(副題:日本の言語操作戦略?)」に関しての考察を終了させて頂きます。

なお当ブログで述べている事はあくまでもブログ主個人の見解に過ぎません。間違い等が有る可能性を前提の上で閲覧してください。

本日はココまで!!

関連リンク
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