自然権

2019年06月05日

前回からの続き物となります。


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★正当化しても良い慣習国際法の事後法
前回の考察で道義に反した法整備等を行い、特定の国民に損害を与え生存権を侵害した政治家や官僚は、慣習国際法の概念に照らし合わせて裁くべきであると述べましたが、これに対して事後法になるためその様な事を行うべきでは無いと考える人も居るかもしれません。

ですが慣習国際法と言うモノは、法典の文章に書かれていなくても人間であれば守って当然の概念を指しており、本来は条文化される様なものでは有りません。

そのため条文化されてない事を盾に、道徳的に違法な行為を行う者もおり、近代に入り悪用を避けるために条文化されただけなのです。そのため事後法も適応されず、唯一遡って裁く事が問題無い事にされた概念なのです。

この事から慣習国際法視点での悪行であれば、過去に遡ってでも裁く事も可能であり、時効と言う概念も存在しません。あくまでも「道義的に犯罪的行為を行い他者に対して損害を与えた者」と「損害を与えられた者」の和解と償いによってのみ解決されたと見なされる事なのです。

個人であればその個人が裁かれ、国家であれば国民は裁かれませんが原因になった政府が、また後継の政府が責任を持って謝罪と賠償を行います。

基本的に当事者や当事国同士で解決され、それ以外の「個人であれば血縁」や「国家であれば関与していない国民」には、賠償責任は負わされても犯罪者としてのレッテルを張る事は行われません。

この事からあくまでも「何もされていないにも拘らず一方的に犯罪行為を行い、他者に対して損害を与えた"個人"」に罪を償わせる事が必要なのであって、犯罪行為を行った本人以外の血縁等には、その罪は連座させない様にする事は必要なしょちとなります。

ただし例外が有り、犯した罪によって得た利益を同じように享受した場合は、得た利益を返済する義務が生じます。

例え一銭も保有していなくても、教育と言う形で資産譲渡を受け持続的に豊かな富を生み出す資本形成をして居た場合、そして自身や自身の家族が生きる以上の富を稼げる場合は、その余力分を返済に充て解決を謀らなくては成りません。

今や資産と言うモノは、形に残る者だけでは無く、知恵などの目に見えない形で残す事も出来ます。そのため犯罪行為で得た富を、自身の後継者に形に残らない形で残し、お目溢しを得よう等と図るモノが出ない様にするための処置が必要であると考えられるのです。


★正義の法と武力による解放
もう一つ考えねばならない事が、テロ等による武力を伴った報復や改革は正当化されるのかと言う点です。

人間と言う生き物は「物理現象によって構築された自然の循環環境において、知恵と団結を武器に社会分業体制と言う生き方で生存権と安全保障を確立しました。その社会体制を破壊しない様にするため抱かざるを得なかった仁義道徳の概念こそが、物理現象に即した法則であり、これら地域やライフスタイルを超えて文化文明を構築して生きる人々が共通的に持つ道徳観こそが正義の法(失われないモノ)である」と言えるモノなのです。

そして武力に訴えると言う行為は、一見苛烈で現在の日本の法律に違反している様に思えますが、生存権の確保と言う観点で見た場合、不公正な法律で意図的に特定の者たちにだけ生存権侵害を行う行為は、「生物として生きる権利」を政府の先制攻撃で剥奪した事を意味し、この明確に仁義道徳に背く悪行は、人が人として生きる上で戦いを自然法である生存権と報復権の観点から正当化できてしまう事になります。


・就職氷河期世代のテロリズムリスク

上記の事から当ブログで述べた「氷河期世代はテロ予備軍に成ってしまうのか?」での考察を軸に考えると、

日本政府は国家の法律と言う視点から「氷河期世代を追い詰める様な行動を他の世代に行わせる事」を行いましたが、慣習国際法的な善悪の視点で見た場合、国家権力を利用して特定世代に過剰な負担を押し付ける行いは、明らかに"悪"に属する政策で、これに対して法的に問題無いと言う価値観で文句を言わず、武力に訴えてでも自己の生きる権利に対して命を掛けた行動を行わないのであれば、その悪行を正しいと言っている様なモノであり悪法の容認となるのです。


「人間が生物界で生きる上での個とコミュニティの保全」と言う観点で日本国政府の行いを見た場合、民主主義施政下の社会で法権力によって構築した「富の循環構造」と「風潮の操作」で、一部の世代の一部の人達により重い負担を強い、社会や国家を統御する法制度を悪用し、それ以外の大多数の人達の支持を取り付け、被害者の言論と不満を大多数の中で埋もれさせ表に出さない行為は、社会と言うコミュニティを作り生きる社会的生物の倫理に反しています。

政府の行っている行為が、この生きる上での物理法則の影響下で自然発生的に抱かざるを無かった倫理に反しているのであれば、自然法における生存権を基準にした「武力・言論等の人道に反しない範囲での、あらゆる手段を利用し生存権を確保する反撃行為」が正当化さてしまいます。

自然法や慣習国際法(仁義道徳)の観点では、先に悪行を行った者に対して反撃する権利を有しており、これに関しては、先に悪的な手段で先制攻撃を仕掛けた者に責任が帰される事になるため、日本政府が行っている計画的な戦略政策による被害者が、その「政策を実行した者」と「支持し利益を取得している人」に対して、「政策による生存権の破壊行為がされている現状を、民主主義体制で改革不可能であるのならば」、倫理面に反しない形での武力行使も正当な行いであると認識できてしまうのです。

これらは国民からの憎悪の炎で身を焼き焦がされ滅びる事も、「法律では無く法則による法治主義」の内にあるシステムと考えられます。

関連リンク


★公務員は責務を果たしているのか
上記の事は、政府・政治家・官僚が行った行為の悪質性から発生する諸問題の考察ですが、それ以外の体制維持に貢献し、被害拡大に貢献している公務員の方たちには、どの様な責任が発生しているのでしょうか?

法律を提案し作るのは、国民の意見を聞いたふりをしている政府の仕事ですが、その法律を運用し実際実行するのは公務員となります。彼らは「一応国民の事を考えて作られた法律」をどの様に運用し、国民が安全に暮らしていけるように努力しているのでしょうか?

それらの法律の運用下で、労働者の人々は安定した労働環境で働けているのでしょうか?


「労働者が安心して働ける現場を用意しているのか?」「雇用側が労働者に対して非人道的な働かせ方を行って居た場合、その行為に対して改善を促せることが出来るのか?」等の要件を公務員は行っているのか?

バブル崩壊以後よりその様な問題が提起されているにも拘らず、また一般の労働者よりも雇用と所得で安定性が有るにも拘らず、被害を負わせている雇用側を監視・制裁できる様なシステムを構築していない点に関しては、「現状公務員は自身の所得と雇用さえ守れれば労働者を守れなくても良い」と考えていると見なされても仕方がありません。

「法律で規定されているでは無いか?」と思われる方も居るかもしれませんが、

「法律が制定されているのか」と言う事と、

「その法律が理に適った事であるのか」と言う事と、

「理に適った法律が運用されているのか」と言う事は全く別問題で、

現状の労働者を見た場合、自己満足で法律を制定し運用し、労働者を守っている気分に浸っているだけで、実際は何ら労働者を守っていない事になります。

例えば監査一つとっても、「抜き打ちで行う場合」と「宣言して行う場合」があるようですが、「秘密裏に潜入させて行う」と言った行為はなかなか行っていません。もし宣言して行った場合、本当にあくどい事を行っている組織であれば対応策を取って逃れる恐れもあり、監査と言う行為自体に意味が無くなります。

抜き打ちで監査するか、若しくは予め全ての企業に監査員を送り込み、本当に企業側が倫理道徳面において組織運用を行っているかどうかの監視を行わなくては、この問題は解決しないと考えられます。

現在の公務員制度ではそれらの監視制度が整備されてないため、最初から労働者を守る意思が存在しない事になります。


これは憲法の

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第二十五条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

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に真っ向から反していると考えられます。

重ねて言わせてもらうが、法律を文字に起こし制定している事で問題が解決する訳では無く、「法律が理に適っているのか?」「その法律が守られているのかが監視されているのか?」「違反者に制裁が有り、反道徳行為が行われない環境が構築されているのか?」が重要で、監視と行動が伴わなければ、法律違反が行われていても、罰せられなければ行いを改めず、悪行を行っているとも認識せず、そのため被害当事者が気付かずに被害に遭っている現状を解決する事は出来ないと考えられます。

日本の行政は、自分達が監視したい事に関しては監視するが、それ以外の多くの民草が被害に遭っている案件が有っても、興味が無ければ監視する事はしない。

法律さえ制定して置けば、性善説に沿って犯罪は行われないと言う名目を前提に、努力を放棄していると見なさざるを得ません。

とは言っても彼らは、政府や官僚の作った枠組みで働いているだけですので、知らないうちに加担させられているだけとも考えられ、その様な人達がもしテロの対象として巻き込まれたのならば、ご愁傷様ですとしか言いようが有りません。


★「報復されたがっている」のかもしれない政府と官僚とマスメディア
これは以前にも少し述べましたが、もしかしたら政府・官僚・マスメディアと言った各種勢力が、日本の生存戦略の下で特定世代以降の人達に経済的に過剰負担を着せ人生に絶望させる環境構築をしているのは、生存戦略だけでは無く自分達もが恨みを買う事によって社会改革を促す目的があって行っている可能性も十分あるのでは無いかと考えられます。

当ブログでは日本が国家体制を混乱させ新体制に移行する時、それらの混乱さえも計算の上で行っている可能性を考察していますが、現代の特定世代の人達に対する不公正制度や、そこから生じる社会的混乱や被害もある程度は予測の範囲で行っている可能性が有り、歴史的に見てそれら社会の変わり目では「幕末」や「敗戦」の例にもある様に、既存の体制を支えていた政府・官僚や利益を得ていた人達の悉くが、粛清されたり富を失ったりして、旧体制で不公正な制度下で不遇に追いやられていた人達の留飲を下げ、それ以上の報復の連鎖に発展しない結果を実現化させています。

別に自己を犠牲にして目的を達成するのは構わないのですが、自己満足的に行いソレに巻き込まれる国民はいい迷惑ですので、政府主導で報復包囲を誘発するに値する行いを行ったのであれば、報復され報復し返さない事で、報復の連鎖に突入しない社会情勢を構築して頂きたいものです。

この事から最も特権の下で利益を得ていた人達に関しては、どれだけ被害に遭おうともテロリズムを生み出す環境を意識せずとも結託して作り上げたのだから、必ずしも他人事と言い切る事は出来ないため同情する事は出来ません。


一番理解できないのがマスメディアで、マスメディアに関しては政府と対立しているフリをしながらも、減税処置や電波利権で利益を得ており、日本の地政学戦略を補助するかのような情報発信ばかりを行っています。

また国民と同じ負担を被っているとは言えず、ここまであからさまに国家戦略目的の政策に加担していると、「国民を自殺に追いやる事に努力しているので、ぜひ報復してくれ」と言っている様なモノで、命が必要ないから行っているとしか思えず、ブログ主としては彼らの正気を疑わざるを得ません。


関連リンク
・地理と歴史と資本の流れで見る日本の戦略まとめ

・戦後を見据えた日本の布石
 ≪-2地政学で見る投資と敗北-

・国家戦略を行うに当たり日本は犯罪をしているのか?
 -2-幕末~第二次世界大戦
 -3-第二次世界大戦の戦時~敗戦
 -4-敗戦以降と極東裁判

イデオロギーシリーズ
 -4-西側陣営の政策を地政学で考察する
 -5-イデオロギー変化は循環の制御である


・地政学で見る政党
 1-日本に二大政党制は必要なのか?
 2-地政学で考える政党勢力


・戦略における勝利と敗北
 ①勝ってはいけない
 ②負けた方が歴史を動かす


・戦争と平和の幸福と不幸
 -1-戦争と平和の循環構造
 -2-平時の不幸、戦時の幸福


★最終的に言えるのは・・・
もし法律等に生存権を侵され社会に報復する行動をとらせた場合、その様なテロリズム等の現象に至ったのであれば「自分達が知覚してないだけで、その様な現象が起こるに至る法律をを適応させていた」と見なさなくては成りません。

そのため如何なる目的が有ろうとも、それによって生じた被害の責任は政府に掛かってしまい、その罪を償う為の粛清からは避けられないものと考えられます。

この事から政治家や官僚と言うモノは心底割に合わない仕事だ思えてしまいます。だからと言って天下り等で大金をせしめて、自己の権益のために多くの人を不幸に追いやった場合、その罪から同情を受ける事は出来ません。

日本の生存戦略を推進し他人の不幸と引き換えに利益を得ている人達は、いざと言う時の為のダメージコントールを放棄しているように思えます。

これが「一罰百戒の為の見せしめに成ろうと言う殉国の精神」から出た行動なのか、それとも「ただ他者を食い物にしてでも利益を確保したい」がための行動なのか判断に苦しむところです。

ブログ主はあくまでも環境と環境下から推察できる政策を基に、彼らの行動と内心を予測しているだけですので、本当の処、彼ら政治家や官僚やマスメディアがどの様な思惑で行動しているのかは、彼のみが知るところとなります。


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以上で、前回の「「悪法も法」論理は道義的に無理」とそれに続く今回の「解放のための武力行使」の全二回の考察はこれにて終了となります。

当ブログでの考察は、あくまでもブログ主個人の見解を書いているだけですので、もしかしたら間違い等が有るかも知れません。それらのリスクを理解の上で閲覧してください。

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