負けて勝つ

2019年02月18日

今回は、当ブログで述べている日本の戦略を基準にした「周辺関係国から日本がされたら嫌な戦略」の考察でお送りいたします。

あくまでも当ブログで述べている「日本が日本の歴史と世界の歴史が似た様になるため、その類似性を利用しての周辺国を巻き込み全世界にバブル経済を輸出する戦略」を基準にした時の考察となりますので、ブログ主の前提にしている日本戦略が外れているのであれば、そもそも今回の考察が成立しませんので、その辺りは考慮の上で読んでください。(下記のリンクがその前提の考察となります) 


関連リンク
哲学で見る日本の戦略まとめ

地理と歴史と資本の流れで見る日本の戦略まとめシリーズ
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★日本の前提条件
まず日本の大まかな戦略の前提条件となる環境を考察したところ、隣国に

「ハートランドを制し全ユーラシア各国に干渉できるロシア(ソ連)」

「ヒマラヤの河川地帯と中原と言う世界最大の生産地帯を制した中国」

「北米を制し太平洋と大西洋の双方からユーラシア大陸に干渉する事の出来る米国」

と言う三大超大国に接しており、この三大超大国の個々に対し、

「他の超大国の命脈を決定づける侵攻ルートを提供したり干渉したりする事の出来る国である」

と言う事が日本列島の環境であると言えます。

この様な環境を有している国は、全地球規模で文明が広まった現在では、世界広しと言えどこれ程超大国に影響を与えられる国家は日本以外には存在しません。


自国の国土を見た場合、「日本は極東の島国で、基本となる四島の島のほかにその他多くの離島を有した国である」と言う事が言えます。

この事により僅か数個の島が隣接する大国の手に渡っただけでも、隣国の国家の接し方や通商ルートが変わってしまい、そのパワーバランスに変化を生じさせてしまいます。

これが通商の問題だけで済めばそれほど問題には成りませんが、実際は近隣諸国の国防の問題にまで波及してしまう事になるため、大国間の関係の悪化が生じ、これら大国に隣接するほぼすべての国が、これた米中露の三大国の勢力争いに巻き込まれ疲弊する事になります。

日本は地理的位置の問題で、日本一国の同盟関係が変化しただけで現在の米国の覇権構造に打撃が生じるため、米国も日本に裏切られない様にしつつ、日本に裏切られても損害が少なる成る様に軍事力を持たせずに国防を米国が受け持ち、日本の軍事的な自立性を阻害しつつ常に日本を米国側に居る様にしてきました。

ですが軍事負担を被らなくても良くなった結果、日本は経済的に発展し技術や資本を蓄積させ、米国の覇権維持に無くてはならない国に成り、日本が米国から離れた場合、米国の経済覇権を失うリスクも生じさせてしまいました。

結果的に日本と言う国は、隣接する米中露の三大国にとって地理的にも資本的にも覇権的にも同盟国としていてもらわなくてはならない国に成り、例え三大国が争っていたとしても日本に敵に回られない様にしなければならない現状を作ってしまいました。

この状況確立により日本は、米中露の三国を争わせ、疲弊させる事によって相対的に自国の国力を強化する事の出来る戦略的な環境を手に入れたのです。

これにより日本は、自国がリスクを負い争う事をせずに、米中露を争わせる事に注力すればよいため、積極的に敵を作る事はせずに、意図的に弱みを見せる事によって周辺国を日本の得意とするフィールドに巻き込み、そこで争わせ疲弊させる事が最大効率を上げられる戦略として行使できる国家に成ったのです。


★日本がしている戦略
上記の事を前提に、日本は如何にして「領土、歴史認識、資本」を軸にして周辺国を巻き込む戦略を行っているのでしょうか?

・領土
まず領土は、国家が国家として構築される上で最も基本的な基盤となる存在で、領土が有ればこそ、食料や鉱物など資源が手に入り、これらを利用し国家を構成する"人"を養う事が可能となります。また位置的な状況によっては物流の拠点としての権益を得る事も出来ます。

これら資源が多ければ多い程、国家は多くの人を養える事になり、重要な地域に有れば有る程、富や物資や情報が流れ込む事になります。

ですのでこれらを利用し周辺諸国を巻き込むのであれば、国家における領土や資源を守る存在である軍隊に、真面な防衛行動を指せない様にする等の、意図的に周辺諸国の侵略を招くような安全保障体制を構築する必要が有ります。

例えば「防衛負担を極力少なくし、容易に周辺国が侵略できそうな状況を作る」「スパイや工作員を敢えて受け入れる」「他国民と自国民が国内資源をめぐって争い始めた時には、他国民を優遇し自国民を押さえつける事によって、他国民にその国で横暴を働いても良いと言う認識を与える」などの政策が必要となります。

無論意図的とは言えこの様な事を行えば、コントロールに失敗した時に、紛争の原因にもなるため、いかにして国内で紛争にまで発展しない様にして、周辺諸国に「侵略できそう」とか「この国はダメだ、我が国が自国の安全保障の為に、かの国にまで出張って防衛をしなければ」と言う思いにさせ、周辺国同士で争う状況に追い込むかが重要になります。

・歴史認識
歴史認識は、その国がその国として存在する上で必要なメンタルを構成する情報であり、内部と外部を隔てる精神的な壁の役割となる国家の魂でも有ります。

ですのでこれらを利用し周辺諸国を巻き込むのであれば、対象国の国民に自己の国家の行う行為に無謬性を感じさせ、いかなる行為も是とする価値観を植え付ける事によって、領土問題や経済問題と連結させる事で、混乱状態に追い込むかが重要な要素となります。

例えば「あの国はかつて我が国を侵略した、領土を奪い返せ!」とか「あの国は犯罪国家だ、賠償金を勝ち取ろう」とか「あの国は邪悪な国家だ、この事を世界の人に広めて我が国の正義を知らしめよう」等の認識を与える事は、その認識をたたえられた対象国を領土関連や経済関連の事でコントロール下に置く場合は、非常に優れた撒餌となる筈です。

無論この様な嘘を発信する時、第三国の国民に対しての直接的な被害を擦り付ける直接的な情報発信を行えば、情報発信をした国は非難を免れませんが、当事国の人が自国を貶める嘘を流した場合は、後で只の誤報だったとの言い訳も可能でとなります。その様な真偽も曖昧で確証も無い噂話を信じ、発信下国家の自虐的な情報を信じ、発信元国家を叩いた場合は、その情報が偽の情報であった時、その情報を信じ叩いた他国人は、冤罪で発信元国家の事を叩いただけの「冤罪を擦り付け他だけの人」に成り下がる事になるでしょう。

これは当ブログで述べて居る性善説である「人が社会的な生き物であり、社会を構成し生きる上で犯罪を犯さない様にして生きなければコミュニティから弾き出されて生きて行けなくなるため、人は極力犯罪行為を行おうとはせず正しい行いをして生きて行こうとする。逆に自身の不備で、正しいと信じた行いで他者に回復不能の損害を与えた場合、心弱き者は自己の行いを正当化し、犯罪行為を認めずに自己の精神を防衛する行動を取る」と言う考えを軸にした場合、自己の無謬性を信じ他者や他国に冤罪を着せた場合、ましてや第三国や国際社会に大声で吹聴したならば、もはや後に引けなくなり冤罪を着せた相手に冤罪を着せ続けなければ、自己を保てない状況に陥ってしまう。

そのため敢えて冤罪を被ると言う行為は、「相手を引くに引けない状況に追い込む」と言うコントロール戦略として機能する事にもなるのである。

・資本(富)
資本などの富は、国家が国土から取得できる富を生産加工したり、それを販売する事で稼いだ「金銭や供給能力」を指し、ある程度の保存性を有している為、国境を越えての移動が可能となります。

そしてこれら資本は、他国に輸出したり貸し付けたり、逆に借りたり輸入する事がで可能で、純粋に領土から取得できるだけの無加工一次産品に比べ、対象国への影響を与えやすいモノと成っています。

現状の世界経済では、これらのモノは国境など無いかの如く移動し、また湯水のごとく消費され、「輸出した国の富の蓄積」と「輸入した国の消費の増大と負債の拡大」に繋がり、国家間の繋がりをより深いものとしています。

しかしこれは諸刃の剣で、一時でも繋がりが立たれたり、輸入国の弁済が滞る事態が発生すると、信用取引が崩壊し資本の流れが停滞若しくは逆回転し、生産側と消費側の双方に打撃を与えます。無論生産側よりも消費する側の方が打撃が大きく、消費するだけで生産する能力の無い国家であった場合は、致命打とも成り兼ねません。

ですのでこれらを利用し周辺諸国を巻き込むのであれば、意図的に富や生産物を低価格で対象国に流し、対象国が不必要なまでに豊かに消費力を拡大させた時、対象国は富を流してくれる国家に対しては逆らい難い状況に追い込まれたと言えます。

ですので資本や富でのコントロールは、敢えて「お金を貸す付ける事によって、過剰なまでに人口を養える様になる」とか、敢えて「生産物の一工程に必要な技術を流す事によって、高度な技術品を生産できる様になっても、その生産物を作る他の工程で技術を流した国の影響下に置かれる」と言ったコントロール目的の一時的な利益授与が成立する事になるのです。

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以上の事から、これら領土、認識、資本等の要素を手放し相手に押し付ける事により「領土維持と接する国同士の軍事緊張」「自国の独善的正義からなる周辺国との軋轢」「自国内でのみで維持できない人口と消費力及び投資力で国家を構築させ、そこから生じる国家の不安定化と自立性の低下」が生じさせれる事になります。

更に唯一の覇権国であり基軸通貨国である米国に対しては、「ドルを使用して、自国通貨を米ドルとペッグしている国(サウジアラビア)から商品を購入するなどをして、米ドルが世界で使用され続ける現状維持に貢献すると共に、米国が自国の安定のためにその構造を維持しなくてはならない状況に追い込む」と言うコントロールも成立する事になります。


★日本がされたら嫌な事

上記で述べた幾つもの要素での「意図的に敗北する事による利益と成果の押し付け」から発生する、これらの要素が密接な連動によって、現在世界で使用されている「GDP」等の数値では、認識でき無い負担増大によって、近隣諸国の衰退の加速が誘発でき、これによって相対的に日本の国力増大が行える事になります。


もし逆に日本が勝たせられた利益を享受させられたり正義を教え込まれた場合は、排出し続けた"利"の還流が始まり、地滑り的に大国化が始まり世界秩序の維持負担を押し付けられる恐れがあります。

この事から、日本の戦略にとっての大前提は、与え続ける事であって、利益を回収したり、ましてや与えられる様な事が起これば、現状の築かれずに諸国を疲弊させる戦略が破綻する事になり、日本の利益の最大化が阻害される事になります。

ですので結論として日本がされたら嫌な戦略は、これら他国に流し続けている"利益"が還流させられるように仕向けられる事になります。

例として挙げるのであれば、

・先の大戦で「日本は正義だった、我々(連合国側)が悪だった」と言われる事
・第二次世界大戦で行ったと言われている犯罪行為と認識されている事は、必ずしも犯罪行為では無かったと認識される事
・日本は悪と言う歴史認識自体が覆される事
・領土を返還される(北方領土、竹島など)
・「日本は世界のリーダーシップを取って治安維持に貢献してほしい」などと言う自尊心を刺激される事を言われる
・周辺諸国の対日領土侵犯が止められる
・対日借金を真面目に返済される
・外国人が日本国内で真面目に暮らす
・対日外交の嫌がらせ外交を止められる事
・簡単に利益を得れる技術を授与される
・外国人が日本人の為に働いてくれる

等などが挙げられてしまうのです。


この様に「利益の授与によるコントロール」と言う点から見た政治戦略は、一般人から見れば本当に「どうしようもない行為」だと言う事が分かると思われます。

これを見て思う事は「飼育者と家畜」の関係だよな・・・

餌を与えるのは良いが、餌を与えられるのは嫌だ!

と言うやつです。


ため息が出ます・・・


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以上で「日本がされたら困る戦略」の考察を終了しようと思います。

しかしこの様に見ると政治と言うモノが、本当に「悪」に属する職業だと言う事が分かります。正直なところ「関わり合いに成りたくない」と言うのが感想なのですが、日本と言う国家に属して生きている以上その様な事を言っても仕方が有りません。

これらの事を認識した上でいかに巻き込まれない様に、また達観した視点で政治を見て熱くならない様にして生きるかが、現代社会で生活する上での正しい生き方では無いかと思う今日この頃でした。

本日はココまで!!


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