極東軍事裁判

2018年11月05日

今回は「国家戦略を行うに当たり日本は犯罪をしているのか?シリーズ」の最終回となります。

本来はもっと早い時期にUPしようと思っていたのですが、急遽時事ネタを挟んだため、前回から日にちが立ってしまいました。一応、今回がシリーズのラスト。

シリーズリンク:国家戦略を行うに当たり日本は犯罪をしているのか?
 -1-朝鮮出兵~欧州帝国主義化(2018-10-25)
 -2-幕末~第二次世界大戦(2018-10-28)
 -3-第二次世界大戦の戦時~敗戦(2018-10-30)←前回


考察時期は、敗戦処理以降の事と"まとめ"となります。

-------------------


★極東軍事裁判の欺瞞
なお極東裁判において、取り上げられた南京事件などの問題は、いまだに歴史認識として尾を引いている問題と成っています。・・・が、前回で記した事や、「戦争の起こった時系列」、「当時の地政学状況から見た日中戦争に関わっている国々の同盟関係」、「戦後に想定される国際秩序の力関係」を考慮に入れた場合、日本を裁いた連合国の判事及び裁判官の判決は、とても信用できるものでは有りません。(中国国民党、ソ連、米国、英国、オランダ、フランスの各国の裁判員の采配により日本は裁かれました)

何故ならば、

前回挙げた通り中国国民党は、侵略テロ行為を行い始めた勢力であり、連合国の対日戦争では、慣習国際法の観点から諸悪の根源の一国と定義できるため、日本を自国の行った悪行が霞むほどの絶対悪に仕立て上げ、中国と中国国内における国民党の正当性を保障する担保にしなければならない状況であった。


ソ連は、ドイツが中国から手を引き、米国が蒋介石政権の援助に動く間の蒋介石政権の援助(侵略支援)を行っている事が一つ。(ドイツに奇襲攻撃され独ソ戦に全力を挙げなければ成らないため、日本陸軍の軍事力をソ連満州国境に向けられない様にするための、リソース管理を行わなくては成らなくなったため)

更に終戦のどさくさに紛れて、日本に対して条約破りの侵略行為を行ったため、日本からと国際的に見た場合、慣習国際法的に侵略行為を行った犯罪国の定義に位置付けられている状況だったため、日本がその様な事をされても仕方の無い邪悪な国家である事にしなければ、自国の面子が立たない状況であった事が一つ。


英国と米国は、援蒋ルートによる蒋介石政権への援助と言う侵略支援行為を行い、慣習国際法の観点から軍事攻撃を受けても仕方の無い悪行を行っていたため、日本を悪の国に仕立て上げなくては成らなかった事が一つ。

特に米国は戦争を仕掛けられても文句の言えない行為を行い戦争して居たにも拘らず、日本国民に対して戦争犯罪行為を国レベルで行っていたため、やはりこれも「日本国民が民間レベルでのジェノサイドをされても仕方の無い国家」に仕立て上げる必要があった事が一つ。


オランダに至っては、日本がオランダ領に侵攻する前に、日本に対して宣戦を布告していたため、自分達から戦争を吹っ掛けた事を覆い隠す意図があった可能性が一つ。


フランスは、唯一日本に対して含む事が無い国で、日本の仏領インドシナ進駐も国際法に則り交渉した結果の行為である事を考慮すれば、不必要に日本を貶める必要のない国家となります。

ただし裁判当時のフランスの現状を考えると、国土はボロボロで、米国からの援助が死ぬほど欲しい状態であった事を考慮でき、米国に同調し日本を叩く事によって、援助を得れる権利を確実に確保しようと言う打算を行わなくては復興もままならない筈です。その様な状況を前提に考察すれば、日本を擁護する発言などは出来ようはずも無いと言う事が分かります。


以上の事から当時の世界情勢を考えれば、侵略行為を仕掛けられた「実質上の被害者である日本の名誉を保障する」と言う行動を各国が行えなかった事に関しては、「各国が戦前戦中に行っていた非道な犯罪行為を覆い隠し面子を立たたいと願う意思」や「戦後の復興を考えてた外交」を考慮すれば、行いたくても行えなかった事が分かるのです。


唯一の例外として英領インド出身のラダ・ビノード・パール判事が、当時知りうる情報を基にし下した批評に関しては、比較的公正な立場を示したと言われています。

なおラダ・ビノード・パール判事が日本は無罪であると言う日本無罪論を論じたと言う人がいますが、正確には「日本軍の行った悪い事は犯罪であり、そうで無い事に関しては冤罪である」とも取れる発言を述べただけに過ぎず、無条件に日本擁護を行ったわけでは有りません

更に彼が英領インド出身と言う事でインド人が日本人に対して、「冤罪を着せる様な判決を行うべきでは無い事を述べてくれた」と考え、インドの人達に好感を抱く人も居るかもしれませんが、当時インドは英領であった事を考慮すれば、このパール判事の行いが英国の意向に沿ったものである可能性も有ります

つまり英国が第二次世界大戦後に米国が世界の秩序を守らなくてはならない状況に追い込まれ、且つ日本が地政学的な影響力を発揮する可能性を考慮した場合、日本との関係を悪化させるのは得策では無いと考え、パール判事に英国の意思を代弁させる事により「必ずしも英国は日本に批判的では無い」と言うメッセージを伝えたかったとも解釈できるのです。

これは「覇権国から滑り落ち、米国に逆らえない状況に陥った英国本国が、表立って米国批判を行えない事を考慮した上でのメッセージ発信を行った」と言う可能性です。

無論、「パール判事が純粋に判事として職責を全うしようと言う責任感のある人であった」と言う今まで通りの解釈も有りだと思います。


★現在の天下三分割軍拡バブル
では現在の三大国軍拡バブルに世界が巻き込まれている現状に関して、日本は何か批判される様な事は行っているのでしょうか?

結論を言えば、「批判はされるかもしれないが、犯罪行為ではない!」と言えます。

現在の日本周辺国の特に特定アジア諸国が、自国の供給能力で自国を養えず周辺国に干渉している状況は、第二次世界大戦後に連合国の価値観押し付けによって確立されてた世界観を前提に国家運営を行ったが為に生じたもので、結果的に日本が行っている政策により、それらの国の「独善性膨張」や「過剰供給と過剰消費による混乱」が起こったとしても、連合国の構築した世界秩序を保とうとしたため到達した結果であるにすぎません。

さらに拍車を掛けるかのように、日本の戦前の軍国主義の反省からなる低軍備が、火に油を注ぐように、隣接する国々の安全保障を悪化させているとしても、それは日本にその様な外交や内政を行える前提状況を作り上げた連合国側に原因が存在している。

そもそも日本が侵略経路提供とも受け取れる国家戦略を行っているとしても、周辺国がソレに付き合う必要は無く、日本国自身が周辺国に対して軍拡競争し合って潰し合ってほしいなどと正式表明している訳ではないため、現状は「周辺諸国の勝手な行動による自己責任」となり、日本に責任は生じない。

ブログ主が考えるに、周辺国の日本に対する歴史認識が、該当国の政府による冤罪であった事を認める事が出来れば、各国共にもう少し外交分野で取り得る手段も有るのだが、日本政府にその意思が一切感じられない現状を見れば、日本の民間人が率先してその様な風潮を作らなければ、冤罪を着せた各国も謝罪しにくい状況と成っているのでは無いだろうか。

この様に考えれば、戦後直後の洗脳教育を受けた世代の影響力が今まで以上に低下しない限り、現状の緊張関係が緩和される事が無いように思える。(ただし日本国内だけで歴史認識が改善されても、周辺国でも洗脳教育をしているため、確実に改善するかどうかは不明である)


★結論
以上から、日本国は歴史を遡って、海外に対しては国家として慣習国際法に反する犯罪行為は行っていない。すべて海外の国々の自滅である考察する事が出来る。

また慣習国際法に背いている様な行動があるの様に見えても、それはあくまでも個人や部隊が行った事だったり、国家の指示で行われて居たわけでは無い事が分かっています。

(有名な処では、オランダ領東インドのスマラン慰安所事件などで、これは戦時中現地に駐留していた一部の軍人が、オランダ人女性などを含む現地の女性を慰安所で働かせていたと言う事件で、戦中でも現地軍の上層部で問題に成り慰安所自体が閉鎖させられた事件。下手人は発覚時には裁かれず、戦後の極東裁判にて裁かれている)


★海外に対してはしていない、自国民に対しては行っている

これは海外の学者であるジョン・ミアシャイマー氏が、何かの論文に書いていたと思いました。国のトップと言う存在は、他国との交渉の場では、驚くほど嘘を吐か居ないと言うデータがあるそうです。逆に自国民に対してはよく嘘を吐くそうです。

現在の日本の政治家も正にそれで、海外の人に対して道義的に問題のある行為を行うよりも、自国民に対して行う事の方が多い様に思われます。

事実、見渡して見ると、日本の行った事で在外邦人が海外で暮らしにくい状況に追い込まれたり、日本人が海外の反日活動家から批判を受け、精神的に不快な感情を抱いたり。

酷いものになると侵略経路を売り渡すために侵略を誘発させ、該当国が特定地域を侵略するまで、自国民がどれだけ空爆で殺されようとも無視する等々、正に自国に利益をもたらす状況を創るためなら自国民の命や尊厳などどうでも良いと考えて政治外交を行っているとしか思えない政策ばかりです。

現在の日本政府の政策を見ていると、口では名誉だ尊厳だのと謳ってはいても、今後も自国民を苦しめる様な外交を行う可能性大としか思えません。

実際外国人に、日本国内で「犯罪」や「不正」や「日本国民から見たら寄生しているとしか思えない行為」を容認する様な法整備を行おうとしている様に見えます。

これらの見方は地政学的な資本や感情の流れを制御する手法としては、非常に理に適った政策ですので、どれだけ批判を受けても日本国民を外国人に食い物にさせたり、自殺に追い込む政策を今後も推進し続ける可能性は有ります。日本国内及び国外の邦人も、それらの事を記憶の片隅に留めた上で日々を生活した方が良いのかもしれません。


★唯一のネック中国共産党
最後に上記で上げた日本の外交政策で唯一ネックに成っているのが、中華人民共和国で、かの国の共産党政権だけが、日本国に対して成立して以来、目立った犯罪行為(威嚇やグレーゾーンの行為は行っている)を行っては居ません。事実、南京事件や第二次上海事件の事を「知らなかった、国民党や米国に騙された」と言えば、情報の捏造や捏造された情報を基にした国家的侵略行為を行ったわけでは無い中国共産党政府に対して、日本国政府の打てる手は少なくなります。

また共産党政府が、「日本に冤罪を掛けたのは情報を捏造した台湾や戦争の原因を作った米国だから、日中は新時代の為に手を取り合うべきである」などと言われたら、現在の日本国内の戦後直後教育を受けた世代の多い現状では、どの様な国内世論が転ぶかが分かりません。

当然そうなれば米国も外交方針を変えるかもしれません。

現在の外交情勢は、日本にとって決して悪い状況ではないため、この状況をいかに維持すかも政治家の腕の見せ所と言ったところだと思われます。


★若い国家や組織は、何故道を間違うのか?
なぜ日本は、歴史を遡って確認してみると、国家レベルでの犯罪行為をほとんど犯していないのでしょうか?

逆になぜ世界の国々は、新興勢力ほど国家レベルの犯罪行為を行ってしまうのでしょうか?

これは「歴史が足りない。失敗が足りないからだ」と考えられます。

国家も人間も多くの失敗を犯したり、他者に多くの迷惑を掛け摩擦を起こし、騒乱を経験しながら何が不利益に成るかを経験しながら成長するモノです。

それが出来ない存在は、人間であれば、少年院に入ったり、大人に成って犯罪を犯したりし、国であれば欲望に負けて独善的な正義に溺れ、周辺国と戦争をし痛い目に合うのです。

ここで重要なのは、悪行を行いその行為で得れる利益より損害の方が大きい場合、二度と損害を被りたくないと言う意思が芽生え、同じ失敗を行わない様な行動を取る様になると言う事です。

逆に、損害より利益が多い場合、何度でも同じ行為を行う事になり、多くの人や多くの国に憎まれる事になるでしょう。

そして歴史の長い国ほど、多くの失敗から学び、国際的に他国と付き合えるような国に育つのだと思います。

日本は海に囲まれ、航海技術発展していない時代では、他国に侵略し難く、また歴史も長く内乱等の多くの事件を経験している為、他国が行ってほしくない迷惑行為を理解している国家として成長した国であると考察できます。(無論、これは慣習国際法的な文明や国家や時代を超えて普遍の価値観による、「皆がして欲しくない事は行わない」と言う意味の付き合い方を指しています)

ヨーロッパ諸国も散々殺し合って、支配や征服など不可能と言う事実を認識する事によって、国際法の概念等を定義付けし、現代にいたる国際秩序の基盤を作り上げました。

米国も第二次世界大戦前までは、経済的にも軍事的にも上り調子で勝ち続けていましたが、冷戦後期あたりから、自国の思う通りには世界は動いてくれないと言う経験をして、近年は相対的な国力低下から国際法を前面に押し立てた外交を行う様になりました。

残念ながら中国は新興国であり歴史も浅いため、その様な経験の蓄積も無く、今まで上り調子であるため、その様な他国の考えまでをも考慮するような意思は持ちえないのでしょう。

とりあえず「歴史の浅い国ほど、失敗の経験と失敗による損害を被っていないので、調子に乗って他国に迷惑をかける行為を行う」と言う事を認識した方が良いでしょう。

----------------


以上を持って全四回に渡り続いた「国家戦略を行うに当たり日本は犯罪をしているのか?」を終わりにしたいと思います。

当然の事ですが、当ブログに書かれている事は、ブログ主個人の見解に過ぎませんので、間違いやご情報に基づいた考察が有るかも知れません。それらの事を前提の上で閲覧してください。

本日はココまで!

関連リンク

面白かったらポチっ!

とリンクをクリックしてね♪

    ↓


国際政治・外交ランキング

にほんブログ村 政治ブログ 国際政治・外交へ
にほんブログ村



nh01ai33 at 08:00
プロフィール
ブログ主:無責任野郎
職業:今、無職

参考にした文献の著者
およびチャンネル、ブログなど

≪チャンネル≫
 地上波テレビ
 チャンネルグランドストラテジー
 THE STANDARD JOURNAL2
   アメリカ通信
 チャンネル桜
 虎ノ門ニュース(DHCシアター)
 国際政治チャンネル

≪経済評論家≫
 三橋貴明 氏
 藤井聡 氏
 上念司 氏
 渡邉哲也 氏

≪戦略家≫
 エドワード・ルトワック 氏
 孫子(兵法書)

・コメント欄について
 閲覧者様方のコメント入力フォームを削除させていただきました。
ランキング

国際政治・外交ランキング

ためになったらポチっ!
とリンクをクリックしてね♪

にほんブログ村 政治ブログ 国際政治・外交へ
にほんブログ村
記事検索
  • ライブドアブログ