日本の大戦略

2018年11月22日

当ブログでは、以前から日本が大国の間でバランスを取りながら軍事拡張競争を煽る戦略を採用し、世界全体をバブル化させ、実質上「世界中の国々が自国だけでは、自国の産業や人口を維持できない状況に追いやる事」によって、その状況をマネーの注入によって唯一維持管理できる日本の安全保障に繋げていると述べてきました。

関連リンク:地政学、経済・産業、哲学でみる日本の戦略


そしてこの状況は、世界では大航海時代から始まり、日本では戦国時代の終わり掛ける頃から作り始められた事で、世界中の富を欧州に集中させ帝国主義を誘発し、現在の世界情勢に繋がる流れを生み出した結果、確立できた戦略でも有ります。

関連リンク:地理と歴史と資本の流れで見る日本の戦略


更に「日本と世界の歴史の類似」でも取り上げた考察や、前々から述べている日本が確固たる長期戦略を軸に国家を運営していると言う考察を基準にした場合、日本の国家戦略に関して一つの結論を導き出し事ができます。

関連リンク:真・日本は世界の雛型論、日本と世界の歴史の類似シリーズ


即ち、「日本は江戸時代ごろから、世界の各地において"どの様な国が出来るのか?"、"どの様に人が動くのか?"それらを計算の上で、世界に富を注入させ、日本の都合のよう様に使える国の設立や大国化を援助し、国家戦略で利用してきた」と言う考察ができるのです

更に

「国家の目的は生き残りである」や

「世界制覇(征服や統一)は不可能である」や

「敗者も歴史を動かせる」や

「生まれたばかりの国は、人間と同じで若い人と同じで悪い事と良い事の判別がつかずに、勢いに任せて犯罪行為(本人の価値観で善行と認識した独善的な迷惑行動)を行ってしまう可能性が有る」

と言う条件も考慮した場合、日本の国家戦略の目標は、どこに向かっているのかがある程度推察できるのです。

本日はそれらの事を述べさせてもらおうと思います。


関連リンク


★徳川家康ルート

以前「日本と世界の歴史の類似」でも述べましたが、日本の歴史と世界史が同じような流れで進む場合(又は進ませる場合)、これからインド太平洋が発展する可能性が有ります。

この地域は日本の歴史で言えば、戦国時代を終了させ長期安定政権成立させる事により天下泰平の世を築いた徳川家康が、最終的に天下統一の行動を起こすために力を蓄えた「東海道(インド太平洋)から関東(中国南部)までに重なる地域」に類似する地域でも有ります。

また現在の世界情勢を見る限り、今後これらの地域は、米中露の三大国の競争(特に米中)が激しくなると、緩衝地帯であるユーラシア大陸のリムランドに各勢力が投資合戦を行い発展が促される可能性が有ります。(中国は中東への進出経路確保と漢民族輩出のため、米国は中国を恐れる近隣諸国の援助と、覇権挑戦国である中国に覇権を握らせずに、引き続きドル紙幣を世界に使用させるための生存戦略のため)

これらの事象は進めば、軍拡競争で疲弊した米中露三大国から、最終的にアジア太平洋地域に経済覇権が移動する事になり、また疲弊した米国が国家を維持できない状況に成れば、経済だけでは無く本格的に世界覇権が、これらの地域に移動する事になると思われます。


そして現在日本の行っている外交は、米国と同盟を組みながらも、財界の意向を組んだフリをして中国に肩入れしつつ、米中の均衡を取りながら、更にインドやASEAN諸国にも投資を拡大させ新たなる経済圏を作ろうと言う行動を起こしています。

自国の領土に空白地帯を作り上げ中国の侵略の野心を誘発させながら、

その軍事的負担を米国に押し付け、

国内では、消費税増税と赤字国債発行の経済成長拒否によるスタグフレーション政策で捻出したマネーを世界各国に注ぎ込み、

また消費税増税による国際分業体制再構築を新たにインド太平洋地域に確立させつつ、

米中露の三大国の均衡を取りながら軍拡競争による世界的なバブルを維持させています。


そして、この状況を破綻させれる力(対外資産)が日本にはあり、いつでも対外資産を資本逃避させる事によって米中露を破綻させ、台頭するであろうインド太平洋への資本移動させれる状況を維持しています。

当然このまま軍拡による三大国の破綻が進めば、インド太平洋に成立するであろう次期覇権勢力(徳川家康役)は、日本の影響を強く受ける勢力になると考えられます。


更に欧州に残った先進国である、英仏独の三国は、現在自国の人件費のコスト問題によって生産拠点を、更なる東欧に移し始めており、この地域は先の述べた「インド太平洋」と「エネルギー供給基地である中東」と合わせれば、全てがユーラシア大陸のリムランドを形成しており、今後発展が見込まれる地域と成っています。

そしてこれらリムランドは、かの地政学者ニコラス・スパイクマンが述べた様に、「リムランドを制する者が世界の命運を制す」地域でも有るのです

奇しくもこれらの地域は、日本の歴史に照らし合わせると、「"関東"から"東海道"を経て"畿内"に入り"中国地方の東側"を抑え込んだ"徳川幕府"と同じ勢力図」になるのです。

【資本の移動による世界予測と徳川幕府の勢力の類似】
リムランドと徳川幕府


そして日本の戦略目標の「第一の推察」は、資本によってこのユーラシアリムランドを制し、覇権国家として生まれ変わる事が挙げられるのです。

関連リンク
ハートランド&リムランド


★皇室・貴族ルート

上記の事は、生存戦略における「覇権を獲得してはいずれ維持ができなくなり破綻する」や「国家の存在意義は、生存であって繁栄では無い」の理念から見た場合、覇権の維持負担のコスト増大リスクが予測でき、日本の不利益にも成り兼ねません。

確かに徳川家康の様な覇権の確立と天下の統一による世界の安定がもたらされた場合、ロマンを掻き立てられる要素は有りますが、その様なロマンチシズムに足を取られ国民の生存を危機的な状況に追いやったのでは、本末転倒も良い所です。(現実徳川幕府は、250年ほどで解体されてしまいました)

更にもう一つの疑問点が、日本の低軍備です。本来覇権国家は、強力な統治能力を持ち他者を富ませると共に、挑戦国を退ける事の出来る軍事力を保有し、同時に何か世界的なトラブルが起きれば、治安維持力で体制を維持する事に出来る能力を保持していなければ成立しません。

そのパワーとして最も必要なのが軍事力です。

ですが、日本にはその軍事力が足りていません。

この事からブログ主には、「そもそも日本に徳川家康の様な覇権を、この世界に打ち立てる意思が欠落している」と認識しており、同時に日本の税政策が、この現代世界において、徳川家康の様な天下人に目指していない可能性を確固たる形で予測させる原因として働いているのです。

日本式の消費税は、増税すればするほど「サプライチェーン(生産工程)が顧客に近い付加価値の低い組み立て産業」が海外に流出する税制度で、現在の日本の労働環境を著しく圧迫している原因として挙げられます。

ですが日本の製品を作る組み立て工場が海外に流出すると言う事は、「技術や知識や部品を日本から購入しなければ成らず、日本の規格の影響下に置かれる」と言う事でもあります。そしてそれが進めば進むほど、日本の影響下にある諸国は、日本からの輸入が増えるため日本への貿易経路を守る必要性に迫られます。

つまり、このまま消費税を上げ続ければ、国内に残った部品や知財産業に投資が進み、日本の資本財に依存する諸外国は、日本への海洋航路の安全保障を自国で賄わなければ成らなくなるのです。日本は世界中に生産拠点をバラ撒けば、一国への依存を減らす事が可能となり、特定国への海洋ルートを守らなければ成らない状況からは脱却できるのです。

この様な税制度の視点を取り入れての「産業構造支配と生産地分散による安全保障の確保」を見れば、日本が単純な軍事力による覇権を求めていない事は、理解できるのです。

更に現時点での日本の土下座自虐外交によって日本を敵視している国が多く存在していますが、それらの歴史認識も近年に入り民間(?)の資料発掘によって見直される状況に成りつつあります。これらが本格的に表に出てきて日本の名誉が回復した暁には、今まで日本に冤罪を着せていた人たちは、さぞ気まずい思いをする事になると思われます。

この冤罪を着せた事から発生する気まずい感情による罪悪感は、古来より「イエス・キリスト」や、日本では「平将門」の様な人達を、「神にしたて上げる要因」として働きました。

これらの事を考慮に入れ、第一次及び第二次世界大戦の世界情勢を、日本史での明智光秀の謀反とその後の混乱として位置付けた場合、当時の日本の立場は、光秀(ドイツ)の謀反に巻き込まれ一時的に秀吉(アメリカ)に敵視されていた「皇室、貴族」と同じ状況であったと見なす事ができるのです。

そして現在の現実世界で起き始めている「真実の歴史の発掘と日本の名誉の回復」現象は、三大国のパワーバランスの生き残りを考慮した場合、世界一の富(金余り)を有する日本の名誉回復とソレを率先して行うであろう勢力との関係改善が予測でき、もし米国がこれを行うのであれば、正に豊臣秀吉が関白職に任命され、天下を采配する力を得た、事象と同じ事が日米間で起こるものと考えられるのです。

コレと先に述べた、産業構造を制する事による各国の経済と流通網のコントロールによる経済支配を隔離させる事が出来れば、安定した通貨発行が可能となり、"円通貨"での覇権確立が可能となり、権威者としての立場と合わせて、確固たる立場を築く事になるのです。

つまり日本は、その「資本力」と「産業の影響力」と「冤罪を着せられても世界の為に尽くす献身」によって、「武力を伴わない権威者」である「皇室(天皇)」と同じ立場に立とうとしているのでは無いかと言うのが、第二の推察となるのです。


関連リンク
神と宗教の真理とは?「神の定義」
性善説の勘違い?

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以上が「日本に示された三つの道」の内の"二つ"となります。

と言う事はあと一つあると言う事なのですが、分量が多くなるため次に回します。今回は前後編となる筈ですので、続きは次に回します。楽しみにしてください。

なお当然の事かとは思いますが、当ブログで書かれている事、特に今回の記事は、あくまでも推察に過ぎませんので、本当に日本政府がこれらの事を視野に収めた上で、政治を行っているかどうかは断定はできません。ただしこれらの戦略を行っていないとも断定はできません。それを前提の上で閲覧してください。

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