核兵器

2022年05月14日

今回は、ロシアが日本近海の北海道海域で軍事的行動を活発化せている事から、「もしロシアが北海道を手に入れたらどうなるの!?」の視点から、ロシアにとっての北海道が安全保障的にどの様な位置づけなのかを考察したいと思います。

さて以前にも何度か北海道の地理的位置が米中露の三大国にどの様な意味を有するのかを考察した事が有るのですが、その時の考察では米国や中国が保有した状況下の事を述べたのみで、ロシアが有した時の事には触れていなかったため今回この様な考察をさせてもらおうと思いました。

関連リンク


まず初めに、北海道は日本海、オホーツク海、北太平洋と言う三面の海域に面しており、その内の一つであるオホーツク海には、ロシア海軍が核ミサイル装備の原子力潜水艦が潜ませる事によって、いざロシアに匹敵する核大国がロシアに対して核攻撃を行おうとした時に「オホーツク海に潜伏した潜水艦から核ミサイルを発射する事によって相打ちに持ち込む事が出来る状況を維持するための重要海域として機能し、ロシアの安全保障を担保させている」と言う大前提を認識しておく必要が有ります。

また唯一、同じオホーツク海に面する国土(北海道)を有する日本が「オホーツク海に率先した海軍の派遣しロシア海軍にダメージを与えない事や、同盟国である米国にも北海道に基地を置かせない事によって、日本はロシアに覇権国家である米国と相打つ力を持たせ、米国の世界に対する独裁的な態度を取らせない様にするコントロールを行っている」との考察を述べさせてもらっています。

さらに「アイヌ問題を利用する事によって、あたかも日本人と判別の付き難い中国人をアイヌ民族として受け入れて、北海道を中国に明け渡そうとしている」とも見なす事の出来る法整備を日本が行っている事は、ロシアにとって潜在的な敵国である中国が北海道を手に入れた時の「ロシアが核兵器による相互確証破壊が行えなくなるリスク」をロシアに意識させ、それに応じた対応に走らせると言う事も考えさせれますし、中露が軍事的に激突した時の核戦争や核による恫喝が行われ難くなり、通常戦で両国がより疲弊する事も考えられます。

そのため米中露の三大国間の軍事激突リスクを増大させる事によって、「軍拡や戦争による疲弊を誘発させる事による相対的な国力の強化」が国益と成る可能性のある日本にとっては、非常に重要な地域であると言えます。

ですが当ブログで行って来た考察は、「米国が北海道に軍を駐留させた場合」や「中国が北海道を侵略した場合」のモノであって「ロシアが北海道を有した場合」の考察は抜けてしまっていました。

もしロシアが北海道を有した時、併合にしても侵略にしても、ソレにはどのような意味が出てくるのでしょうか?


★ロシアが支配した場合
現在、日本は米中露の三国全てに対して北海道への軍の駐留を許しておらず、その結果ロシアのオホーツク海に潜ませた核弾頭装備の原子力潜水艦による相互確証破壊が成立している状況が確立させています。

ですが、この状況は日本の都合によって成立している環境と言え、当の日本が北海道の領有権や統治権を放棄したり、ロシア以外の軍を招き入れてしまえば、その様な環境は直ぐに崩れてしまいます。

現状では「日本が北海道に自衛隊とロシア軍以外の軍を駐留させていない事自体が、日本がロシアに対して友好を表明する態度を取っている」と見なすには十分ですが、米中の軍を駐留させたり、海上自衛隊の潜水艦がオホーツク海で敵対的な活動を行い始めたりし始めたらそうも言っていられません。

そして現在の「ロシア対ウクライナ問題による日本を含む西側先進国の対応」や「(もしかしたら)日本のアイヌ政策を利用しての北海道に対しての中国の浸透後押し政策」を意識した場合、現状では核による相互確証破壊戦略の維持を楽観視し続けて居られる様な状況では無くなり始めていると思えます。

この日本の敵対や、敵対でなくても「ロシア最大の敵にもなりえる中国に北海道を譲り渡そうとしている」とも取れる政策を行う日本を見た場合、オホーツク海に面する地域をロシアに敵対的な勢力に譲らない様にするための行動を起こさざるを得ません。

ココのところの極東ロシア海軍による北海道周辺での日本に対しての威嚇行動は、日本に対してのものだけでは無く、米中を視野に入れての行動であるとも解釈できます。最もロシアとしては、米国に対してはともかく、中国に対してその様な事をハッキリ言ってしまっては、対中関係が悪くなってしまうため、口に出して宣言する事は出来ないとは思いますが……

そして、米中では無くロシアが北海道を手に入れた場合、日本が北海道に米中両国軍を招き入れる戦略が取れなくなると共にロシアの核による安全保障が今まで以上に安定的に行われる様になり、"戦争が起こり難くなる"と思われます

逆に、日本が米中の両国に北海道を譲った場合、ロシアとしては核による相互確証破壊戦略が取り難くなり、特に中国としては北海道を獲りオホーツク海に影響を及ぼせる様になれば、人口や経済力からロシアに対して圧倒的に強気にできる事が出来る様になるでしょう。中国としては核戦力を大量に揃えているとは言っても、米露の様に原潜×核ミサイルを揃え切っている訳では無いため、敵対した国に対して大打撃を与える事は出来ても確証破壊の能力に関しては一歩劣る事になります。



★「全面的な核による緊張」と「一方的な圧力」と「核兵器無き熱戦」

現在、日本は中国の東シナ海の進出に対して、殆ど無抵抗とも取れる対応を行い、このまま進めば中国も核弾頭装備の原子力潜水艦を充実させ、米露に対して相互確証破壊の能力を有する事になると思われます。

ソレと合わせて、日本が北海道をロシアに売り渡したり、今まで通り日本の自衛隊以外の勢力を駐留させないのであれば、米中露の三大国間が核による緊張状態を維持する事になり、その恐怖感から一定の安定を得れる様になるかもしれません。

ただしその場合、それらの大国に隣接する中小国において代理戦争が生じる可能性が出てきます。


逆に中国を野放しにして置いて、北海道に米軍や中国共産党軍を招き入れる様な事を行えば、中国によるロシアへの一方的な圧力を増大させる事になると思われます。


更に中国共産党軍を北海道に招き込み、例えば沖縄を独立させ米軍を追い出しロシア軍を招き込むような事を行えば、米軍の展開具合にもよりますが、中露共に核による相互確証破壊が行えない状況に陥り激烈な熱戦(核による緊張から生じる冷戦ではない)に発展する可能性が高くなってしまいます。

特にこの場合、人口、経済、軍事の全てに圧倒的に優れる中国が有利に物事を運ぶ事になると思われ、犠牲が多くとも中国がロシアを屈服させる事になると思われます。


★全世界七十億の人々を軍拡競争バブルに巻き込む事が日本の国益
上記のようなリスクや可能性に対して日本はどの様に対応すればよいのでしょうか?

ハッキリ言ってしまえば、「現状維持!」です。

沖縄、北海道の二地域共に日本の管理下に置いて、沖縄近辺の海域では中国が、北海道近辺の海域ではロシアがある程度日本の管理下の下で核戦力を整備し、戦争に陥らない程度の緊張の下で、軍拡競争や第三国における代理戦争を行い、米中露の三大国が経済的に疲弊してもらい、相対的な国力の強化を行う事が日本の国益に成るかと思われます。

とは言っても最近ではロシアの国力の低下が著しいため、近いうちに音を上げて経済破綻に陥ってしまうリスクも有るため、その様な状況に至った時の為の地政学バランシング戦略の下準備も同時に進めておかなくてはならないと思われます。

「核兵器による相互確証破壊の緊張を煽る戦略」は、必ず米国に対立できる国力と軍事力を有する(百歩譲って核戦力を維持できる)勢力が必要になるため、ロシアが崩壊しようものなら中国ぐらいしかその役目を果たせる国が存在しなくなり、日本としてはバランシング戦略の幅を狭める事にもなるため、もう少しばかりロシアには米中に対しての咬ませ犬としての役割を担うために頑張ってほしいと思います。

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以上を持って「北海道がロシアに奪われたらどうなるの?」の考察を終了させてもらいます。
いつも通り血も涙も無いゲスな結論を導き出してしまいました。
気分を害された方には申し訳ございません。

なお当ブログで述べている事は、あくまでもブログ主個人の見解に過ぎません。間違い等が有る事を前提の上で閲覧してください。

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2019年10月18日

今回は時事ネタで、前回の「北朝鮮のミサイル外交」からの続きの記事とも成っています。
前回の記事と合わせてお読みください。

前回リンク

★米朝同盟!?
前回の事から「短距離ミサイルばかり撃ちまくっていた北朝鮮が、日本前途を射程に収めギリギリ米グアムに届かない中距離ミサイルを試射し始めた」と言う現在の北朝鮮の行動を考えた場合、以下の可能性が考えられます。

まず第一に、米国とは対立しない!

第二に、それ以外の極東の国々に対する圧力を掛ける意図が有る!

この2点が考えられます。


①米国との関係の改善
まず第一に米国との対立が無いと言うのは、一応「表向きには互いに経済制裁を行っている敵性国家と成っていますが、北朝鮮が7月に入ってから射出している短距離ミサイルに米国の技術が使用されている」と言う点から導き出せます。

当初は韓国から流れているのでは無いかと言われている方も居ましたが、その場合韓国の存在が決して許される様なものでは無くなる事になります。

もし韓国が横流ししているのであれば「韓国が周辺諸国に対して恫喝的外交を行う国に対して援助を行い、安全保障を脅かした」と言える事と成り、米国としては特に日本に対しての同盟を考慮した場合、その様な国家を同盟国として扱う訳には行かなくなるからです。

この件に対しては米国は沈黙を保ったままですが、何も言わない理由の可能性として考えられるのが、「米国が直接的に北朝鮮を支援して多段タイプのミサイル技術を北朝鮮に与えた」と言うモノで、その場合北朝鮮は裏で米国と繋がったと考えられます。

※米国の技術は、切り離した他段ロケットの弾頭部を再コントロールし、迎撃を難くすると言ったモノです。


②第二に国家間関係の変化
北朝鮮がミサイルを打ちまくり始める前と後では、極東では国家関係が変化している事にお気づきでしょうか?

それは「日本と中国」と「韓国と日本」です。

日本と中国に関しては、2010年ごろに起きた尖閣諸島近海での漁船衝突以後、日中の関係は冷え切っていましたが、ここに来て両国の政府が主導して関係の改善を行おうとしています。(ぶっちゃけ国民を無視して行っているため、日本政府に関しては本当にその気が有るかどうかは疑わしいですが・・・)

これが中国と関係が悪化し敵対路線に舵を切った米国からしてみれば、容認できる様な事では無いと考えられるのです。


日本と韓国に関しては、既に韓国による「GSOMIA破棄」や「国際法を守らない、強弁過ぎる対日外交」を見れば、最早説明する必要さえ無いと思われます。日本はこの韓国の行動に対して、戦略的放置、積極的無視で対応し始め、その関係は当分の間元に戻りそうにありません。


★中距離ミサイルは日本に対する米国の恫喝か?
上記の二点の環境の構築により、「北朝鮮と米国の深化」と「日韓の米国からの距離置き」が予測でき、中国と対立する為に北朝鮮と関係を深めた米国としては、この日韓の二国を何とかしなくては成りません。

と言っても米国としても、韓国に対してはともかく、戦争にならない様に中国と関係を改善しようとしている日本に対して「関係の改善は行うな」とは言えません。

そこで、その様な事を言えない日本に対して、米国と良好な関係を築きつつある北朝鮮が

「米国製技術のミサイルを発射しているのを見ても分かると思うが、うちは米国と関係を結びましたんで、御宅の国(日本)に届くミサイルを発射したのは、米朝同盟を敵に回せば、ウチ(北朝鮮)が御宅に核ミサイルを撃ち込むって言う意思表示だから注意しろよ」

と言う意図が有って行ったのでは無いでしょうか?


この事から中国に対するモノであると同時に、中国との関係を改善しようとしている日本に対して、表向き反日本的な立場を取れない米国に変わって「裏切るな」とのメッセージを発信した可能性も有るのです。

事実米トランプ政権は、この北朝鮮の行動に対して「問題にしない」との発言を述べており、北朝鮮への寛容が見て取れます。

ちなみに北朝鮮が韓国に対してミサイル威嚇を行い「GSOMIA破棄」を要求するのは、韓国の行う米中日間のバランシング外交に対して、韓国民に危機的意識を植え付け、米韓同盟から離脱させない様にするための危機感煽り目的で行っている可能性も有ると考えています。

米国の立場としては、韓国に対してはともかく、日本に対して強く出過ぎて本当に中国側に追いやる真似だけは避けたいと思われます。そのため北朝鮮に今回のミサイル恫喝を行わせたと考えるのは、地政学的に考えたおかしな事では無いのでは無いでしょうか?

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以上を持って"北朝鮮のミサイル外交"の後編とも言える「米朝同盟!?」の考察を終了したいと思います。

なお当ブログで述べている事は、ブログ主個人の見解に過ぎませんので、間違いなどが有るかも知れません。その様なリスクを御理解の上で閲覧してください。

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2019年10月15日

今回は、北朝鮮の核兵器、特に「核ミサイルをいかにして外交に利用しているのか?」に関する考察となります。

北朝鮮と言えば、米国との交渉が始まってからミサイルの発射は抑制していましたが、ここ数か月の間再びミサイルの試射を乱発し始めました。

予てより「北朝鮮の弾道ミサイルは、純粋な軍事目的では無く、外交交渉目的で行っている」と言われています。これを示すかのように、ここ数か月に発射されているミサイルに関しては、技術的に難しいモノも有りましたが、飛距離に関しては軍事的技術訓練目的の試射としての価値は見いだせません。

このため外交目的のミサイル発射であるとの評価は正しいモノであると言えます。


十年以上前では、北朝鮮の核ミサイル技術は、核弾頭とミサイルは別々で実験されており、それ自体が周辺国に対する技術的恫喝としての効果は薄い状態でしたが、ここ数年の間で飛距離を拡大させ、ついには北米にまで届くミサイルを開発する事に成功し、米国と外交交渉を行うまでになりました。

最も結果に関しては、米国の圧力外交に対抗できず、譲歩を引き出す事は出来ませんでした。

ですが、米国の世界戦略における主敵がロシアや中東勢力から中国に変化してゆく過程で、中国に領土を接する北朝鮮の価値が米国内で高まり、現トランプ政権ではあれほど北朝鮮に圧力を掛けていたにもかかわらず、寛容な態度を取るようになったため、ミサイル技術に磨きを書て来た北朝鮮の方針は、地政学的に見れば必ずしも失敗では無いと言える状況に成りました。


更にここ七月末頃から打ち上げているミサイルは、今までのモノとは違い米国の技術が使用されているのでは無いかと言う疑いまでもが提起されており、その技術の出どころを考慮した場合、現在の北朝鮮のミサイル発射がどの様なメッセージ性を有しているのか多様な推測を産み出す原因と成っています。

以前当ブログでは、「韓国を中国側に追いやり、日本との関係をある程度の改善に導く目的も有るもの」として見ていましたが、10月に入り中距離ミサイルの試射を行った為、追加の考察を考えざるを得ない状況となりました。

以下に述べるのは、以前考察していた当ブログでの北朝鮮のミサイル発射の考察リンクと現在の北朝鮮の立ち位置の変化に関しての記事となります。

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下記のリンクの最後で「北朝鮮が、韓国を中国サイドに追いやる意図」の考察を展開しましたが、もし米国から流れた技術を基にミサイルを発射しているのでしたら別の考察も成立します。

関連リンク

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★ミサイルの距離と北朝鮮の外交
北朝鮮のミサイルを利用しての外交は、二つの目的が予測できます。

まず第一に、純粋に「軍事技術の研磨」を目的としたモノです。軍事技術が高まれば高まる程、軍事独裁国家でも有り、大国の緩衝地帯にある北朝鮮は自国の国土と軍事力を高値で周辺国に提供する事ができますし、他国に対しての恫喝にも利用できます。

大国に囲まれており安全保障的にも軍事力に多大な国家リソースを投入せざるを得ない北朝鮮としては、軍事力と言うモノを利用し如何にして国家の国益に繋げればよいかを考慮しなければならず、その意味では納得できる生存戦略であると言えます。

第二に、核弾頭と長距離ミサイルと言う大量破壊兵器にも成り得るモノを利用しての敵対勢力と同盟勢力に対するメッセージ発信です。

これは北朝鮮だけでは無く、極東の国々の全てに言える事ですが、米中露と言う巨大な三大国に囲まれているがゆえに、そのどれが一国でも敵に回す事が憚られてしまい、そのため直接的に安全保障上の同盟に影響を与える様な断定的行動を行えないため、迂遠な方法で相手に真意を伝えなくては成りません。

そして北朝鮮にとっては、その手法がミサイルの射程距離を利用しての「周辺国に対して安全保障に危機的意識を自覚させ北朝鮮に対して何らかの行動を起こさせる対応を誘発させる」と言ったモノなのです。

例えば、地球の裏側にまで届く超長距離ミサイルを打ちまくっていた時は、米国本土に届くミサイルに危機意識を覚えた米国が対北朝鮮外交を活発化させました。

中距離ミサイルの場合は、米国は安心しますが日本などが危機的意識を抱いてしまいます。後に日本に届かないミサイルしか撃たなくなれば、日本としては「北朝鮮は日本と敵対しようとしていない」と言う意図を有し、その様な考えを日本に持たせる事に成功すれば、北朝鮮としては日本と交渉事を進めやすくなります。

現在のように短距離ミサイルばかりを打ちまくれば、その射程距離に重要都市を持つ中国・ロシア・韓国は安全保障に危機的意識を持ち、北朝鮮を何とかしなければ成らないと思う様になる事でしょう。

これ等を「その時の国家間のパワーバランス」や「外交的な同盟関係」を意識した上で行えば、「どの国が利益になるか、不利益に成るか否か」に影響を与え、ひいては極東の国家間関係を変化させる事も可能になると考えられます。


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以上を持って「北朝鮮のミサイル外交」の考察を終了したいと思います。

なお当ブログで述べている事は、ブログ主個人の見解に過ぎませんので、間違いなどが有るかも知れません。その様なリスクを御理解の上で閲覧してください。

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2019年03月16日

今回は、「二度目の米朝会談の核兵器問題の交渉」に関する問題に対しての一考察となります。

二月末に二度目となる米朝の直接首脳会談がベトナムの首都ハノイで行われました。第一回目の米朝会談はシンガポールで行われ、一応核施設の破棄を努力すると言う事で意見を一致させましたが、結局核施設の破棄に関しては古くなった施設を破棄しただけで使用に耐えれる施設はいまだに使い続けられているのでは無いかと言われています。今回の第二回目の交渉ではそれらの点を軸に交渉をしたと言われていますが、米朝の間で折り合いが付かずに破断に成ったようです。

この結果に対して、日本の地上波放送やネットニュースでは、北朝鮮側が合意に至らず慌てて帰国した事から、北朝鮮側の予想していなかった破談と見る人も多くいます。

ですが冷静な考察を行う人は、米朝ともある程度は想定内の上で今回の会談が物別れに成ったと言う人も居ます。ブログ主もその考察を支持します。

今回はそれらの事を地政学的な視点で説明しようと思います。


★二回目の米朝会談は破綻・・・、したの?
第二回目の米朝会談は、何も決まらずに物別れに終わりましたが、この結果に対して米国のトランプ大統領は北朝鮮に対してそれほど批判的な事を行ってはいません。

これは国際的なパワーバランスを見れば納得がいきます。

まず第一に、米国にとって現状の北朝鮮は敵対するほどの脅威には成っていない事

第二に、北朝鮮にとっても米国は優先的な脅威ではない事

第三に、米国と北朝鮮にとって直近の最大の脅威は中国であり、次点でロシアである事

つまりこれらの事により「現状の米朝の二国は、敵対する国家同士では無く、潜在的に重要な同盟国である」事が理解出ます。

この考えに対して、もしかしたら「北朝鮮にとって隣接する韓国に米軍が駐留しているだから米国は北の脅威」と認識している人には不満かも知れません。

ですが基本的に海洋国家は陸上国境における争いを大陸情勢に引きずり込まれるため避けたがる本能が有り、これは米国にも同じことが言えます。

米国にとっては、朝鮮半島で本格的な紛争が生じ、北朝鮮より遥かに人件費的に価値のある自国の兵を消耗する事には利を見いだせない筈ですので、基本的に米国側から北朝鮮に戦争を仕掛ける事は無いと考えられ、その事から北朝鮮にとって米国の脅威度は、それほど高いものでは無いはずなのです。


そして重要なのが、ついこのあいだも問題になっていた、国際的な中距離核弾頭ミサイルの保有制限の破棄に関してです。

多くの人が述べている様に中国が加盟していない中距離核戦力の制限などは、米露の中国に対しての安全保障能力に制限が掛かるだけの愚策に過ぎず、米国から見た場合、台頭する中国と疲弊しているロシアのパワーバランスの均衡的制御の点からも、さっさと中距離核戦力制限などは破棄した方が良い事が理解できます。


この中露のバランスを見た上で競わせるオフショア・バランシングこそが米国の基本戦略となる筈で、この考えを前提にした場合、極東における中露の直接的な激突地である満州地方に影響を及ぼし、且つ中国の首都である北京を射程に収めれる中距離核戦力を保有するに至ったと思われる北朝鮮は、米国から見た場合、格好の同盟者であると考えられます。

この考察から、米国にとっても北朝鮮にとっても、現状で「北朝鮮の中露向けの核戦力を制限するなどは、利益に成らない」という判断に行き着く筈です。

この事から今回の中朝会談INベトナムで「制裁の一部解除と全面解除の折り合いが付かず」が破綻したのは、米国が北朝鮮に対して「中国向けの核戦力を保有し、米国の利益になる行動を取れるようにしろ」と言う、口には出せない暗黙の了解があったとも考えられるのでは無いでしょうか?

また表立って北朝鮮(テロ指定国家)を取り込む姿勢を見せれない米国の立場を考慮し、北朝鮮が今後中露の間でバランシング戦略を行うのでは無いかと言うのが、ブログ主の考察の一つに存在しています。(と言うよりもパワーバランス的に北朝鮮は中国にのみ込まれない様にするためにロシアに近づかなければ成らなくるため、勝手に米国の望むバランシングが成立するのでは無いかとも思われます)


なお今回の米朝会談の考察に関しては、前回の「何故米国は韓国から撤退しないの?」の記事とも、ある程度は連動した考察したものですので、よろしければ下記のリンクから見ておいてください。

関連リンク


★米越会談!こちらの方が本命では?
さて第一回目の前回の米朝会談はシンガポールで行われましたが、第二回目となる今回の米朝会談はベトナムで行われました。

米国のトランプ大統領は、今回の北朝鮮との会談とは別に、ベトナムの国家主席とも会談しています。米朝会談の陰に隠れていますが米朝会談よりもこちらの米越会談の方が主目的なのでは無いかと言う推察を述べる人も居るようです。

これは米国が中国と対立現状で、同じく中国と国境を接し対立関係にあるベトナムは、米国から見ても重要な同盟国候補となるため、今回アメリカの行った北朝鮮とベトナムの両会談は、地政学的な視点で見た場合、対中包囲を意識した関係づくりと考えた方がシックリ来るためです。

ブログ主もこの考えには賛成です。今回の会談は「米朝」「米越」の会談をセットで行ったと言う事自体が対中国を意識したものであると考えた方が納得がいきます。

これ以外にも、そもそもベトナムに金正恩氏を呼んだと言う事自体が、ベトナムと北朝鮮との間で何か秘密裏の首脳会談が行われたのでは無いかと言う疑惑を中国側に抱かせる事も出来ると思われまので、米国から見れば会談がどの様に終わろうとも、中国に対しての周辺国への不信感をコントロールする事も出来ると考えられます。(中国から見れば北朝鮮とベトナムは、中国と国境を接する潜在的な敵国で、当然逆のベトナムと北朝鮮から見れば、互いは対中戦線における同盟国候補となります)


★全体を見れば・・・
今回の会談で生じた事は「北の核保持」「米国とベトナムの深化」であり、これらを現在までのトランプ政権の外交政策全体で「ロシアとの中距離核戦力の再配備」や「中露関係から見た北朝鮮の重要性の向上」などの全てを事象を連動させ見れば、米朝会談と米越会談は、米国における対中戦略の観点から見れば大成功では無いかと考えられます。

地政学的なパワーバランスを見た場合は、北朝鮮も中露に対しての存在価値の向上を提示する事に成功したと考えられるため、米国だけでは無く北朝鮮もベトナムも三国共に会談成功と捉えている可能性も十分あるのでは無いでしょうか?

逆に中国側からすれば、この米国の作りつつある包囲網を解きほぐすために、北朝鮮への援助や、日本との関係の修復に力を注ぐ可能性も上昇したと考えられます。


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以上を持って「米朝核問題と米越会談を地政学で見る」に関する考察を終了しようと思います。

あくまでも当ブログで書かれている事は、ブログ主の主観的な考察に過ぎませんので、勘違い等が有るかも知れません。それらの事を前提に閲覧してください。

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nh01ai33 at 08:00

2017年10月12日

いや~♪日韓共にノーベル賞の季節が来ましたね。


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プロフィール
ブログ主:無責任野郎
職業:今、無職

参考にした文献の著者
およびチャンネル、ブログなど

≪チャンネル≫
 地上波テレビ
 チャンネルグランドストラテジー
 THE STANDARD JOURNAL2
   アメリカ通信
 チャンネル桜
 虎ノ門ニュース(DHCシアター)
 国際政治チャンネル

≪経済評論家≫
 三橋貴明 氏
 藤井聡 氏
 上念司 氏
 渡邉哲也 氏

≪戦略家≫
 エドワード・ルトワック 氏
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・コメント欄について
 閲覧者様方のコメント入力フォームを削除させていただきました。
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